読書の記録_国内作家さ行

フォー・ユア・プレジャー

柴田よしき/著 講談社 花咲慎一郎シリーズ2作目。今回は複数の事件を並行して調査することに。そのうち一つは文字通り命懸け。山内練の悪魔的描写が特に際立っていて主人公よりも目立っている。

フォー・ディア・ライフ

柴田よしき/著 講談社 花咲慎一郎シリーズ1作目。 新宿・歌舞伎町にある無認可保育園の園長かつ探偵である花咲慎一郎のシリーズ1作目。RIKOシリーズと同じ世界なので脇役で同じ人物が登場する。主人公がお人好しで、赤ちゃんや小さい子どもが出ているためか…

月神の浅き夢

柴田よしき/著 KADOKAWA RIKOシリーズ3作目。連続猟奇殺人事件で、事件の真相がいかにも1990年代ぽさが。事件の鍵がサイト情報だったりするが描写がインターネット黎明期らしさがある。 事件とは別にもう登場しないかと思った麻生があっさり再登場。山内の過…

聖母の深き淵

柴田よしき/著 KADOKAWA RIKOシリーズ2作目。緑子が母になって1作目よりも穏やかな性格に。事件は彼女に降りかかる災いは1作目同様だしLGBTエピソードも1990年代半ばという時代背景のせいか。別作品の主人公の探偵、麻生が登場するのは本作が初だが作中の時…

RIKO―女神の永遠

柴田よしき/著 角川書店 第15回横溝正史賞受賞作でシリーズ1作目。警察小説だが事件自体も警察組織内も性暴力多くて笑えない。主人公緑子の人生が辛い。事件の結末の着地点が強引な感じ。

私立探偵・麻生龍太郎

柴田よしき/著 KADOKAWA RICOシリーズを全く読んでないが麻生龍太郎はそこから派生したキャラクターらしい。元刑事で事件に対して天才的勘が働くが人間的には不器用である。収録された話で起こる事件は最初はそうでもないが進むにつれてややこしくなって先が…

ねこ町駅前商店街日々便り

柴田よしき/著 祥伝社 無人駅になった私鉄の終点かつ駅前の商店街はシャッター街という状態から不思議な猫がやってきたことで再興の光が見えてくる物語。商店街文化祭の途中でトラブルが起こるとか特になく希望ある終わり方でストレスない結末だった。

ぜんしゅの跫

澤村伊智/著 角川ホラー文庫 <収録作品>『鏡』『わたしの町のレイコさん』『鬼のうみたりければ』『赤い学生服の女子』『ぜんしゅの跫』 比嘉姉妹シリーズ5作目。本作は特に過去作を順序に沿って読んでいないとネタバレになる話が結構多めだった。表題作は…

アウターQ

澤村伊智/著 祥伝社 DPZのようなWebマガジンアウターQのライター湾沢陸男が取材先で出会う怪異とは。霊的なものだけではなく人間怖い系もありなホラー連作短編集。しかし、最終話での謎解き解決編は書き下ろしだが本作連載時から想定していたものだったのだ…

ファミリーランド

澤村伊智/著 早川書房 <収録作品>『コンピューターお義母さん』『翼の折れた金魚』『マリッジ・サバイバー』『サヨナキが飛んだ日』『今夜宇宙船の見える丘に』『愛を語るより左記のとおり執り行う』 ホラーではなく、近未来SFもの。こういうのも書けると…

ししりばの家

澤村伊智/著 KADOKAWA 比嘉姉妹シリーズ3作目。比嘉家のことが少しずつ開示される。長女の琴子がメインの物語だとホラー度が上がって砂の描写が特に怖い。事件は解決してもその後不穏な雰囲気が残る。シリーズのせいか東村山市が霊的やばい街になってる。

ずうのめ人形

澤村伊智/著 KADOKAWA 都市伝説めいた話から残酷な死をもたらす怪異が起こる。途中で『ぼきわんが、来る』の比嘉真琴が登場することでこれってシリーズものだったのだと気づいた。つまり、KADOKAWAから発行された作品は出版順に読んだ方いいのだな。作中の怪…

恐怖小説 キリカ

澤村伊智/著 講談社 ホラー大賞受賞から2作目までの間についての出来事を書いたモキュメンタリー(映像じゃなくて小説だけど)ホラー。本作が実際著者の3作目なので、フィクションだけどフィクションぽく読める部分もあるので出版タイミングがよい。講談社の…

悪童たち 上・下

紫金陳/著 稲村文吾/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 冒頭の時点から闇深いという印象を受けたが、最後の最後まで闇深かった。完全犯罪を成し遂げようとした殺人犯の犯行目撃した子どもたちが殺人犯を脅迫するという計画。途中子どもたち自身まで殺人し出す展開だ…

田舎のポルシェ

篠田節子/著 文藝春秋 <収録作品> 『田舎のポルシェ』『ボルボ』『ロケバスアリア』 ロードノベル3編収録。 どれも社会問題を反映し て暗い背景はあるものの、 結末は明るい。

廃院のミカエル

篠田節子/著 集英社 ギリシャが舞台。雪が降っているのが不思議な感じ。 途中からオカルト的展開になったのはなぜに。

精霊流し

さだまさし/著 幻冬舎 さだまさしの自叙伝かもしくは私小説。 さだまさしは別の名前になっているが 家族などは本名ぽい。 タイトルに沿ってなのか 身近な人との死別の話が中心だった。

また、桜の国で

須賀しのぶ/著 祥伝社 戦前の日本とポーランドとの 友好関係話は知っているがそれを元にした 小説は初めて読んだ。 第二次世界大戦で蹂躙されている ポーランドの描写は辛い。 またライスはほろ苦いものだった。

鬼女の都

菅浩江/著 祥伝社ノン・ノベル ホラーにいつ転ぶのだろうかという ハラハラ感がほぼ後半まで続くミステリ。 京都独特の雰囲気が味わえる。

鏡の背面

篠田節子/著 集英社 小野尚子が実は半田明美では、 というところから先が気になって一気読み。 半田明美が善人か悪人かと主人公的な 女性ジャーナリストと施設長がゆらぐが、 長島という昭和的な感覚の元ジャーナリストが 横槍入れて邪魔そうなのに結構役に…

罪の声

塩田武士/著 講談社 グリコ・森永事件をモデルとした事件 ギンガ萬堂事件のその後の物語。 未解決事件を追う新聞記者と別に 自分の声が犯行声明に使われたかつての子どもが 事件の真相に迫っていく。 モデルの事件が丹念に取材されていて それがしっかり物語…

ぼぎわんが、来る

澤村伊智/著 KADOKAWA 第22回日本ホラー小説大賞、大賞受賞作。 三部作構成で、語り手がつど変わることによって 話の視点が異なったものに見える。 特に第一部から第二部へ切り替わった後の 現実的にありそうな家族の歪さが怪異よりも怖い。 怪異自体も結構…

晩鐘

佐藤愛子/著 文藝春秋 佐藤愛子のおそらく最後の小説。 過去も元夫の話は書いているが、 本書はその集大成といったところか。

となりのセレブたち

篠田節子/著 新潮社 <収録作品> 『トマトマジック』『蒼猫のいる家』『ヒーラー』 『人格再編』『クラウディア』 短編集タイトルが『トマトマジック』のみしか 関連付けられていない。 全てテーマはバラバラなのになぜこのタイトルに? 『ヒーラー』みたい…

竜と流木

篠田節子/著 講談社 南国ものだが、毎回違う怖さをみせてくれる。 今回は両生類パニックホラーといったところか。 環境や生態系の乱れなどで 恐怖のトカゲ集団ができていくところが 現実的な感じを出していた。

聖域

篠田節子/著 講談社 不思議な話だった。 作中作『聖域』も超大作を予感させる内容。 主人公? の編集者の執念が強い。

ホテルローヤル

桜木紫乃/著 集英社 釧路のラブホテル「ホテルローヤル」に 関わる人間模様の連作短編集。 直木賞受賞作。 話は逆時系列で構成されている。 暗めな作風だが読後感は悪くなかった。

約束の方舟 (上) (下)

瀬尾つかさ/著 ハヤカワ文庫JA 表紙で損してそう。 女の子二人はあの登場人物だろうと推測は できるけど、話の設定的に現代的な格好は してなさそうなのでなんか違う。 SFとしては基本的な話だと思う。

恋雨

柴田よしき/著 文春文庫 主人公がマネージャーになるきっかけを始め、 殺人事件の動機やトリックなど 結構強引にまとめられていた。 芸能界怖い。

神様の伴走者 手塚番13+2

佐藤敏章/著 小学館 編集者側からみた手塚治虫についての インタビュー集。 『ブラック・ジャック創作(秘)話』みたいなものなので 知っているエピソードはいくつかあった。 (2010年9月発行なので本作の方が古いみたいだが)