読書の記録_国内作家さ行

ホテルローヤル

桜木紫乃/著 集英社 釧路のラブホテル「ホテルローヤル」に 関わる人間模様の連作短編集。 直木賞受賞作。 話は逆時系列で構成されている。 暗めな作風だが読後感は悪くなかった。

約束の方舟 (上) (下)

瀬尾つかさ/著 ハヤカワ文庫JA 表紙で損してそう。 女の子二人はあの登場人物だろうと推測は できるけど、話の設定的に現代的な格好は してなさそうなのでなんか違う。 SFとしては基本的な話だと思う。

恋雨

柴田よしき/著 文春文庫 主人公がマネージャーになるきっかけを始め、 殺人事件の動機やトリックなど 結構強引にまとめられていた。 芸能界怖い。

神様の伴走者 手塚番13+2

佐藤敏章/著 小学館 編集者側からみた手塚治虫についての インタビュー集。 『ブラック・ジャック創作(秘)話』みたいなものなので 知っているエピソードはいくつかあった。 (2010年9月発行なので本作の方が古いみたいだが)

スターバト・マーテル

篠田節子/著 光文社 <収録作品> 『スターバト・マーテル』 『エメラルドアイランド』 表題作は芸術選奨文部科学大臣賞受賞。 単行本は絶版らしいが、文庫版あり。 表題作は、やりばのない哀しさがずっと続く感じで 小池真理子っぽさがある。 『エメラルド…

はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか

篠田節子/著 文藝春秋 <収録作品> 『深海のEEL』『豚と人骨』 『はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか』『エデン』 タイトルがどこかで……、ディックのパロディだった。 でも割とタイトルどおりっぽい内容だった。 SF短編小説集としてもよかった。

ゆび

柴田よしき/著 ノン・ポシェット ホラーミステリといったところ? 人差し指のみ現れ、 様々な事件を短期間におこす様はパニックものぽくもある。 唐突にゲーム世界と現実世界を融合とかいうのが?? ゲームソフトがフロッピーに収まるというのが1999年らしい…

少女達がいた街

柴田よしき/著 角川文庫 前半が1975年。 渋谷が若者の街と化しつつあったり ロック喫茶というのがあったりとか なんだか当時の日本の風俗描写が面白い。 後半がいきなり1996年に飛んで、謎解きが始まるが それはそれで面白い展開だった。

セラピスト

最相葉月/著 新潮社 自分自身が箱庭療法を受けてみたり、 またはその逆で受けさせる側に立ったり 大学院生として心理学を学んだりと 取材としてはのめり込み過ぎだなと思った。 その理由みたいなのが後半で出てきている。

聖なる黒夜〈上〉〈下〉

柴田よしき/著 角川文庫 結構読み易いけど、 BL描写はさらっとして欲しかった。 ここで書かれている主要登場人物は 著者のシリーズものにも出ているらしい。

銀婚式

篠田節子/著 毎日新聞社 離婚、会社倒産、転職先のリストラ とのっけから不運の連続な主人公。 途中、これは不幸フラグか? とう描写が 出るたびにハラハラした。

コンタクト・ゾーン

篠田節子/著 毎日新聞社 予備知識なしだったので 死線をさまようレベルのサバイバルものに驚き。 初登場時にはとてもいけ好かなく 傲慢な感じの日本人OL三人が紛争に巻き込まれてから、 したたかに生き延びるため行動力があり 勢いがあり面白かった。

自閉症裁判―レッサーパンダ帽男の「罪と罰」

佐藤幹夫/著 洋泉社 浅草女子短大生殺人事件ことレッサーパンダ帽事件の 裁判と、被害者加害者周辺の人々へのインタビューを行ったルポ。 犯罪を起こした障害者が、罪を犯したことをきちんと理解させ 反省させることの難しさともどかしさが浮き彫りにされて…

国家の謀略

佐藤優/著 小学館 初期作品。 インテリジェンスとは何かということが わかりやすく説明されている。

刑事一代―平塚八兵衛の昭和事件史

佐々木嘉信/著 新潮文庫 警視庁捜査一課の名刑事と呼ばれた 平塚八兵衛から退職後に聞き書きしたもの。 名刑事と言われつつも、強引な捜査等で 現在では賛否両論な人物らしいが ここで語られる口調からは誠実な感じを受ける。

下山事件―最後の証言

柴田哲孝/著 祥伝社 著者の祖父自身が、下山事件に関わっていたかも しれないという証言から始まり調査が始まる。 事件の真相はともかく、 戦後直後に暗躍したと言われる ビッグネームの人々が証言から芋づる式に登場してくるのと、 フィクサー矢板玄との対…

私を通りすぎたスパイたち

佐々淳行/著 文藝春秋 外事警察やインテリジェンス、スパイ等 今まで語られなかった経験の話。 特定秘密保護法についても考えさせられる。

沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史

佐野眞一/著 集英社インターナショナル 力作ルポルタージュ。 散漫な部分もあるけどぐいぐい読ませる 沖縄の戦後史だった。 約10年前の本なので、沖縄の状況はまた変わってきているだろう。

別海から来た女――木嶋佳苗 悪魔祓いの百日裁判

佐野眞一/著 講談社 『毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記』が女性目線だとしたら、 こちらは男性目線での内容になると思う。 本作の表紙について、元はモザイク状にしてあるにもかかわらず 悪意が感じられるのだが。 なお両方とも版元は同じである。 こちらは…

次郎物語 第五部

下村湖人/著 偕成社 シリーズ最終巻。 もう自伝要素は全くなくなっている。 故郷を追われた形になった次郎は東京へ上京し 朝倉先生たちと青年自由塾経営の手伝いをしている。 次郎の恋の悩みと並行し、塾への軍への圧迫をはじめ 二・二六事件の影響など暗い…

次郎物語 第四部

下村湖人/著 偕成社 第四部から、自伝小説ではなく 次郎独自の物語になって驚いた。 また、明治時代の田舎の話かなと思ったら 舞台は昭和初期だった。 第四部は、五・一五事件直後 (ということで1932年というのがわかる) 軍の批判をした朝倉先生の辞任を巡…

次郎物語 第三部

下村湖人/著 偕成社 次郎中学生編。 第一部からやたら次郎を目の仇にしていた 本田のおばあさんはずっと憎らしい存在だったが、 次郎の精神の成長によって やや憎らしさがやわらいできて、話の不安材料が減って良かった。 また、継母の実家の人や中学校の先…

次郎物語 第二部

下村湖人/著 偕成社 前作で母が死去してからの次郎は だいぶ落ち着いてきた。 本作では、継母登場、中学入試と大きな出来事が発生。 受験失敗する次郎だが翌年で合格し中学生活に入る。

次郎物語 第一部

下村湖人/著 偕成社 自伝小説面白いよね、ということで こちらも読み出した。 母親の方針で里子に出された次郎の 複雑な環境が、『しろばんば』も複雑だったが こちらの方が痛ましい印象を受けた。 次郎もそんな環境で手のつけられない子どもだったのが 徐々…

眩暈

島田荘司/著 講談社文庫 昔の作品はどうだっけということで 読んでみた。 文章は昔の方がやはり重厚感があった。 謎の解明・トリックはトンデモというか 景気が良い時代ではないと困難なものでスケールが 大きいことに驚き。

屋上の道化たち

島田荘司/著 講談社 御手洗潔シリーズ50作目! らしい。 家人も言っていたが、ラノベ色が強い内容だった。 文章も昔の重厚さがなくとても軽いものだった。 真相トリックが偶然を呼びすぎ!

吉原まんだら: 色街の女帝が駆け抜けた戦後

清泉亮/著 徳間書店 吉原の戦後史として貴重な証言集。 面白かったが、 書いて大丈夫だったのか? という箇所もあり。

貴様いつまで女子でいるつもりだ問題

ジェーン・スー/著 幻冬舎 アラフォーの著者がアラサー時代を 自虐的に振り返ってアドバイス? 自虐的笑いの話もあるが親子関係の話はシリアス。

「来ちゃった」

酒井順子/著 小学館 一人旅風なエッセイであるが 実際は、イラスト担当のほりよりこさんと担当編集者の 三人旅だったらしい。 日本および番外編海外がいずれもニッチな場所の旅ばかりで 連載雑誌の『プレシャス』とは傾向が違いすぎだが そこはよかったのだ…

鏡の中は日曜日

殊能将之/著 講談社 ミステリのトリックとしてアンフェアぽい気もしたが、 パロディ的なものとして読むならあり。