読書の記録_国内作家は行

探偵は田園をゆく

深町秋生/著 光文社 前作は短編集だったのが長編に。失踪した男性を探すために今回は東京や埼玉まで足をのばす。結末が意外であったが腑に落ちる。やっぱり留美の設定がリアル感あるのと山形弁が良いよな。

ジウX

誉田哲也/著 中央公論新社 ジウサーガシリーズ10作目ということでXか。歌舞伎町セブンの物語がずっと続いていたが「新世界秩序」NWO大きくが動き出す。この組織も一筋縄ではいかないらしく暴力的実行部隊が標的に対してエグい行為を行うのだった。次作だとセ…

怪談実話 黒い百物語 叫び

福澤徹三/著 メディアファクトリー 百物語って純粋な独立した百話収録は大変なのだろうね。『新耳袋』もそうだったけど、一つの話にまとめられるのに分割してたりするし。怪異が連続して写真つきメールを送付したりする能力ってすごいけどどうやっているのだ…

この本を盗む者は

深緑野分/著 KADOKAWA 大人向けというよりもYA向け。あるトラウマで本嫌いになった少女が本盗人が起こることで、無理やり巻き込まれるファンタジーもの。まさかファンタジーとは全く想像していなかったので意表をつかれた。主人公があまり好きになれなくて話…

他人事

平山夢明/著 集英社 著者名で想像どおりのグロテスクホラー短編集。どれも不条理な暴力が出てきて怖い。普通っぽい人もいるのだが実はそうでなかったりして普通ってなんだろうとなる。

トランク 林芙美子大陸小説集

林芙美子/著 中公文庫 <収録作品>『泉』『運命』『黄鶴』『雨』『幕切れ』『トランク』『漣波』 旅好きな著者らしいテーマの短編集。様々な立場の人物たちが登場するが、本来一生海外へ行く機会がなさそうな少女が奥様付きの小間使いとしてパリで生活する…

ボーダレス

誉田哲也/著 光文社 2作目でたびたび語られていた「ドミナン事件」の全貌。複数の出来事が起こって喫茶店ドミナンへの籠城事件へと集約。登場人物の女性たちそれぞれの悩みごとがこの事件をきっかけに新たな進路へと導かれる。

アクトレス

誉田哲也/著 光文社 シリーズもの?前作があったらしく、その事件についての思い出のような描写あり。女性4人が女優殺人事件に関わっていく。登場人物や被害者の女優それぞれの家族とはなんぞや。姫川玲子シリーズやジウシリーズに登場していた捜査一課長の…

ゼロエフ

古川日出男/著 講談社 福島県郡山市出身の著者が福島の被災地を歩き、現地の人々へ取材するノンフィクション。小説と思って手を出したらそうではなくとまどいを感じながら読み始め最後までそんな状態で読了。

フェイクフィクション

誉田哲也/著 集英社 表紙イラストごとく首なし死体発見から始まる。カルト的信仰宗教教団との戦い。著者らしいバイオレンス的表現多めの小説。警察組織からみて、他警察シリーズものとは世界線が異なっているみたい。

Qrosの女

誉田哲也/著 講談社 「Qros」CMに出ていた謎の美女とは?現実世界だとユニクロCMに出演していたという感じか。美女の正体はあっさり明かされるが、彼女のストーカー問題が出てきて解決しようと週刊誌記者らが奮闘する。結構えげつない取材をする記者たちがな…

降る森の犬

馳星周/著 集英社文庫 初期の作品しか読んだことなかったので、ノワール路線ではない本作に新鮮な驚きを覚えた。犬を通しての女子中学生の成長物語。蓼科の自然やワルテル(犬)の描写が素晴らしい。

天国の修羅たち

深町秋生/著 角川文庫 ヘルドックスのシリーズ完結作。 まさか3作目の主人公で物語の結末もつけるのが 警視庁捜査一課の女性刑事とは予想してなかった。 話の長さは短かったがその分内容凝縮。

煉獄の獅子たち

深町秋生/著 KADOKAWA 『ヘルドッグス 地獄の犬たち』が映画化するそうで その後の作品出てきるかと思ったら3部作完結していた。 シリーズ2作目。 地獄の次だから煉獄か。続編だけど前日譚。 ラストで確かに『ヘルドッグス』に続く内容になっている。

世界でいちばん長い写真

誉田哲也/著 光文社 誉田作品においての青春成長もの。 仲が良い友達が転校してから無気力気味になった男子中学生が 360度パノラマ写真ができるカメラで ひまわり畑を撮影することをきっかけに世界が広がる。 主人公が「世界でいちばん長い写真」を撮るために…

原作屋稼業 お前はもう死んでいる?

武論尊/著 講談社 前知識もなく自伝小説かな? と思ったら 武論尊に弟子入りして漫画原作者を目指す男性が主人公の物語だった。 世間的に落ちこぼれサラリーマンだった主人公の奮闘と成長の物語ではあるが、 漫画原作そのものや出版業界の話は少ないので そ…

もう、聞こえない

誉田哲也/著 幻冬舎 この人の作品は、しばらく話が進まないと なんのジャンルなのか予測しづらい。 導入は警察小説風(なにしろ、時間所轄部署に 姫川シリーズの菊田の妻である梓がいるし)なのだが、 話が進むにつれて幽霊も絡むがコミカルな ミステリもの…

プラージュ

誉田哲也/著 幻冬舎 「プラージュ」という名のシェアハウスの住人たち。 彼らは皆犯罪を犯した過去があるというのが 話を進むにつれてわかる。 途中残虐な展開になりそうな気配があったが 実際はハートウォーミングなオチだった。

曼陀羅華X

古川日出男/著 新潮社 あきらかにオウム真理教をモデルとした 新興宗教に関わる作家Xと 教祖の後継の母親Yが交互に語る。 クライマックスの後、話の要となる少年は 今後どうなるか気になった。

ガール・ミーツ・ガール

誉田哲也/著 光文社 『疾風ガール』 の続編。 前作とは異なり今作はタイトルどおりの青春もの。 武士道シリーズの分類に入る内容だった。

増山超能力師大戦争

誉田哲也/著 文藝春秋 『増山超能力師事務所』の続編。 表紙イラスト担当が変わって別作品ようだ。 超能力の限界についていろいろ考えさせられる内容。 増山周囲の不穏な部分が残ったまま終わったので 話は続くかもという雰囲気。

疾風ガール

誉田哲也/著 光文社文庫 バンド青春もの。 登場人物のひとりが自殺をしてしまい その原因を追ったりするので 途中グロい展開が出てくるかとハラハラしたが 純粋に青春ものだった。

オムニバス

誉田哲也/著 光文社 姫川玲子シリーズばかり10編の短編集。 玲子自身の視点の物語ばかりではなく 姫川班の普段は目立たないメンバーから見た 玲子像など面白い。 短編の最終話でサプライズ。 次作? で登場予定の人物が他作品の主人公とは。 誉田ってやはり…

妖の掟

誉田哲也/著 文藝春秋 なんと1デビュー作『妖の華』の前日譚! まさか18年後に書かれるとは。 闇神や紅鈴の過去の謎が回収される。 もしかしてと思ったが、井岡刑事もちょろっと出ていて嬉しい。

一度きりの大泉の話

萩尾望都/著 河出書房新社 読んだ。事前に内容の評判は知っていたが 予想よりも重い内容だった。

しばしとどめん北斎羽衣

花形みつる/著 理論社 葛飾北斎がタイムスリップで現代へ? 主人公の中学生本人およびその周辺の登場人物が 結構ヘビーな設定になっているが 内容としては大人向けというより中学生向き。 ラストできれいにまとまっている。

本日は、お日柄もよく

原田マハ/著 徳間文庫 普通(と言いつつも、周囲環境が特殊だ)の OLが幼馴染の結婚披露宴での出来事をきっかけに スピーチライターという仕事に出会うお仕事小説。 作品が書かれた時期が東関東大震災の前なのだが 話の途中から「政権交代」選挙活動がメイン…

ゲルマニウムの夜

花村萬月/著 文藝春秋 芥川賞受賞作。 王国もの連作短編集。 性と暴力と宗教的なグロテスクさがある。 ここから長編シリーズになるらしいが、 どう話を広げられるのだろう。

ジウ〈3〉 新世界秩序

誉田哲也/著 中公文庫 これで、シリーズ読み抜けていた話を 埋めることができた。 でも歌舞伎町が大変になっていたことが あまりその後の作品で尾を引いていないような。 ジウはあまり登場しないが印象的な行動はとっている。

笑う山崎

花村萬月/著 祥伝社 ヤクザが主役の連作短編小説集。 バイオレンス過ぎというか拷問シーンがきつい。 家族とは何か考えさせられる。