読書の記録_国内作家ま行

忌名の如き贄るもの

三津田信三/著 講談社 刀城言耶シリーズ第11作目。忌名儀礼に関する殺人事件民俗学部分がミステリに落とし込めている。冒頭の儀式の話でふと思ったいやな想像が伏線となってホラーオチに繋がるとは。

ヨハネスブルグの天使たち

宮内悠介/著 早川書房 近未来、「歌姫」と呼ばれる日本製のDX9という 美少女ロボットを軸にして世界各国を舞台にした連作短編集。 著者がニューヨーク育ちだったためか 9・11事件に大きな影響を受けているようだ。

コンビニ人間

村田沙耶香/著 文藝春秋 第155回芥川賞受賞作。 タイトルなんだと思ったが、本当にコンビニ人間だった。 主人公の生きづらさが最初コミカルだったのが 途中苦しくなってラストは少し救いあるかも。 主人公、阿部共実の短編マンガに出てきそう。

逢魔宿り

三津田信三/著 KADOKAWA 5編の実話風ホラー小説。 理由もわからぬルールがとても不気味。 実話をもとにした、ということで事実が 全て明らかにならない不気味さがよい。

おはしさま

三津田信三、薛西斯、夜透紫、瀟湘神、陳浩基/著 玉田誠/訳 光文社 日本・台湾・香港の作家たちのホラーミステリ・リレー小説。 結構良い企画本。 冒頭の三津田信三作品が正統的ホラーで始まり その後続々とミステリやSFや台湾の独特な風習などの要素が入る。…

CAボーイ

宮木あや子/著 KADOKAWA 「校閲ガール」シリーズと世界が少し関連ある ワーキングもの。 スペック高いイケメンでも裏には苦労がある シリアスさもあり。

帝国という名の記憶 (上)(下)

アーカディ・マーティーン/著 内田昌之/訳 ハヤカワ文庫 SF 架空の宇宙帝国の文化の設定などが 大変凝っている。 主人公であるルスエル国大使のマヒートが結構行動的で 話もテンポよく進む。

インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー

皆川博子 早川書房 『開かせていただき光栄です』シリーズ完結作。 エドとクラレンスがアメリカへ。 ずいぶん遠くへ来たものだ。 本作は、アシュリーの手記が中心。 アメリカ独立戦争を背景にした歴史ミステリで イギリスが舞台だった過去2作と大分異なり興…

天国旅行

三浦しをん著 新潮社 7作品収録。 すべて「心中」がテーマだと最後に書かれていた。 テーマにストレートな内容もある一方、 話自体はあまりそれを感じさせない話がある。 「心中」は広義的な感じ?

希望の国のエクソダス

村上龍/著 文藝春秋 00年代を舞台にした 近未来小説(執筆当時2000年)。 中学生が集団登校拒否を起こし、 ネットビジネスを確立しその後北海道で独立すると あらすじだけだと陳腐ぽいが 日本の経済などの絶望的背景を同時に書くことで 物語をきちんと成立さ…

VTJ前夜の中井祐樹 七帝柔道記外伝

増田俊也/著 角川文庫 『七帝柔道記』の外伝と書かれているとおり 北大柔道部や柔道関係の人たちのエピソードなど。 沢田のモデルの人が『七帝柔道記』をきっかけに 作者と再会し対談していたのが嬉しくなる。

どこにでもある場所とどこにもいない私

村上龍/著 文藝春秋 それぞれ独立した短編集だが 何気ない日常から抜け出そうとする語り手たちの物語。 全員、周囲の人間観察が細かいのが特徴的。

七帝柔道記

増田俊也/著 角川文庫 著者の自伝的小説。 過酷すぎる練習の部分が辛すぎるが 練習以外では優しすぎる先輩や同期の仲間などの ギャップが熱い。

丸の内魔法少女ミラクリーナ

村田沙耶香/著 KADOKAWA <収録作品> 『丸の内魔法少女ミラクリーナ』『秘密の花園』 『無性教室』『変容』 いい意味で 「アフタヌーン」や「ジャンプ+」に掲載されていそうな 読み切り短編のような話であったが 狂気度はこちらの方がより高め。

北海タイムス物語

増田俊也/著 新潮社 歴史ある新聞社という高いプライドに対し 管理職さえ新聞社としてありえない低い年収200万円で 長時間労働でやりがい搾取というブラックさ。 そんな現在は倒産して存在しない新聞社 「北海タイムス」に就職した主人公の成長物語。 とはい…

地面師

森功/著 講談社 地面師といえば積水ハウス地面師詐欺事件で その名前が知られるようになったと記憶する。 なんのかんのと逮捕を逃れる事件が 案外多いのが驚かされる。

わざと忌み家を建てて棲む

三津田信三/著 中央公論新社 幽霊屋敷ものの2作目。 3作目を先に読んでしまったが問題はない。 本作では凄惨な事件があった複数の家を移築して 1の家にしそこで起こる怪異の記録をまとめている。 4つの記録が書かれているが 最初の1、2が連続して読むとほぼ…

首無の如き祟るもの

三津田信三/著 原書房 本格推理小説のようであるが、 謎解きが始まった途端のどんでん返しぶりが フェアではないけど、なかなかすごかったし 不気味なオチだった。 江川蘭子は懐かしい名前。

そこに無い家に呼ばれる

三津田信三/著 中央公論新社 幽霊屋敷怪談。 シリーズ三作目だったが二作目飛ばしてしまった。 これ語り手が著者自身の実話怪談風なので 気味の悪さが半端ない。

刻まれない明日

三崎亜記/著 祥伝社 『失われた町』の続編。 前作で起こった事件から10年後が舞台。 以前関わった登場人物たちが再び出てきて 心の決着をつける。

失われた町

三崎亜記/著 集英社 これも幻想小説だった。 30年に一度起こる町の「消滅」に関わる人たちを描く。 町が意思を持つらしいが、都市では発生しないという世界も謎。

作りかけの明日

三崎亜記/著 祥伝社 なんだか前作があったのを途中から 読んでしまったかの錯覚に陥ったが 前作は特にないみたいであった。 人の思念を抽出し純粋な思念として供給するという ディストピアな設定なのは面白かった。

宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション 上

松本清張/著 宮部みゆき/編 文春文庫 <収録作品> 『或る「小倉日記」伝』『恐喝者』『一年半待て』 『地方紙を買う女』『理外の理』『削除の復元』 『捜査圏外の条件』『真贋の森』『昭和史発掘』 『追放とレッド・パージ』 『昭和史発掘』『追放とレッド…

バラ色の未来

真山仁/著 光文社文庫 IR(カジノ付き総合リゾート施設)を巡る経済小説。 今年の初めにIR関係の贈賄で議員が逮捕されたことの 現実と重なる部分もあって面白い。 真相を追う新聞社の名前が「東西新聞社」! 『美味しんぼ』のと同じ名前なので 本書の記者たち…

真犯人の貌(かお) 川口事件調査報告書

前川裕/著 光文社 著者の名前を知ってなかったら ノンフィクションかと思わせる構成の フィクションミステリ。 川口事件とされてるが舞台は八王子。 現実の事件のようなもやもやした内容で終始している。

イキルキス

舞城王太郎/著 講談社 <収録作品> 『イキルキス』『鼻クソご飯』『バッキャラ魔道』 ディスコ探偵の話への前準備的な話だった。 (『バッキャラ魔道』は除く) 掲載誌は純文学系だが。

ディスコ探偵水曜日 〈上〉〈下〉

舞城王太郎/著 新潮社 子どもにも容赦ないエグい描写がつらくて長いが 最後まで読むことができた。 ウェンズディと一緒に読む側も あちこち振り回されていくので疲れるが 下巻で一気に結末へ向かうテンポが良い。

白魔の塔

三津田信三/著 文藝春秋 『黒面の狐』の続編がまさか出るとは。 物理波矢多(もとろい はやた)が炭鉱夫から灯台守へ転職して その赴任先へ行った際の怪異。 前作は、ホラー風ミステリなので今回のそうかと思いきや ホラー風ミステリホラーだった。 前作もだ…

深夜百太郎 出口

舞城王太郎/著 ナナロク社 『入口』からの後編。 二つの街の関連については 結局何も説明がなかった。 家族との物語が多めで 奇妙な明るさがある恐怖譚だった。

禁色

三島由紀夫/著 新潮文庫 老小説家、檜俊輔が、以前振られた女性3人たちへの 復讐のため同性愛者の美青年・南悠一を使おうとする。 しかし女性たち(やゲイ仲間のみならず) きっかけを作った檜自身まで悠一に翻弄させられるという 魔性ぶりが印象的だった。