読書の記録_国内作家ま行

丸の内魔法少女ミラクリーナ

村田沙耶香/著 KADOKAWA <収録作品> 『丸の内魔法少女ミラクリーナ』『秘密の花園』 『無性教室』『変容』 いい意味で 「アフタヌーン」や「ジャンプ+」に掲載されていそうな 読み切り短編のような話であったが 狂気度はこちらの方がより高め。

北海タイムス物語

増田俊也/著 新潮社 歴史ある新聞社という高いプライドに対し 管理職さえ新聞社としてありえない低い年収200万円で 長時間労働でやりがい搾取というブラックさ。 そんな現在は倒産して存在しない新聞社 「北海タイムス」に就職した主人公の成長物語。 とはい…

地面師

森功/著 講談社 地面師といえば積水ハウス地面師詐欺事件で その名前が知られるようになったと記憶する。 なんのかんのと逮捕を逃れる事件が 案外多いのが驚かされる。

わざと忌み家を建てて棲む

三津田信三/著 中央公論新社 幽霊屋敷ものの2作目。 3作目を先に読んでしまったが問題はない。 本作では凄惨な事件があった複数の家を移築して 1の家にしそこで起こる怪異の記録をまとめている。 4つの記録が書かれているが 最初の1、2が連続して読むとほぼ…

首無の如き祟るもの

三津田信三/著 原書房 本格推理小説のようであるが、 謎解きが始まった途端のどんでん返しぶりが フェアではないけど、なかなかすごかったし 不気味なオチだった。 江川蘭子は懐かしい名前。

そこに無い家に呼ばれる

三津田信三/著 中央公論新社 幽霊屋敷怪談。 シリーズ三作目だったが二作目飛ばしてしまった。 これ語り手が著者自身の実話怪談風なので 気味の悪さが半端ない。

刻まれない明日

三崎亜記/著 祥伝社 『失われた町』の続編。 前作で起こった事件から10年後が舞台。 以前関わった登場人物たちが再び出てきて 心の決着をつける。

失われた町

三崎亜記/著 集英社 これも幻想小説だった。 30年に一度起こる町の「消滅」に関わる人たちを描く。 町が意思を持つらしいが、都市では発生しないという世界も謎。

作りかけの明日

三崎亜記/著 祥伝社 なんだか前作があったのを途中から 読んでしまったかの錯覚に陥ったが 前作は特にないみたいであった。 人の思念を抽出し純粋な思念として供給するという ディストピアな設定なのは面白かった。

宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション 上

松本清張/著 宮部みゆき/編 文春文庫 <収録作品> 『或る「小倉日記」伝』『恐喝者』『一年半待て』 『地方紙を買う女』『理外の理』『削除の復元』 『捜査圏外の条件』『真贋の森』『昭和史発掘』 『追放とレッド・パージ』 『昭和史発掘』『追放とレッド…

バラ色の未来

真山仁/著 光文社文庫 IR(カジノ付き総合リゾート施設)を巡る経済小説。 今年の初めにIR関係の贈賄で議員が逮捕されたことの 現実と重なる部分もあって面白い。 真相を追う新聞社の名前が「東西新聞社」! 『美味しんぼ』のと同じ名前なので 本書の記者たち…

真犯人の貌(かお) 川口事件調査報告書

前川裕/著 光文社 著者の名前を知ってなかったら ノンフィクションかと思わせる構成の フィクションミステリ。 川口事件とされてるが舞台は八王子。 現実の事件のようなもやもやした内容で終始している。

イキルキス

舞城王太郎/著 講談社 <収録作品> 『イキルキス』『鼻クソご飯』『バッキャラ魔道』 ディスコ探偵の話への前準備的な話だった。 (『バッキャラ魔道』は除く) 掲載誌は純文学系だが。

ディスコ探偵水曜日 〈上〉〈下〉

舞城王太郎/著 新潮社 子どもにも容赦ないエグい描写がつらくて長いが 最後まで読むことができた。 ウェンズディと一緒に読む側も あちこち振り回されていくので疲れるが 下巻で一気に結末へ向かうテンポが良い。

白魔の塔

三津田信三/著 文藝春秋 『黒面の狐』の続編がまさか出るとは。 物理波矢多(もとろい はやた)が炭鉱夫から灯台守へ転職して その赴任先へ行った際の怪異。 前作は、ホラー風ミステリなので今回のそうかと思いきや ホラー風ミステリホラーだった。 前作もだ…

深夜百太郎 出口

舞城王太郎/著 ナナロク社 『入口』からの後編。 二つの街の関連については 結局何も説明がなかった。 家族との物語が多めで 奇妙な明るさがある恐怖譚だった。

禁色

三島由紀夫/著 新潮文庫 老小説家、檜俊輔が、以前振られた女性3人たちへの 復讐のため同性愛者の美青年・南悠一を使おうとする。 しかし女性たち(やゲイ仲間のみならず) きっかけを作った檜自身まで悠一に翻弄させられるという 魔性ぶりが印象的だった。

騎士団長殺し

村上春樹/著 新潮社 タイトルからファンタジー入りそうな感じだったが、 案の定ファンタジーあり。 結構話が長いが後半の内容が駆け足気味。 主人公はパスタを作ったが、やれやれは言わなかった。

村上龍自選小説集 (5)

村上龍/著 集英社 <収録作品> 『海の向こうで戦争が始まる』『愛と幻想のファシズム』 作品の長さは全く違うけど暴力的な描写が共通な作品。 でも『海の向こうで戦争が始まる』の方は全然入り込めなかった。 『愛と幻想のファシズム』は1984〜86年連載の長…

三浦しをん/著 集英社文庫 最初から最後まで重たくハードな物語だった。 登場人物全員ゆがんだところがあったり 救いはあまりなく後味が悪い。

あの家に暮らす四人の女

三浦しをん/著 中公文庫 三浦しをん版『細雪』。 古い一軒家に同居する四人の女 プラス山田老人の生活ぶりが面白かった。 突然の神の視点的登場人物は余計な感じがした。

風が強く吹いている

三浦しをん/著 新潮文庫 アニメをきっかけに読んでみたが 構成がけっこう異なるのでストーリーが わかっていても新鮮だった。 小説の方は駅伝自体が半分くらいあり それ以前の時間経過は意外にあっさりしている。 ハイジさんだけ、地の文で「清瀬」と 苗字呼…

女のいない男たち

村上春樹/著 文藝春秋 <収録作品> 『ドライブ・マイ・カー』『イエスタデイ』『独立器官』 『シェエラザード』『木野』『女のいない男たち』 2014年に出た短編集。 出てくる登場人物の年齢が上がっているが 根底は今までの短編の主人公と似ているので 既視…

星間商事株式会社社史編纂室

三浦しをん/著 筑摩書房 社史を作製する際に発生した 会社の謎と同人誌となんだかカオス。 作中作のBL小説はすっ飛ばしてしまった。 結末その後は問題なかったのか?

人生激場

三浦しをん/著 新潮社 2003年出版なので、ネタが古くて ところどころ不明なものもあった。 カーンて誰だっけと検索してしまった。

「象の消滅」 短篇選集 1980-1991

村上春樹/著 新潮社 <収録作品> 『ねじまき鳥と火曜日の女たち』『パン屋再襲撃』『カンガルー通信』 『四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』 『眠り』『ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーラ…

パン屋を襲う

村上春樹/著 カット・メンシック/訳 新潮社 <収録作品> 『パン屋を襲う』『再びパン屋を襲う』 シュールなイラストと合う話。 『パン屋を襲う』は初読。 『再びパン屋を襲う』こと『パン屋再襲撃』で語られていた 内容だしタイトルどおりだけどシュールな…

太陽の庭

宮木あや子/著 集英社 この人には校閲ガールシリーズなど 軽めな話だけ読んだことあったので 本作のような耽美幻想小説に新鮮さを感じた。

人間の証明

森村誠一/著 角川文庫 松田優作バージョンの映画を 途中から見て補足のため読んで見た。 でも大筋は一緒だったが結構話が変更されていて 映画の方が派手な内容になっていたのだった。 そもそも刑事はNYに行かないし。 タイトルの『人間の証明』の意味が 少し…

怪談のテープ起こし

三津田信三/著 集英社 実話風怪談物語。 それぞれ独立した話のようで実は、というのが 前振りにあって実際そんな感じだが 全体的に気味悪い雰囲気たっぷり。