読書の記録_国内作家や行

オリガ・モリソヴナの反語法

米原万里/著 集英社 プラハのソ連学校に在籍していた教師の謎をとく物語。 半年ほど前に読んだラーゲリものが 本作に大きく関わっているが、それを知らなかったら 歴史的背景の理解が難しかったかも。

世界が終わる前に BISビブリオバトル部

コミケ話と他校のミステリ研究会との ビブリオバトル。 前々から、主要人物何人かの性格の悪さが ちょこちょこ出ていたけれど、 本作だとさらにあからさまに。 中高生だからありということだろうか。

幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部

山本弘/著 東京創元社 怪談と戦争がテーマのビブリオバトル。 どちらも「死」に関わるテーマであるためか 両方のバトルとも重い部分があった。 空と武人の亡き祖父との夢会話はほんわかした。

私の中の日本軍 (上) (下)

山本七平/著 文春文庫 実際に、兵士として戦争体験をした話は 凄まじいエピソードだった。 並行して、中国で日本軍人が行ったとされる 100人斬りが虚報であったという検証を徹底的に行っている。

翼を持つ少女 BISビブリオバトル部

山本弘/著 東京創元社 読者対象年齢の想定は 登場人物と同じ中高生だろうが、 説教臭さや出てくる本の種類が難解な気がした。 ここで紹介された本を読みたいと 思わせればよいのかも。

モノが減ると心は潤う 簡単「断捨離」生活

やましたひでこ/著 大和書房 一部は参考になりそうだけど エコじゃない(ふきんは使わずペーパータオル使用)や 仕事着は月一で処分等は共感できず。

終活ファッションショー

安田依央/著 集英社 死ぬ前の準備が「終活」。 テーマは重いし案外大事なことだったりするが 肝心のファッションショーの描写に魅力がなかったのが残念。

ラスト・ワルツ

柳広司/著 角川書店 <収録作品> 『アジア・エクスプレス』 『舞踏会の夜』 『ワルキューレ』 ジョーカーシリーズ4作目。 頭脳戦の部分は控えめな感じを受けた。 時系列は他と同様バラバラだから 今後も続けられそうだが、戦争開始からの話は出るのだろうか…

去年はいい年になるだろう

山本弘/著 PHP研究所 最初の方は割と面白かったが 後半からエピローグまではなんだかなあ、消化不良ぎみ。

もじ部 書体デザイナーに聞く デザインの背景・フォント選びと使い方のコツ

雪朱里+グラフィック社編集部/編 グラフィック社 雑誌連載を書籍化したものらしいが 書体デザイナーが顔を出して話が聞けるのは 近年になってから増えているがまだまだ貴重だと思う。

東京タクシードライバー

山田清機/著 朝日新聞出版 東京で働くタクシードライバーたちへの インタビューを元にしたルポタージュ。 タクシードライバーになった経緯や仕事の取り組みなど 興味深かった。

本屋さんのダイアナ

柚木麻子/著 新潮社 途中、痛ましい事件も起こるが 基本的には優しい、おとぎ話のような世界な 少女の成長物語。

ねじまき片想い

柚木麻子/著 東京創元社 一応ミステリ要素(東京創元社だから?)もあるが そのあたりは軽めで、メインは恋愛ものだろうか。 でもその恋愛部分が文章は軽いのになぜか重い。

武家の女性

山川菊栄/著 岩波文庫 江戸末期の水戸藩で過ごした 著者の母親、千世の子どもの時代の武家の女性の 生活が書かれている。 とても質素な生活ぶりがうかがえる(江戸に住む町人の方が華やかそう) のと尊皇攘夷の頃の水戸藩の状態もよくかかれている。

楽園の蝶

柳広司/著 講談社 せっかくシチュエーションは 面白そうな素材なのにしり切れとんぼぽい 終わり方だった。映画は完成したのだろうか?

奇妙なアメリカ: 神と正義のミュージアム

矢口祐人/著 新潮社 ミュージアムを通してのアメリカの文化の一端を感じ取ると いったところか。日本だとありえないだろうミュージアムばかり 紹介されているが、アメリカらしいといえばらしいと納得する。

昭和の事件に触れた

吉永春子/著 講談社 戦後まもないころに ラジオ局に就職した著者の自伝。 がむしゃらが伝わる内容。 当時の政界、経済界の大物や歴史的事件の 立会いなどのエピソードが面白かった。

なぜ、「できる人」は「できる人」を育てられないのか?

吉田典生/著 日本実業出版社 まあ価値観の押し付けをしても 受け入れらずらいということか。 文章は平易なので頭に入りやすかった。

置き去り―サハリン残留日本女性たちの六十年

吉武輝子/著 海竜社 今年は戦後70年、本著が出版されてから10年経っているが 当時出版された当時と変化あったのだろうか。 とても凄まじい戦後直後の話が聞き書きされている。

ボラード病

吉村萬壱/著 新潮社 なんの解決もないまま終わる ディストピア物語。 物語が東日本大震災の影響を受けているのは明らか。

ランチのアッコちゃん

柚木麻子/著 双葉社 一応連作短編ものなのかな、後半アッコちゃんほぼ出ないが。 キングを読んだ後だと文章が軽すぎと感じてしまう。 お仕事小説ではあるが、漫画ぽい内容なので 頭使わずに読みたいときに向いている。

伊藤くん A to E

柚木麻子/著 幻冬舎 章ごとに、5人の女性を主人公にした連作小説。 共通点は伊藤くん。 文章は軽い恋愛ものであるが、 伊藤くんが実際にいそうだけどクズすぎで そこがミソだとはわかっていても不快だった。

母と娘(こ)の40年戦争

吉永みち子/著 集英社文庫 著者と母との愛情と確執の40年を書いたのも。 「やさしい子」の謎を母の死後、正体をたどっていく エピソードが興味深かった。

その手をにぎりたい

柚木麻子/著 小学館 銀座の一流寿司店へ通うOLの物語、 ということでこのタイトル。 一番不思議だったのは、バブル時代を知らない作者が なぜその時代設定を選択したのだろうということ。

悪人

吉田修一/著 朝日新聞社 タイトルの「悪人」は誰を指しているのか。 単純に殺人を犯した人物なのか、 というとそうでもなかったり。 増尾以外、基本不器用な人生を送っている人ばかりだった。

愛に乱暴

吉田修一/著 新潮社 ある意味ホラーな話だった。 桃子の現在の生活と日記の話が混ざって 彼女の狂気が出つつあるところが。 でも同居している義理家族や夫はエネミーなところも 現実的な怖さでもある。

破獄

吉村昭/著 新潮文庫 難攻不落の刑務所から四度の脱獄を成功させた 佐久間清太郎と、脱獄させまいとする 刑務所職員たちの物語。 フィクション扱いとされてるが実際ある話を元にしているらしい。 佐久間と刑務官らとの知恵合戦もスリリングだが、 2.26事件か…

パレード

吉田修一/著 幻冬舎 4+1人がルームシェアしていて、 各メンバーが章ごとに語り手になる連作短篇ぽい構造。 ふわふわした話なのかなと思ったが、これも突如暴力的。 そういう作風なのだろうか?

パーク・ライフ

吉田修一/著 文藝春秋 <収録作品> 『パーク・ライフ』『flowers』 『パーク・ライフ』は芥川賞受賞作。 悪くないけど受賞作? というと疑問が。 『flowers』の方がそっちぽいかも。

パラダイス・ロスト

柳広司/著 角川書店 <収録作品> 『誤算』『失楽園』『追跡』 『暗号名ケルベロス』 D機関シリーズ。太平洋戦争に突入してしまうと 完璧超人スパイものの話が作りづらいのか、 本書分はまた太平洋戦争戦争前夜に戻っている。