読書の記録_国外作家か行

ミスト

スティーヴンキング/著 矢野浩三郎ほか/訳 文春文庫 <収録作品> 『ほら、虎がいる』『ジョウント』 『ノーナ』『カインの末裔』『霧』 『ジョウント』は『神々のワード・プロセッサ』にも収録されていたので再読。 タイトルだけだと『ほら、虎がいる』とセ…

見知らぬ人

エリー・グリフィス/著 上條ひろみ/訳 創元推理文庫 架空の小説家ホランドの怪奇幻想小説 『見知らぬ人』を背景に起こる連続殺人事件。 本編では三人の女性の視点から描かれているが 結末は少し拍子抜けしてしまった。

メソッド15/33

シャノン・カーク/著 横山啓明/訳 ハヤカワ文庫NV 赤ん坊人身売買組織に誘拐された 妊娠した女子高生が監禁場所から脱出を目指す。 この被害者が、普通の少女ではなく 天才かつサイコパスでメアリー・スーな設定なため 物語はスリラーなはずなのに、厨二病ぽ…

見ないふりして

メアリ・H・ラーク/著 深町真理子、安原和見/訳 新潮文庫 有名な殺し屋の殺人現場を目撃したために FBI証人保護プログラムを適用される女性の話。 ヒロインは行動力はあるけれど、 危険な方向への行動や言動ばかりで ひどくハラハラさせられた。

終身刑の女

レイチェル・クシュナー/著 池田真紀子/訳 小学館文庫 2018年仏メディシス賞外国小説賞受賞作。 治安や民度が良くない街で生まれ育って 終身刑になった女性の物語。 悪質なストーカー男を殺したという罪だったが 法律の知識などあって司法取引をしたら 罪は…

刑事たちの三日間 上・下

アレックス・グレシアン/著 谷泰子/訳 創元推理文庫 現代作家が書くヴィクトリアンミステリ。 タイトルどおり、スコットランドヤードの刑事が殺害され 解決するまでの三日間の物語。 当時のロンドンの汚さや労働者層の過酷な生活が これでもかと描写されてい…

ダラスの赤い髪

キャスリーン・ケント/著 府川由美恵/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 テキサス州ダラス市が舞台。 主人公がニューヨーク出身でレズビアンで 身長180cmで赤毛の刑事と設定が盛りすぎ。 アメリカといえどもテキサスだと 差別を受けたり、犯人の彼女に対する行動も …

清少納言を求めて、フィンランドから京都へ

ミア・カンキマキ/著 末延弘子/訳 草思社 タイトルわかりやすくだけど、もう少し短くして欲しかった。 あと、表紙イラストにいる清少納言と一緒にいる人物が 著者と似ても似つかぬことになっているのが違和感。 話は2010年から2011年に長期休暇で フィンラン…

森の惨劇

ジャック・ケッチャム/著 金子浩/訳 扶桑社ミステリー文庫 山で大麻を育てながら暮らす ベトナム帰還兵が徐々に精神が蝕まれる様が丁寧。 そこから近場のキャンプ場に滞在する 陽キャな作家一行を襲うのは少々やりすぎ というかホラー作品扱いされるのは当然…

凍える墓

ハンナ・ケント/著 加藤洋子/訳 集英社文庫 19世紀アイスランドで実際にあった 最後の女性死刑囚の一人、 アグネスの死刑執行までの日々を描く。 結構当時の農家の生活の描写など細かい。 著者がオーストラリア人なのにびっくり。

ウサギ狩り人 (上) (下)

ラーシュ・ケプレル/著 古賀紅美/訳 扶桑社文庫 ヨーナ・リンナシリーズ6作目。 刑務所に入ってしまったヨーナがどう事件を捜査するか 気になるところだったが、あっさり解決してした。 というか、刑務所生活などいろいろゆるい。 ラビットハンターが病みす…

人形は指をさす

ダニエル・コール/著 田口俊樹/訳 集英社文庫 イギリスのサイコミステリ警察もの。 ロンドン警視庁が主体なのって最近珍しい? 殺害予告どおり殺人が起こって それが派手で勢いある物語になっている。 犯人が実行するの困難な殺人もあるのだけど? という疑…

オレンジ・イズ・ニュー・ブラック

パイパー・カーマン/著 村井理子、安達眞弓/訳 駒草出版 ネトフリで人気ドラマの原作本で 著者の刑務所で過ごした自伝。 13ヵ月服役なのにドラマシーズン7で長すぎでしょ。 こういう本を書く人って刑務所行っても コミュ強なのか仲間がいっぱいできたりして …

雨の島

呉明益/著 及川茜/訳 河出書房新社 短編集。共通内容としてネットウイルス「裂け目」から 親しい人々の記憶が送られるというSF的設定がある。 物語は、台湾を舞台にしたネイチャーライティング (自然、動植物をモチーフにした話)で美しい描写。 他作品もだ…

契約 (上)(下)

ラーシュ・ケプレル/著 ヘレンハルメ美穂/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 ヨーナ・リンナシリーズ二作目。 前作は脇役ぽかったが本作では主人公ぽくなっている。 東京クヮルテットが事件のヒントとなっているが この楽団って実在していたとは。 あと、街中にハロ…

つけ狙う者 (上)(下)

ラーシュ・ケプレル/著 染田屋茂、下倉亮一訳 扶桑社文庫 ヨーナ・リンナのシリーズの5作目。 シリーズ順に読まずバラバラ読んでいるのと 直前に1作目を読んだので、 ヨーナの落差が激しくてビックリする。 一作目でもサブ主人公的に出てきた 精神科医エリッ…

催眠〈上〉〈下〉

ラーシュ・ケプレル/著 ヘレンハルメ美穂/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 スウェーデンミステリ。 ヨーナ・リンナ刑事のシリーズ一作目。 話読んでて思うのが、 報連相大事ということが第一にきてしまうくらい 登場人物が割と自分勝手に行動する。 話は読んでい…

冬の生贄 (上)(下)

モンス・カッレントフト/著 久山葉子/訳 創元推理文庫 スウェーデン・ミステリ。 モーリン・フォシュ刑事シリーズ1作目。 殺害された男性のモノローグが しょっちゅう入り込んでいて読みづらくなってしまっている。 事件そのものより、モーリン自身とその周…

終焉

ハラルト・ギルバース/著 酒寄進一/訳 集英社文庫 シリーズ2作目は入手できず3作目。 ソ連兵侵攻しベルリン陥落。終戦へ。 混乱するベルリンの街の様子が描写される中、 ソ連の脱走兵のギャングとオッペンハイマーが対立する。 出だしのオッペンハイマーがお…

ゲルマニア

ハラルト・ギルバース/著 酒寄進一/訳 集英社文庫 ドイツ推理作家協会賞新人賞受賞作。 1944年ベルリンを舞台にし、猟奇殺人事件を追うことになった 元刑事のユダヤ人が主人公という特異な設定。 配偶者がアーリア人なので収容所行きが免れているが 1944年の…

蛇の言葉を話した男

アンドルス・キヴィラフク/著 関口涼子/訳 河出書房新社 エストニアのベストセラー小説。 民話とファンタジーが混じった感じの内容。 ヨーロッパでは珍しく人口の半数が無宗教という 背景を思うと、作品内でのキリスト教と土着宗教、 それにとらわれない主人…

真夜中の閃光

W・ブルース・キャメロン/著 真崎義博/訳 ハヤカワ文庫NV 表紙と内容があまりあわない。 悲しい過去を持つ主人公の頭の中に 別の人物が住み着き、その理由を探す。 主人公の周囲もトラブル続きで収集つくかというくらい いろいろ起こるが最後ハッピーエンド…

古代の遺物

ジョン・クロウリー/著 浅倉久志、大森望、畔柳和代、柴田元幸/訳 国書刊行会 <収録作品> 『古代の遺物』『彼女が死者に贈るもの』『訪ねてきた理由』『みどりの子』 『雪』『メソロンギ一八二四年』『異族婚』『道に迷って、棄てられて』 『消えた』『一…

月の夜は暗く

アンドレアス・グルーバー/著 酒寄進一/訳 創元推理文庫 『もじゃもじゃペーター』を見立てとした 連続殺人事件の話。 事件関係者としては一番ヘレンがとばっちり受けすぎ。 操作側でエキセントリックな人物を出すことがよくあるが、 ドイツ連邦刑事局事件分…

複眼人

呉明益/著 小栗山智/訳 KADOKAWA なんとも不思議な感覚の幻想小説。 近未来らしき台湾に太平洋でできたゴミの塊の島が 地震による津波とともにやってくる。 人生に絶望した元大学教授の女性アリスと ゴミの島とともにやってきた少年アトレとの関わりが 書か…

偽りの街

フィリップ・カー/著 東江一紀/訳 新潮文庫 1936年のベルリンを舞台にしたミステリ。 著者がイギリス人なためか主人公の私立探偵の 口減らずな口調がドイツ人ぽくない。 事件の内容が凄惨すぎて慄く。

濡れた魚 (上)(下)

フォルカー・クッチャー/著 酒寄進一/訳 創元推理文庫 1929年のベルリン。ラート警部のシリーズ一作目。 三作目から逆に読んできたが ラートがあまり成長がないみたいだった。 日本で翻訳続いていないのでナチスが台頭してきたら 彼はどうなるのかは気になる…

眠れる美女たち (上)(下)

スティーヴン・キング、オーウェン・キング/著 白石朗/訳 文藝春秋 スティーヴン・キングと次その男との共著。 世界中の女性のほとんどが眠りについたままの 病が蔓延した世界の物語。 ホラーというよりもファンタジーめいた話である。 眠ったままの女性たち…

ミラクル・クリーク

ミラクル・クリーク アンジー・キム/著 服部京子/訳 早川書房 ミラクル・クリークという町で起こった放火殺人事件。 事件の裁判をとおして韓国人移民一家を中心に なぜ事件が起こったかの経緯が書かれる。 裁判のシーン以外の人間関係がドロドロしすぎて 胸…

死者の声なき声 上・下

フォルカー・クッチャー/著 酒寄進一/訳 創元推理文庫 シリーズを遡って2作目。 サイレント映画からトーキー映画へとの移行期での 女優連続殺人事件。 ラートが単独行動をとるのはシリーズずっとなんだろうが それで大変な目にあうのには懲りないみたい。