読書の記録_国外作家さ行

男たちを知らない女

クリスティーナ・スウィーニー=ビアード/著 大谷真弓/訳 ハヤカワ文庫SF 男性だけ発症し生存率10%の疫病で世界が変革する。コロナに影響されたかのような物語であるが、2018年執筆らしいのでそうではない。タイトルで「女」と複数形ではないのは謎。「男た…

日時計

シャーリイ・ジャクスン/著 渡辺庸子/訳 文遊社 シャーリイ・ジャクスンの既刊本の長編2作と同様、お屋敷が舞台。世界が終わるが屋敷内にいれば助かるという「お告げ」が起こる。最後唐突に終わるので世界は本当に終わったのかは不明。ホラー風味な部分もあ…

シャギー・ベイン

ダグラス・スチュアート/著 黒原敏行/訳 早川書房 2020年度ブッカー賞受賞作品。 1980年代イギリス労働階級の没落と 主人公のシャギーと母親アグネスの生活をが重なる。 シャギーが主役という扱いになっているようだが、 真の主役はアルコール依存症に陥るア…

蔵書まるごと消失事件

イアン・サンソム/著 玉木亨/訳 創元推理文庫 図書館司書が主役で、移動図書館が出てくるという設定で 北アイルランドの片田舎が舞台ということで なんだかほのぼのとしたイメージのようだが 全然そんなことがなかった。 主人公がユダヤ人ということもあるせ…

スノウ・クラッシュ

ニール・スティーブンスン/著 日暮雅通/訳 アスキー メタバースやアバターの世界観と用語の元ネタ的作品。 1992年発行で、作中は1990年代後半か2000年代前半か。 途中の宗教話でダルくなるが、 サイバー空間のみならず現実世界も独特でユニーク。

バグダードのフランケンシュタイン

アフマド・サアダーウィー/著 柳谷あゆみ/訳 集英社 2005年イラクのバグダードで起こる怪奇事件。 タイトルどおりフランケンシュタインなのだが、 そのきっかけがが自爆テロ事件からで いかにもありそうな感じで始まる。 シリアスな物語だがユーモアもあり。…

娘を呑んだ道

スティーナ・ジャクソン/著 田口俊樹/訳 小学館文庫 スウェーデンミステリはストックホルムより 南が舞台の話が多い感じだが、 本作では北部が舞台。 自然描写が美しいが、登場人物たちは不穏な人物が多い。

サムライの娘

ドミニク・シルヴァン/著 中原毅志/訳 小学館文庫 シリーズ2作目。 タイトルはこんなのだが(原題もそうみたい)、 日本人ではなフランス人の剣道の達人の娘が 被害者になって、主人公たちが謎を追う。 ラストで主人公たちが日本にやってきてお花見を楽しむ。

欲望通りにすむ女

ドミニク・シルヴァン/著 中原毅志/訳 小学館文庫 フランスミステリ。 引退した元警視とエキゾチックなアメリカ人と 正反対な二人の女性たちが探偵役をつとめる シリーズ1作目。 作者が日本好きなためかマンガなど 日本のカルチャーを話に絡めている。 とに…

禁忌

フェルディナント・フォン・シーラッハ/著 酒寄進一/訳 東京創元社 本作が実際にあった事件を元にしているとは! 前半のゼバスティアンの人生は もう少し簡潔でもよかったのでは。 拷問したのは良くはないが、 刑事が一番気の毒に思えてしまう。

コリーニ事件

フェルディナント・フォン・シーラッハ/著 酒寄進一/訳 東京創元社 事件が起こって裁判が始まるまでの前半は 冗長な感じがして、シーラッハ長編大丈夫か? という心配もあったが(とはいえ、被害者と少年時の主人公の 交流エピソードは良い) いざ裁判が始ま…

刑罰

フェルディナント・フォン・シーラッハ/著 酒寄進一/訳 東京創元社 短編集第3弾。 以前の2作から作品の質が全く落ちないのが凄い。 どの作品も後味が悪いものさえいい余韻がある。

罪悪

フェルディナント・フォン・シーラッハ/著 酒寄進一/訳 東京創元社 ショートショートくらい短い話もあり 『犯罪』と同様、クオリティ高い。 結構悲惨な事件もあり後味が悪いのもあるが、 淡々としている文章なためか冷静に読める。 最後の作品はシーラッハ自…

犯罪

フェルディナント・フォン・シーラッハ/著 酒寄進一/訳 東京創元社 ドイツミステリで評価が高いのは知っていたが 実際読んでみると実際そのとおりだった。 刑事事件弁護士である著者が体験した事件に 着想した短編集。 淡々としていた物語の運びなのに 深み…

少年チャーチルの戦い

シリア・サンズ/著 河合秀和/訳 集英社 ウィンストン・チャーチルの知られざる 子供時代の伝記本。 19世紀の上流階級での典型的 子育てをされたチャーチル。 結構精神的に危うそうな感じがした。

ユダヤ警官同盟 〈上〉〈下〉

マイケル・シェイボン/著 黒原敏行/訳 新潮文庫 原作タイトルをそのまま訳しているし 確かにそうなんだけど損している気がする。 作品世界は歴史改変もので、 イスラエルが第二次世界大戦後建国するがすぐにだめになって、 アメリカアラスカ州アレキサンダー…

少年は残酷な弓を射る (上)(下)

ライオネル・シュライヴァー/著 光野多惠子、真喜志順子、堤理華/訳 イースト・プレス 2005年英オレンジ賞受賞作。 物語のクライマックスはコロンバイン高校銃乱射事件と同時期に設定されている。 少年犯罪の加害者自身や被害者ではなく 加害者の母親が語り…

白い悪魔

ドメニック・スタンズベリー/著 真崎義博/訳 早川書房 文学作品ぽさを匂わせるノワール小説。 ルネサンス期のイギリス人作家ョン・ウェブスターの 戯曲『白い悪魔』をベースにしているらしいが あらすじを読むとほぼそのままである。

ロックイン-統合捜査-

ジョン・スコルジー/著 内田昌之/訳 早川書房 ヘイデン症候群というパンデミックの後遺症を 抱えた人たちがいる近未来を舞台にしたSFミステリ。 ヘイデンである主人公の新人FBI捜査官を含め 周囲の登場人物も魅力的。

そしてミランダを殺す

ピーター・スワンソン/著 務台夏子訳 創元推理文庫 ミランダもなかなかの悪女というか サイコパス要素ある女性だが、 リリーも話が進むにつれてヤバさ度が高まって恐ろしい。 結末が確かに「悪い話」だった。

ウィリアムが来た時

サキ/著 深町悟/訳 国書刊行会 イギリスがドイツ帝国に征服されたIF歴史物。 1910年代初頭が舞台で、しかもサキの長編てなんか新鮮。 思ったよりも占領されたイギリス国民たちは 穏やかな生活を送っているが、ラストでそうでないことが。

高慢と偏見、そして殺人

P・D・ジェイムズ/著 羽田詩津子/訳 早川書房 オースティンの『高慢と偏見』を読んでいないと わけわからないと思う。 上記作品のその後の物語だが エリザベスの活躍が少なくて残念。 邪魔な登場人物がアメリカへ移民していくのが 当時ぽい事情だと思った。

ブラッドランド (上)(下)

ティモシー・スナイダー/著 布施由紀子/訳 筑摩書房 第二次世界大戦前夜から戦後までの 東欧諸国でおこった虐殺を淡々と記載されている。 ナチスのユダヤ人虐殺は有名だが、 それが本格的に始まる以前から行われていた スターリンの民族浄化のための虐殺は …

天使のゲーム (上) (下)

カルロス・ルイス・サフォン/著 木村裕美/訳 集英社文庫 こちらも前作があったみたい。 「忘れられた本の墓場」という場所が素敵。 20世紀前半のバルセロナを舞台にした 文学ミステリと書いてあるが、幻想小説であった。 上巻は少し退屈だったが下巻はスピー…

書店主フィクリーのものがたり

ガブリエル・ゼヴィン/著 小尾芙佐/訳 ハヤカワepi文庫 最後がそんなオチになるとはだった。 ベタといえばベタかもだがいい話。 紹介されている本のチョイスもよし。 偏屈な書店主フィクリーが 赤ん坊マヤに出会うことで人生が一変する。 日本だと、書店の上…

残虐行為記録保管所

チャールズ・ストロス/著 金子浩/訳 早川書房 SF+クトゥルー+スパイスリラー。 後半がついていくのが大変だった。 数学理論が魔術になる設定は面白い。 あと、主人公の語り口調はイギリスジョークか。 同時収録の続編中編『コンクリート・ジャングル』 の方…

なぜ、いじめっ子は殺されたのか?

ジム・シュッツ/著 山口和代/訳 集英社 1993年7月にアメリカのフロリダで おこった「ボビー・ケント殺害事件」のノンフィクション。 『BULLY』というタイトルで映画化もされているらしい。 殺害された少年はタイトル通りいじめっ子で犯罪めいた行為も 繰り返…

警官殺し

マイ・シューヴァル、ペール・ヴァールー/著 高見浩/訳 角川文庫 シリーズもの最後から2番目の話だったらしく、 過去シリーズでの犯人たちが登場し 刑事マルティン・ベックと交流していた。 すでに福祉国家と呼ばれいていた 1970年代初頭のスウェーデンの問…

イヴの七人の娘たち

ブライアン・サイクス/著 大野晶子/訳 ソニーマガジンズ 2001年発行なので情報が古めだから 現在はもっと研究が進んでいるだろう。 ヨーロッパ人の先祖は七人の女性からきている という話でロマンがある。

戦いの虚空  老人と宇宙5

ジョン・スコルジー/著 内田昌之/訳 ハヤカワSF文庫 13のエピソードから構成されている。 ジョン・ペリーは今回は登場せず、 軍の同期のハリーがメインを張っている。 後半は良かったが、前半が物語に入り込めなかった。 ハリーの優秀度が浮き彫りに。