読書の記録_国外作家な行

われはドラキュラ――ジョニー・アルカード 上・下

キム・ニューマン/著 鍛治靖子/訳 書苑新社 シリーズ4作目は連作中短編集。時系列は主に1970年代から1990年代前半まで。1作目でのドラキュラのタイトルにあるセリフが本作の最後の方でも宣言される。絶望的? なのかそうでないのか。20世紀の映画とハリウッ…

《ドラキュラ紀元一九一八》 鮮血の撃墜王

キム・ニューマン/著 鍛治靖子/訳 書苑新社 シリーズ2作目。実は、表題作を前作の再読前に再読してしまっていた。吸血鬼が当たり前に存在する世界にての第一次世界大戦の戦記もの。ドイツのエースパイロットのレッド・バロンが吸血鬼になっていてイギリス軍…

ドラキュラ紀元一八八八

キム・ニューマン/著 鍛治靖子/訳 書苑新社 東京創元社版を昔読んでたのでアウトラインは覚えていたけど、今回の<完全版>を再読してもワクワクする読後感は変わらなかった。ドラキュラがヴィクトリア女王と結婚していている背景で1888年のロンドンというと…

スリープウォーカー

ジョセフ・ノックス/著 池田真紀子/訳 新潮文庫 エイダン・ウェイツシリーズ3作目。本作でひと段落か。余命わずかな一家殺人の犯人が派手な殺され方をされ、サティも重傷を負う。2作目で登場したブラック巡査と組むことに。捜査と並行して、ウェイツの課題と…

笑う死体

ジョセフ・ノックス/著 池田真紀子/訳 新潮文庫 エイダン・ウェイツシリーズ2作目。前作でちょっと出た相棒サティが強烈なキャラクターとなってウェイツと絡んでいる。休業中のホテルで発見された死体の謎を追うという1作目とは少しテイストが変わる。本編に…

堕落刑事

ジョセフ・ノックス/著 池田真紀子/訳 新潮文庫 ノワール警察小説。主人公のマンチェスター市警所属のエイダン・ウエィツが麻薬の潜入捜査と並行して家出中の議員の娘と接触するが。主人公自身もスピードを接種していたりするが悪そのものに堕落はしていなか…

母の日に死んだ

ネレ・ノイハウス/著 酒寄進一/訳 創元推理文庫 オリヴァー&ピアシリーズ9作目。 とにかく生死問わず登場人物が多い。 今回はピアの家族にまつわる物語もあるが、 本筋の過去の連続殺人事件の謎の方も濃厚だった。 他、オリヴァーが再婚し精神落ち着いたた…

森の中に埋めた

ネレ・ノイハウス/著 酒寄進一/訳 創元推理文庫 オリヴァー&ピアシリーズ8作目で最新刊。 登場人物が多数で、途中誰だっけと 何度も確認しながら読了。 前作で結婚したピアの名字も変更。 オリヴァーの親友が失踪した42年前の事件が 絡む連続殺人事件。 や…

生者と死者に告ぐ

ネレ・ノイハウス/著 酒寄進一/訳 創元推理文庫 オリヴァー&ピアシリーズ第7作。 ピアがおめでとうだが、彼女の家族が今回明らかに。 オリヴァーはやっと身辺落ち着いた。 しかし国家レベルの事件が多発しすぎ。 本作の狙撃事件も話が進むうちに規模が拡大す…

悪しき狼

ネレ・ノイハウス/著 酒寄進一/訳 創元推理文庫 オリヴァー&ピアシリーズ6作目。 オリヴァーがやっと落ち着いてきて、チーム自体もちゃんと機能してる。 今回はおぞましすぎる児童虐待事件の話。 それと連動して今までのシリーズであった謎の部分 (特に素…

穢れた風

ネレ・ノイハウス/著 酒寄進一/訳 創元推理文庫 オリヴァー&ピアシリーズ5作目 ということでやっと原作同様刊行順に読了。 風力発電は環境に良さそうだがいろいろしがらみもあるのね。 ここまで読んでいくと、オリヴァーとピアの立ち位置が逆転? オリヴァ…

死体は笑みを招く

ネレ・ノイハウス/著 酒寄進一/訳 創元推理文庫 オリヴァー&ピアシリーズ2作目。 日本発行順で読んでしまったので時系列がバラバラ。 今回の容疑者たちの一部はその後の話に出るので 犯人じゃないと除外しやすいが。 ともかく、本作なピアが中心なためか や…

白雪姫には死んでもらう

ネレ・ノイハウス/著 酒寄進一/訳 創元推理文庫 オリヴァー&ピアのシリーズ。 翻訳が発行順通りではないので、シリーズ人物の動向の 時系列がバラバラである。 どの国でも閉鎖的な村は恐ろしいということか。 村民たちもだが、捜査するオリヴァーの部下たち…

悪女は自殺しない

ネレ・ノイハウス/著 酒寄進一/訳 創元推理文庫 ドイツミステリ。 オリヴァー&ピアのシリーズはここから始まる。 殺害された女性に対し皆動機があり そちらの捜査は結論がつくが、 途中で起こる容疑者一人への復讐の結末は それで良かったのだろうかと疑問…

友だち

シーグリッド・ヌーネス/著 村松潔/訳 新潮社 余命2、3年の老犬と過ごすことになった 初老の女性小説家の物語。 私小説風だがそうでなさそうな部分もあったり なんとも不思議で静かな雰囲気がある。

私のイサベル

エリーサベト・ノウレベック/著 奥村章子/訳 早川書房 主人公のカウンセラーが、受け持った患者を 自分の娘と思い込むが、それが事実かそうでないかの 周囲を巻き込む出来事がスリリングだった。 個人的にはエピローグがしっかりしたものある方がよかった。

はるかなるわがラスカル

スターリング・ノース/著 亀山龍樹/訳 復刊ドットコム アニメの原作小説。 ラスカルとの出会いから別れまでの一年間を この原作からよく広げることができたものだ。 現代の道徳観を1910年代に押し付けるのはよくないけど、 スターリングの動物の飼い方は駄目…

世界の果てのビートルズ

ミカエル・ニエミ/著 岩本正恵/訳 新潮社 フィンランド国境近くの スウェーデンにある田舎の村で育った著者の自伝的小説。 とされるけど、所々ファンタジー的エピソードがありで 不思議な感じに仕上がっている。

深い疵

ネレ・ノイハウス/著 酒寄 進一/訳 創元推理文庫 ドイツ警察もので、シリーズ三作目から紹介とのこと。 それは特に気にならなくて一気に読めた。 ナチスドイツの亡霊がまだ語ることができるのは そろそろ厳しくなっていくのだろう。

ハリー・オーガスト、15回目の人生

クレア・ノース/著 雨海弘美/訳 角川文庫 500ページ以上もあるけど、ぐいぐい読ませる。 何度も生まれ変わっていろいろな人生を過ごす ハリー・オーガスト。限定された時代で生きているが 同じような能力を持つ人たちとの連携で過去と未来の人と やりとりが…

ワン・デイ (上)(下)

デイヴィッド・ニコルズ/著 川副智子/訳 ハヤカワ文庫NV 映画化にもなっている。 約20年という中で、毎年7月15日を切り取ったエピソード。 二人がまさかの人生を歩んでしまうとは。

ネクサス (上)(下)

ラメズ・ナム/著 中原尚哉/訳 ハヤカワ文庫SF 近年海外SFで人気? な舞台である タイへ主人公が移動したところからどんどん話が進む。 結構アクションが激しいというか、人に優しくない展開。 主人公も痛そう。

愚行録

貫井徳郎/著 東京創元社 一家四人惨殺という事件。 殺害された夫婦の過去を追うインタビューと 交差してどこかの兄妹の会話が混ざる。 結構心の闇ぽい内容だが 最後の方で、タイトルの意味がやっとわかる構成となっている。

20世紀イギリス短篇選(下)

小野寺健/選・訳 岩波文庫 <収録作品> 『あいつらのジャズ』ジーン・リース 『確実な人生』ショーン・オフェイロン 『この四十年』ノーラ・ロフツ 『レディだけの旅』オリヴィア・マニング 『届かない花束』ウィリアム・サンソム 『蠅取紙』エリザベス・テ…

20世紀イギリス短篇選(上)

小野寺健/選・訳 岩波文庫 <収録作品> 『船路の果て』ラドヤード・キップリング 『故郷への手紙』アーノルド・ベネット 『ルイーズ』サマセット・モーム 『岩』E・M・フォースター 『上の部屋の男』P・G・ウドハウス 『キュー植物園』ヴァージニア・ウ…

殺人者の健康法

アメリー・ノートン/著 柴田都志子/訳 文藝春秋 フランス人受けしそうな、ほぼ会話のみの物語。 死にかけのノーベル賞作家が女性記者と話す段になってからが とんでも展開に。

畏れ慄いて

アメリー・ノートン/著 藤田真利子/訳 作品社 前から気になっていた本だったがやっと読めたー。 著者がベルギー人だとは知らなくて英米文学コーナーを探してた。 フランス文学コーナーだった。 なんというか、「アメリーくん」のみならず 日本人全ておかしい…

透明な対象

ウラジーミル・ナボコフ/著 若島正、中田晶子/訳 国書刊行会 ナボコフ遺作の前の作品。 うーむ、複雑。 ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』が下敷きになってるからか。 最初のヒュー・パーソンの名前に関する文章はユーモアあって笑えた。 なので、出だし…

世にも奇妙な人体実験の歴史

トレヴァー・ノートン/著 赤根洋子/訳 文藝春秋 タイトルと「マッドサイエンティスト」の前ふりが 際物本を思わせる。が、自分自身の身体で人体実験をする 医者や科学者の話であって、彼らのおかげで今の科学の進歩があるんだなと思った。 でも真面目な本じ…

恐竜クライシス

ハリー・アダム・ナイト/著 尾之上浩司/訳 創元推理文庫 『ジュラシック・パーク』よりも前に 発表された恐竜パニックもの。 こっちはある程度隔離された場所ではなく 田舎町なあたりが怖さ度高い。 しかも、恐竜だけでなくライオンや虎まで出てくるのだ。 …