読書の記録_国外作家は行
フランシス・ハーディング/著 児玉敦子/訳 東京創元社 本作では今までとは違って完全な異世界が舞台のファンタジー小説。かなり作り込まれた世界観に引き込まれる。限られた<面>という表情しかつくれない人たちに対し表情を自由に変えられ嘘がつけない少女…
フランシス・ハーディング/著 児玉敦子/訳 東京創元社 毎度違う時代を書くところが器用。本作ではダーウィンの『種の起源』が出版された後とのことなのでおそらく19世紀半ば。14歳のフェイスは、有名な博物学者の父が化石を捏造したというスキャンダルを避け…
クリスティン・ハナ/著 加藤洋子/訳 小学館文庫 第二次世界大戦下のフランスを舞台にしナチスに対抗するレジスタンスの姉妹の物語。姉妹が覚悟を決めるまでまでの上巻がイラついて仕方がないが下巻から一気に面白くなる。
フランシス・ハーディング/著 児玉敦子/訳 東京創元社 第一次世界大戦後のイギリスが舞台。病弱な少女トリスが体験する不思議な七日間の物語。20世紀という近代・現代的な世界の裏で妖精的生き物や魔法、「取り替えっこ」の謎などスリリングで勢いがある。
ミシェル・バークビイ/著 駒月雅子訳 角川文庫 タイトルからわかるとおりのシャーロック・ホームズのパスティーシュ小説。ホームズとワトスンを陰で支えているハドソン夫人とメアリー・ワトスンの冒険譚。お約束登場人物勢揃いでサービスたっぷり。
フランシス・ハーディング/著 児玉敦子/訳 創元推理文庫 17世紀のイギリスが舞台。カトリック対ピューリタンの内戦中の時代、幽霊を取り憑かせることができる一族の血を引く少女の成長物語。最初は何も持たない少女メイクピースがいろいろな試練を経るごとに…
アダム・ファウアー/著 矢口誠/訳 文春文庫 日本語タイトルの心理学はあまり内容に関係なく、原題のエンパス(共感力)の方がもちろん正しい。エンパス能力が高すぎで他人の感情を操れる能力者をめぐる陰謀の物語。国家が能力者の人体実験などしているためか…
リチャード・ノース・パタースン/著 東江一紀/訳 新潮社 法廷ミステリ。二段組で結構話が長い。元恋人の弁護を引き受けることになった主人公。どうやらシリーズもので最初の方の作品らしいが設定が盛られていて続きがあるというのがすごい。
J・G・バラード/著 高橋和久/訳 国書刊行会 太平洋戦争開始から終戦まで上海在住のイギリス人少年が戦争開始後から終戦まで両親と合流できずに捕虜収容所で暮らし奮闘する。著者の回想録でも触れられているが、意外にも主人公は日本軍に悪感情を持っていない…
J・G・バラード/著 柳下毅一郎/訳 東京創元社 亡くなる2年前に書かれた自伝。穏やかな筆致。少年時代の1930年代から1945年までの上海租界および収容所エピソードが印象的。
ジャニス・ハレット/著 山田蘭/訳 集英社文庫 全編がメール、テキストメッセージ(SMSか?)、WhatsAppで構成されている異色ミステリ。イギリスの田舎町が舞台。アマチュア劇団の主催者の孫娘ポピーが難病にかかったとされ募金活動が始まる。そこから、殺人…
ヴィルジニ・ブラック/著 中川潤一郎/訳 文春文庫 ノワール風味たっぷりな作風がフランスミステリらしい。タイトルは一部偽りあり。いろいろ多様性ある人物が登場している。シリーズで3作は出版されているが、邦訳は今のところこの1作のみでストップされてい…
C・J・ボックス/著 野口百合子/訳 創元推理文庫 アメリカ猟区管理官のシリーズもの。15作目らしいが初読。主人公家族や親友の鷹匠が生命の危機に追いやられるピンチ回。後半の対決で過剰防衛的に敵側を殺害してしまっているが、物語的に問題なさそうな感じ…
ロバート・ハリス/著 熊谷千寿/訳 講談社文庫 2010年に映画化もされているらしい。 珍しく海外ミステリで訳者あとがきも解説もなかった。 イギリス元首相、アダム・ラングの回顧録の ゴーストライターになった「私」。 前任者が不審死をしているなど不穏なと…
オクテイヴィア・E・バトラー/著 藤井光/訳 河出書房新社 <収録作品> 『血を分けた子ども』『夕方と、朝と、夜と』『近親者』『話す音』『交差点』『前向きな強迫観念』『書くという激情』『恩赦』『マーサ記』 何の気なしに読んだが、 生真面目なのだがデ…
エリス・パーカー・バトラー/著 平山雄一/訳 国書刊行会 通信教育で格闘技を学べるのだから 通信教育で探偵になる場合もある。 禁酒法時代のアメリカにて 壁紙職人兼探偵のファイロ・ガッブが活躍する連作短編集。 頭脳明晰ではなく偶然と幸運によって事件を…
深町秋生/著 幻冬舎文庫 ヤクザが組織に裏切られて容姿を変えて 復讐のために潜入する。 性別関係なく暴力やドンパチ半端ないが フィクション度が強いので、これはお話ですからと 割り切りはできた。
トニ・ヒル/著 宮崎真紀/訳 集英社文庫 サルガド警部三部作二作目。 前作ラストで失踪した妻の謎も並行しつつ、 化粧品会社での連続自殺事件の謎が進む。 自殺の原因、無茶振りなところもある。 妻の失踪直前の行動がわかるが、これがまた次回に引っ張る展開…
アンソニー・ホロヴィッツ著 山田蘭/訳 創元推理文庫 とうことで読了。 こっちも作中作『カササギ殺人事件』が存在している。 本作だとクリスティのオマージュがそこかしこに。 しかも孫がゲスト出演している。 著者がドラマ「名探偵ポワロ」の脚本をしてい…
アンソニー・ホロヴィッツ著 山田蘭/訳 創元推理文庫 前作の『カササギ殺人事件』を飛ばしてしまい、 少し内容にも触れてあったが特に問題ないだろう。 前作で死亡したらしき、作家アラン・コンウェイの 『愚行の代償』が作中作として一部だけでなく全て載っ…
トニ・ヒル/著 村岡直子/訳 小学館文庫 同じ街だけど、1978年と2015年が交差し怒涛のラストを迎える。 どちらも学校いじめ事件を語っているが 1978年の事件関係者とその縁者が 2015年に関係をするが登場人物が多すぎでわかりづらい。 そんな中1978年スペイン…
トニ・ヒル/著 宮崎真紀/訳 集英社文庫 スペイン警察ミステリ。シリーズ三部作の一作目。 タルーニャ州警察のエクトル・サルガドが主人公。 うだるように暑いバルセロナの中を いろいろな社会問題をはらんだ事件を追う。
ローラン・ビネ/著 高橋啓/訳 東京創元社 1980年、フランスにてロラン・バルトが交通事故死。 この歴史的事実から壮大なフィクションに膨らませる力量がすごい。 事件を担当する警部とその助手的若手記号学者以外は ほとんど実在の人物ばかりだが、よく遺族…
チャック・パラニューク/著 池田真紀子/訳 ハヤカワ文庫NV 同タイトル映画の原作本。 タイラーのカリスマ性が 意図的な文章と作品の構成とマッチしている。
アンナ・バーンズ/著 栩木玲子/訳 河出書房新社 ブッカー賞受賞作。 固有名詞がほとんどないが、おそらくは 1970年代の北アイルランドと思しき場所で 日常がテロや陰謀などのディストピアな世界を描く。 主人公をストーカーするテロリストのミルクマンが不気…
ロデハマ&セーアン・ハマ/著 松永りえ/訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ デンマークミステリ。 これも児童虐待加害者が処刑される事件と重い。 『制裁』もそうだったけど、複雑な感情で読み進めなければならない。
宝樹/著 稲村文吾、阿井幸作/訳 早川書房 <収録作品> 『穴居するものたち』『三国献麺記』『成都往時』 『最初のタイムトラベラー』『九百九十九本のばら』『時間の王』 『暗黒へ』 中華SF短編集。 著者は『三体』の二次創作をきっかけにデビューらしい。 …
ヨルン・リーエル・ホルスト/著 猪股和夫/訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ ヴィスティング警部シリーズ。 過去の事件で捏造発生し、ヴィスティングが停職に。 この話より後の話から読み出しているので 汚名を晴らすのはわかっているのでその部分だけは安心…
ヨルン・リーエル・ホルスト/著 中谷友紀子/訳 小学館文庫 ヴィスティング警部シリーズ。 前作の『カタリーナ・コード』の次の話で 未解決事件4部作の2作目。 病死した政治家が所持していた大金の謎から 未解決の失踪事件の謎が解き明かされる。 今回、ジャ…
ヨルン・リーエル・ホルスト/著 中谷友紀子/訳 小学館文庫 ノルウェーの警察小説。 ヴィスティング警部シリーズものだが 日本で出版されている作品はバラバラ。 主人公ヴィスティングは警察側で 彼の娘はマスコミ側として未解決事件を追う物語。