ずうのめ人形

澤村伊智/著 KADOKAWA 都市伝説めいた話から残酷な死をもたらす怪異が起こる。途中で『ぼきわんが、来る』の比嘉真琴が登場することでこれってシリーズものだったのだと気づいた。つまり、KADOKAWAから発行された作品は出版順に読んだ方いいのだな。作中の怪…

クリフトン年代記 第4部

ジェフリー・アーチャー/著 戸田裕之/訳 新潮文庫 マルティネス一家との対決が佳境に入る。対決の煽りを受けて重要人物が死亡してしまうのが残念。伏線的に悲劇が起こりそうなのは予想していたがこんなに早かったとは。セバスティアンがサムと出会ったことが…

予言の島

澤村伊智/著 KADOKAWA 怨霊が存在するという瀬戸内海の小島やそれに囚われる村民たち、霊能者の不吉な予言などおどろおどろしいが途中で謎解き予想がつく。だけど、最後の死者が出た後の出来事の方が衝撃的なのは予想だにしなかった。

3回目の足跡 第2巻

三部けい KADOKAWA モモの小学校時代に出会った「アオ」が謎の絵葉書に関係しそうだけど、病院の放火も同一人物?本作は子どもにも容赦ない描写があって辛くなる部分もあり。

クリフトン年代記 第3部

ジェフリー・アーチャー/著 戸田裕之/訳 新潮文庫 なんで表紙が飛行機のパイロット? と思ったらストーリーで重要な部分だった。ジャイルズの女運悪さの問題から始まったかと思ったらセバスティアンが国際的贋金事件に巻き込まれるスリラー展開に。クリフト…

8マンVSサイボーグ009 上・下

早瀬マサト 平井和正 石ノ森章太郎他 秋田書店 赤板書店のサンデーコミック形式なのはわかっている。石ノ森章太郎のアシスタントだった早瀬マサトが作画なので石ノ森風な作風で違和感進む。8マンの悪役よりもブラックゴースト団の方が悪辣なのはお約束か。

デビルマン外伝‐人間戦記‐

細野不二彦 講談社 不動明の仲間の不良少年たち側からみた『デビルマン』の物語。原作と比べても違和感なく読めてさすが。

心理学的にありえない 上・下

アダム・ファウアー/著 矢口誠/訳 文春文庫 日本語タイトルの心理学はあまり内容に関係なく、原題のエンパス(共感力)の方がもちろん正しい。エンパス能力が高すぎで他人の感情を操れる能力者をめぐる陰謀の物語。国家が能力者の人体実験などしているためか…

恐怖小説 キリカ

澤村伊智/著 講談社 ホラー大賞受賞から2作目までの間についての出来事を書いたモキュメンタリー(映像じゃなくて小説だけど)ホラー。本作が実際著者の3作目なので、フィクションだけどフィクションぽく読める部分もあるので出版タイミングがよい。講談社の…

探偵は田園をゆく

深町秋生/著 光文社 前作は短編集だったのが長編に。失踪した男性を探すために今回は東京や埼玉まで足をのばす。結末が意外であったが腑に落ちる。やっぱり留美の設定がリアル感あるのと山形弁が良いよな。

クリフトン年代記 第2部

ジェフリー・アーチャー/著 戸田裕之/訳 新潮文庫 ハリーが刑務所に入るというところからスタート。第二次世界大戦に突入しているにも関わらず彼の生存を信じるエマがアメリカへ探しへ行く。主要人物たちの障壁相手のヒューゴーはここで退出、案外早かった。…

ジウX

誉田哲也/著 中央公論新社 ジウサーガシリーズ10作目ということでXか。歌舞伎町セブンの物語がずっと続いていたが「新世界秩序」NWO大きくが動き出す。この組織も一筋縄ではいかないらしく暴力的実行部隊が標的に対してエグい行為を行うのだった。次作だとセ…

怪談実話 黒い百物語 叫び

福澤徹三/著 メディアファクトリー 百物語って純粋な独立した百話収録は大変なのだろうね。『新耳袋』もそうだったけど、一つの話にまとめられるのに分割してたりするし。怪異が連続して写真つきメールを送付したりする能力ってすごいけどどうやっているのだ…

アルテミス(上)(下)

アンディ・ウィアー/著 小野田和子 ハヤカワ文庫SF 月面都市アルテミスが舞台主人公ジャズはサウジアラビア出身の女性。荷物運輸(ポーター)を生業とした彼女が引き受けた仕事がアルテミスやその住民の生命まで握る大事件へ発展する。都市の設定が綿密で…

クリフトン年代記 第1部

ジェフリー・アーチャー/著 戸田裕之/訳 新潮文庫 ウィリアム・ウォーウィックシリーズと関連ある作品らしいので読み始めた。 ハリー・クリフトンの波瀾万丈な人生。そう、第1部なのに波瀾万丈すぎすのだった。1919年から1940年まで。ハリーの周囲の人物でヒ…

七人怪談

三津田信三/編 KADOKAWA <収録作品>『サヤさん』澤村伊智『貝田川』加門七海『燃頭のいた町』名梁和泉『旅の武士』菊地秀行『魔々』霜島ケイ『会社奇譚』福澤徹三『何も無い家』三津田信三 三津田信三が読みたいジャンルを指定したホラー短編集。元編集者…

レンブラントをとり返せ

ジェフリー・アーチャー/著 戸田裕之/訳 新潮文庫 ウィリアム・ウォーウィックシリーズ1作目。1作目は新潮文庫だった。美大出身ということを武器にウォーウィックが絵画窃盗事件の捜査に加わる。2作目でも登場人物たちの紹介も兼ねる1作目。

業火の市

ドン・ウィンズロウ/著 田口俊樹/訳 ハーパーBOOKS 新シリーズ三部作の1作目。本シリーズでウィンズロウは断筆するらしい。ニューイングランドのイタリア系ギャングに所属する男の彼女を、アイルランド系ギャングのボスの次男寝取ったことによって抗争が起こ…

ポストコロナのSF

日本SF作家クラブ/編 ハヤカワ文庫JA <収録作品>『黄金の書物』小川哲『オネストマスク』伊野隆之『透明な街のゲーム』高山羽根子『オンライン福男』柴田勝家『熱夏にもわたしたちは』若木未生『献身者たち』柞刈湯葉『仮面葬』林譲治『砂場』菅浩江『粘膜…

青ひげの卵

マーガレット・アトウッド/著 小川芳範/訳 ちくま文庫 <収録作品>『ルゥルゥ、もしくは<言語>の家庭生活』『ぶさ猫』『青ひげの卵』『罪食い人』『緋色のトキ』『サンライズ』 1980年代前半にカナダで出版された短編集。『ぶさ猫』のみ男性が主人公。普遍…

罪の段階

リチャード・ノース・パタースン/著 東江一紀/訳 新潮社 法廷ミステリ。二段組で結構話が長い。元恋人の弁護を引き受けることになった主人公。どうやらシリーズもので最初の方の作品らしいが設定が盛られていて続きがあるというのがすごい。

まだ見ぬ敵はそこにいる

ジェフリー・アーチャー/著 戸田裕之/訳 ハーパーBOOKS 別作品で登場していた登場人物が主人公のシリーズ2作目。らしいがいずれも未読。1986年が舞台で、主人公ウイリアムと宿敵っぽい犯罪者グレアムとの対決。警察小説でもあり、法廷ミステリでもある。ジェ…

悪の芽

貫井徳郎/著 KADOKAWA 無差別大量殺人から始まりいじめの過去やプレイバシーのネット晒しなどなにが最終的に「悪の芽」とはなんだろうと考えさせられる。

僕の心のヤバイやつ 第9巻

桜井のりお 秋田書店 彼氏彼女となってお付き合い開始から開幕。なんとも初々しい。市川がちゃんと山田の両親に報告する話が良い。

奈落で踊れ

月村了衛/著 朝日新聞出版 1998年に旧大蔵省で起こったノーパンすき焼き(実際はしゃぶしゃぶ)事件をモチーフとし大スキャンダルの裏で、暗躍する人々のピカレクスもの。主人公の官僚である「大蔵省一の変人」香良洲をはじめただものでない登場人物が続々出…

ザリガニの鳴くところ

ディーリア・オーエンズ/著 友廣純/訳 早川書房 幼い頃に家族に捨てられてもずっと湿地に住む少女の成長物語と湿地近くの櫓から転落死した事件が並行して語られる。はたして少女が犯人なのか、という謎が出てくるがそちらよりも、数奇な運命に翻弄されつつも…

私はフーイー

恒川光太郎/著 メディアファクトリー 副題「沖縄怪談短篇集」のとおり沖縄が舞台のホラー短編集。表紙がすごく怖い。著者らしい抒情的なのに不気味な異世界へ誘われる内容の作品集だった。

二度寝とは、遠くにありて想うもの

津村記久子/著 講談社 エッセイ本題二弾。随分前に出版されていたのに気づかず。肩が抜けたゆるい気分で気楽に読めるのが良い。

すべてのドアを鎖せ

ライリ―・セイガ―/著 鈴木恵/訳 集英社文庫 ニューヨークにある歴史ある高級マンションという舞台がなぜだか『ローズマリーの赤ちゃん』を連想させられる。あらすじにホラーサスペンスと書いてあったが、ホラーは実際にはなかった(雰囲気はあったが)。スピ…

この本を盗む者は

深緑野分/著 KADOKAWA 大人向けというよりもYA向け。あるトラウマで本嫌いになった少女が本盗人が起こることで、無理やり巻き込まれるファンタジーもの。まさかファンタジーとは全く想像していなかったので意表をつかれた。主人公があまり好きになれなくて話…