ケイト・モートン/著 栗原百代/訳 武田ランダムハウスジャパン
ケイト・モートンのデビュー作だが
すごく完成度が高かった。
イギリスの当時の階級制度がお屋敷の住民をとおしてよくわかって、
現代だとありえない世界である。
当時起こった事件や出来事について
語り手のグレイスが思わせぶりにしている部分もあるが
読者に推測させるのもあり。
本編とは関係ないが14歳でお屋敷の女中になったグレイスが
第二次大戦後に大学へ行き有名な考古学者になったという
断片しか語られていない後半生の人生の物語も興味深い。