ひとんち

ひとんち 澤村伊智短編集

澤村伊智/著 光文社

 

<収録作品>
『ひとんち』『夢の行き先』『闇の花園』
『ありふれた映像』『宮本くんの手』『シュマシラ』
『死神』『じぶんち』

 

収録作品が『ひとんち』から始まり『じぶんち』で終わるが
テーマはバラバラのホラー短編集。
『シュマシラ』は過去作品の得体の知れない化け物系や
作者を模した語り手、香川(『キリカ〜』の主人公と同じ名前)の
友人が体験する実話ホラーなど。
『宮本くんの手』は宮本くんがどうなるか先が読めるがそれでも怖い。

六月の雪

六月の雪

乃南アサ/著 文藝春秋

 

声優の夢が破れたアラサー女性が
祖母の故郷である台湾を旅する一週間。
6月の台湾の描写が鮮やか。
日本統治時代に触れるので歴史の話は出るのは予想してたが
シリアスすぎる家族間の問題話が
意外にも物語内の割合が多くて重苦しい。
唐突なラストエピソードはびっくりというか悲しすぎる。

レクイエムの夜

レクイエムの夜 (ハヤカワ・ミステリ文庫 キ 9-1)

レベッカ・キャントレル/著 宇佐川晶子/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫

 

続編も訳して欲しい時代ミステリ。
ナチスが台頭しつつある中のベルリンが舞台。
男性名で記事を書くハンナが
弟の死の謎を追っていく。
謎解き部分は都合よい感じではあるが
時代背景が興味深い内容であった。

ベイカー街の女たちと幽霊少年団

ベイカー街の女たちと幽霊少年団 ミセス・ハドスンとメアリー・ワトスンの事件簿2 (角川文庫)

ミシェル・バークビイ/著 駒月雅子/訳 角川文庫

 

サブタイトル『ミセス・ハドスンとメアリー・ワトスンの事件簿2』。
ハドソン夫人の入院先の病室で起こる
連続不審死の謎と少年行方不明に関連する幽霊少年団の謎の二本立て。
1作目もだが2作目もなんというか
異常な犯人像で明らかになるとおぞましくなっていく。
なんか例の教授の存在を感じるのは気のせい?

ドント・ストップ・ザ・ダンス

ドント・ストップ・ザ・ダンス

柴田よしき/著 実業之日本社

 

花咲慎一郎シリーズ5作目。その後新作ないのでここまでか。
連作短編が続いていたが本作は長編。
暴力はあるが殺人までには至る事件はないが
二つの事件が話が進むにつれて繋がっていく。

ア・ソング・フォー・ユー

ア・ソング・フォー・ユー

柴田よしき/著 実業之日本社

 

花咲慎一郎シリーズ4作目。
連作短編で冒頭の作品のみ独立している。
長谷川環がまさか愛嬌あるキャラクターへ変貌
というかこのシリーズからみた別の面なのだろうか。