2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ズッコケ結婚相談所

那須正幹/作 前川かずお/絵 問題作じゃないかと思う。 離婚話を子供の眼からみた話なので、 東京へ実の父親を訪ねるくだり以降切ない。 モーちゃんの大人物さがわかる話。

ズッコケ恐怖体験

那須正幹/作 前川かずお/絵 『ズッコケ心霊学入門』では本物の幽霊に会わなかったが、 本作ではとうとう遭遇。 でも、怖くはなくてもの悲しい内容。

むらぎも

中野重治 講談社学芸文庫 作者の自伝小説で、 主人公の名前が「片口安吉」。 坂口安吾? 作者名を見返してみてしまったよ。 でも、中野重治と書いてあった。 関東大震災以後~大正天皇崩御直後くらいに生活していた 大学生(現代の東大)で社会主義者の日常…

エンジェル エンジェル エンジェル

梨木香歩 新潮文庫 梨木作品でよくある組み合わせのおばあちゃんと少女の話だし、 タイトルが愛らしいのでほのぼのかなあと思ったら、全然そんなことなかった。 少女は、進学校に通う高校生(中学生?)で、人前でいい子でいることに ストレスを感じている。…

家守綺譚

梨木香歩 新潮社 梨木香歩のお話は、少女とおばあさんの組み合わせ、 というのが大半なので、本作は青年が主人公なので新鮮だった。 明治か大正時代の関西(京都?)が舞台らしくて、 季節が移って行くなかでの自然描写が、相変わらず上手である。 出てくる…

北岸部隊

林芙美子 中公文庫 まんま『放浪記』の形式で書かれた従軍記バージョン。 出てくる日本兵では検閲のせいか、良い人しか出てこない。 今読むと本当なのか? という感じがするが、 当時の一般的日本人的には、 たぶん普通な感情が書かれているのではないだろう…

怒りの子

高橋たか子 講談社文芸文庫 ああ、うっとうしい。 そんな人間関係の連続が、 あいまいな日本語ナンバーワンな京都弁で書かれている。 京都でも、「京都市」に何代も在住していないと 京都人じゃないらしい。 作者自身が京都出身であるのに、 京都人の嫌なと…

ズッコケ宇宙大旅行

那須正幹/作 前川かずお/絵 ポプラ社 スケールが大きい話なのに、なんだかシリーズ的には地味な 感じがするのはなんでだろう。 ズッコケは夢オチは基本的にはないので、 宇宙人と遭遇する本作も、三人組にとっては実際体験したことなのに。

ズッコケ山賊修業中

那須正幹/作 前川かずお/絵 ポプラ社 現代の隠れ里のアイデア凄く面白い。 土蜘蛛信仰がひそかに村社会に根付いていて 支援しているところの経緯が上手いと思う。

幸田文 新潮文庫 結核専門病院の様々な患者のエピソードが、四季を通して書かれる。 特に主人公を置かずに、各患者の話が綴られていて、 家族間の悲劇や醜さも書かれていても、それが下世話な感じがしない。 昭和40年代なので、それより昔程は死病扱いされて…

生きながら火に焼かれて

スアド/著 松本百合子/訳 ソニー・マガジンズ この本で書かれている体験談が、 いまだにおこなわれているという事実に恐怖。 その国の昔からの慣習だとかといっても、 いまや通用しないでしょう。 19世紀以前の話じゃないんだから。 「名誉の殺人」に時効…

富士日記

(上)(中)(下) 武田百合子 中公文庫 昭和39年~51年まで、富士の別荘での生活日記。 季節の移り変わりと献立内容が印象的で、 正直毎回手の込んだものでないのが、妙にリアリティである。 さりげなく周囲の変化も書かれていて、 別荘生活だけだと現在読…

戦中派動乱日記

山田風太郎 小学館 昭和24年から25年までの日記。 医大生(+インターン)兼業作家の頃で、 小説を書く方に力を入れているためか、 覚え書き的な内容になっている。 なので、日記として面白いのは作家になるまでの、 『戦中派虫けら日記』『戦中派不戦日記』 …