2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

蛇の言葉を話した男

アンドルス・キヴィラフク/著 関口涼子/訳 河出書房新社 エストニアのベストセラー小説。 民話とファンタジーが混じった感じの内容。 ヨーロッパでは珍しく人口の半数が無宗教という 背景を思うと、作品内でのキリスト教と土着宗教、 それにとらわれない主人…

天国旅行

三浦しをん著 新潮社 7作品収録。 すべて「心中」がテーマだと最後に書かれていた。 テーマにストレートな内容もある一方、 話自体はあまりそれを感じさせない話がある。 「心中」は広義的な感じ?

迷路の少女

シッゲ・エクランド/著 北野寿美枝/訳 ハヤカワ文庫NV 行方不明になった少女マグダを巡って 四人の男女の独白が続く感じ。 とにかく冒頭から結末まで重い雰囲気。 結局マグダは見つからないまま終わるが おそらく不慮の事故なんだろうなとは暗示される。

真夜中の閃光

W・ブルース・キャメロン/著 真崎義博/訳 ハヤカワ文庫NV 表紙と内容があまりあわない。 悲しい過去を持つ主人公の頭の中に 別の人物が住み着き、その理由を探す。 主人公の周囲もトラブル続きで収集つくかというくらい いろいろ起こるが最後ハッピーエンド…

小さきものたちのオーケストラ

チゴズィエ・オビオマ/著 粟飯原文子/訳 早川書房 ナイジェリアのイボ神話を取り入れた小説。 主人公チノンソの悲劇を彼の守り神が語る。 ここの守り神って日本の守護霊に近いものなのかな。 全然主人公守られてないんだが。

真夜中のたずねびと

恒川光太郎/著 新潮社 5つの短編集。 登場人物に試練が多い話や 殺人事件に関わって人生が翻弄される人など多め。 津村記久子もそうだけど、 恒川光太郎作品の主人公的人物たちって 逆境でも淡々としている。 話を読みすすめると、他作品に出てくる人が ちょ…

サキの忘れ物

津村記久子/著 新潮社 9つの短編が収録。 表題のサキとは何者かと思ったが 小説家のサキのことだった。 淡々としていて派手ではないが 救いがある結末が多かった。

死を歌う孤島

アンナ・ヤンソン/著 久山葉子 創元推理文庫 『消えた少年』の続編。 現代北欧ミステリによく出るテーマ 福祉国家の暗部的なものが入っていて 本書は社会保険庁が関連していた。 無人島での連続殺人事件だが 最後はあっけなかった。

消えた少年

アンナ・ヤンソン/著 久山葉子 創元推理文庫 スウェーデンのゴッドランド島を舞台にしたミステリ。 いきなりシリーズ8作目が初訳らしい。 ゴッドランド島は『魔女の宅急便』のモデルの街があるらしいが 本書は登場人物みな疑心暗鬼状態でラストまで進むし 主…

レストラン「ドイツ亭」

アネッテ・ヘス/著 森内薫/訳 河出書房新社 1963年実際に行われた「フランクフルト・アウシュビッツ裁判」を ベースとしたフィクション。 20年前近く前にあったナチスドイツのことを 忘れたい人々、何があったか真実を知りたい人々など 様々な思いが書かれて…

禁忌

フェルディナント・フォン・シーラッハ/著 酒寄進一/訳 東京創元社 本作が実際にあった事件を元にしているとは! 前半のゼバスティアンの人生は もう少し簡潔でもよかったのでは。 拷問したのは良くはないが、 刑事が一番気の毒に思えてしまう。

諸星大二郎スペシャルセレクション 碁娘伝

諸星大二郎 潮出版社 唐代の中国を舞台にした 女性が主役で怪奇ありアクションありの物語。 復讐ものから始まるけど、勢いあって面白い。

ゴースト・ハント

H・R・ウェイクフィールド/著 鈴木克昌ほか/訳 創元推理文庫 全18作すべて怪奇小説を収録。 1920年代から1960年代の作品だが 全体的にゴシック風で19世紀ぽい雰囲気。 表題作は収録作品でも短い方だが結構怖い。

ルドルフ ザ・ラスト・キス

フレデリック・モートン/著 富永和子/訳 集英社文庫 1988年から1989年までの オーストリア皇太子ルドルフが自殺を中心とした ウィーンを舞台にした歴史小説。 最後がアドルフ・ヒトラー誕生で締めているのが 時代の不穏さを出して良かったが、 全体の構成が…

こうしてあなたたちは時間戦争に負ける

アマル・エル=モフタール、マックス・グラッドストーン/著 山田和子/訳 早川書房 作品のイメージを掴むのが、 レッドとブルーの関係が理解するまで難しかった。 幾多の時間線をこえての手紙のやり取りはエモい。

コリーニ事件

フェルディナント・フォン・シーラッハ/著 酒寄進一/訳 東京創元社 事件が起こって裁判が始まるまでの前半は 冗長な感じがして、シーラッハ長編大丈夫か? という心配もあったが(とはいえ、被害者と少年時の主人公の 交流エピソードは良い) いざ裁判が始ま…

希望の国のエクソダス

村上龍/著 文藝春秋 00年代を舞台にした 近未来小説(執筆当時2000年)。 中学生が集団登校拒否を起こし、 ネットビジネスを確立しその後北海道で独立すると あらすじだけだと陳腐ぽいが 日本の経済などの絶望的背景を同時に書くことで 物語をきちんと成立さ…

凍える街

アンネ・ホルト/著 枇谷玲子/訳 創元推理文庫 読む順序間違えてしまった。 『ホテル1222』の前作。 主人公のハンネがオスロ警察の現役警部で 実は『ホテル1222』で本作のラストがネタバレされているのだった。

ホテル1222

アンネ・ホルト/著 枇谷玲子/訳 創元推理文庫 ノルウェーミステリ。 吹雪で閉じ込められたホテル1222にての クローズドサークル物。 謎解きというよりノルウェー社会派ミステリという感じ。 主人公のハンナの属性が、 元警部の女性で、同性愛者で、子持ちで …

刑罰

フェルディナント・フォン・シーラッハ/著 酒寄進一/訳 東京創元社 短編集第3弾。 以前の2作から作品の質が全く落ちないのが凄い。 どの作品も後味が悪いものさえいい余韻がある。

罪悪

フェルディナント・フォン・シーラッハ/著 酒寄進一/訳 東京創元社 ショートショートくらい短い話もあり 『犯罪』と同様、クオリティ高い。 結構悲惨な事件もあり後味が悪いのもあるが、 淡々としている文章なためか冷静に読める。 最後の作品はシーラッハ自…