2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

雷鈞/著 稲村文吾/訳 文藝春秋 本格推理もので、トリックが壮大だった。 こういうのって久しぶりに見た。 物理的なのと心理的トリック両方あり。 主人公の盲目の少年が 中国での孤児院育ちと、 その後養子になったドイツの生活と現代を 交えて書かれているの…

孤狼の血

柚月裕子/著 角川書店 昭和末期の広島の架空の町街で起こる ヤクザ抗争にベテラン型破り刑事と 大卒の新人刑事の部下が立ち向かう。 結構迫力ある描写もあり。 途中の展開が全く予測できなくてびっくりさせられた。

ゴーストライター

キャロル・オコンネル 務台夏子/訳 創元推理文庫 シリーズものだが、いきなり途中から。 劇場で起こった連続殺人事件。 登場人物変人だらけで、 おそらく主人公も変人なのだが同等な感じ。

大奥 第17巻

よしながふみ 白泉社 家茂編、佳境へ。 来年夏に予定の18巻で決着か。 最初怖かった和宮がどんどん可愛らしく。 次の慶喜が男性で下げられキャラになっているので 大奥システムは家茂の時代で終わりそう。

天上の葦 (上)(下)

太田愛/著 KADOKAWA シリーズ三作目。最終作かな? 主役三人組の残り一人語られなかった 鑓水の過去が事件とリンクされる。 過去の戦争で起こったこと、 現在起こるかもしれない情報統制への警告を 小説として読ませる。

めしにしましょう 第8巻

小林銅蟲 講談社 最終巻。ページがいつもよりも薄い気がするが 中身は変わらず濃い。 表紙でまさかとは思ったが、 仔豚の丸焼きを外ではなく家の中で作るとは!

音もなく少女は

ボストン・テラン/著 田口俊樹/訳 文春文庫 ミステリというより文芸小説寄り。 生まれつき耳が聞こえない少女イヴの過酷な半生。 彼女に関わる女性たちの強さ(肉体的意味ではない)が たとえ不幸な結果になっても輝きを増す。

その犬の歩むところ

ボストン・テラン/著 田口俊樹/訳 文春文庫 「ギヴ」という犬が、911、イラク戦争、カトリーヌハリケーンなどで 傷ついた人々と関わっていく物語。 ギヴは特に擬人化描写もなく犬として徹底された存在。

黒き微睡みの囚人

ラヴィ・ティドハー/著 押野慎吾/訳 竹書房文庫 とくにあらすじも読まずに読み進めても 結構初期で主人公の私立探偵ウルフが 落ちぶれたアドルフ・ヒトラーとわかる。 彼は「大転換」でナチスが天下をとれずに 共産主義にドイツが乗っ取られてイギリスに亡命…

血を売る男

余華/著 飯塚容/訳 河出書房新社 人生の節目ごとに金を稼ぐために 売血した男の一生。 庶民の強さとしたたかさがよく書かれている。 悲惨な方向になりそうでならずにすんで安心して読めた。

居酒屋ぼったくり 10

秋川滝美/著 アルファポリス うん。11で完結するらしいが そのための準備的ストーリーでまとめられていた。 しかし美音がより重苦しい存在になっているなあ、 ほぼ出ない話の方が良かったという。

三体

劉慈欣/著 大森望、光吉さくら、ワン・チャイ/訳 早川書房 話題の三部作第一作目。 アジア初のヒューゴー賞受賞作という期待に応える内容。 ただイーガンの本でも思ったが、 本書も物理学など理系知識あるともっと楽しめそうだと思った。 冒頭が文革から始ま…

サーカス象に水を

サラ・グルーエン/著 川副智子/訳 武田ランダムハウスジャパン 20世紀初頭のサーカスのワクワク感と 従業員に対しての過酷な生活がごっちゃに。 列車移動サーカスはロマンがある。

誰も戦争を教えてくれなかった

古市憲寿/著 講談社 太平洋戦争の開始日はともかく、 広島・長崎原爆投下や終戦記念日が わからないという人が増えているのが腑に落ちない。 受験勉強的にだけ覚えて、終わった途端 記憶から抹消しているのだろうか? それはさておき、 本書では著者が各国の…

兄弟 (上)(下)

余華/著 泉京鹿/訳 文藝春秋 <文革篇>は上巻の半分過ぎぐらいで、 ほぼ<開放経済篇>だった。 宋鋼と李光頭の二人の兄弟が時代に翻弄。 いくらでもシリアスに書ける悲劇を 喜劇調(特に李光頭のパート)にして一気に読ませる。

クロノリス

ロバート・チャールズ・ウィルスン/著 茂木健/訳 創元SF文庫 近未来の世界でさらなる未来から モノリス(時の碑ということで「クロノリス」)が出現し 世界中の都市を破壊する。 いろいろ情報量が多いので読むのは大変だったが 結局クインはなぜ過去にモノ…

テイクン (上)(下)

トマス・H.クック/著 富永和子/訳 竹書房文庫 スピルバーグ総監督のSFドラマのノベライズ版。 クックだから期待していたが、 脚本を書籍にしましたという内容でクックらしさが あまりなくて残念。