2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

本の本 書評集1994-2007

斎藤美奈子/著 筑摩書房 700ページを越える13年分の書評集。 表紙は虫で埋め尽くされているのは本の虫からだろうか。 分厚いけど、斎藤美奈子節全開なので一気読みできた。 いや、書評だから一気読みしなくてもいいのだが。 しかし、2、3年前に出版された本…

西遊妖猿伝 大唐篇 9、10巻

諸星大二郎 講談社 大唐篇完結。 唐を出国したことろまでで終了なので未完扱いだが、 (「西域篇」がこれから続くのだが) 思ったよりキリの良い終わり方だった。 格好的に恵岸(えがん)行者が沙悟浄かと思ってたのだけど、 結果的に違うみたいだ。 とうと…

言の葉の樹

アーシュラ・K・ル・グィン/著 小尾芙佐/訳 ハヤカワSF文庫 『ゲド戦記』の著者で有名。 本書はローカス賞受賞作。 『闇の左手』と同じハイニッシュ・ユニバース世界の話だけど そっちが未読でも全く問題なし。 中々、設定が複雑なので理解するのが難しいけ…

禍記(マガツフミ)

田中啓文/著 徳間書店 <収録作品> 『禍記【一】』『取りかえっ子』『天使蝶』 『禍記【二】』『怖い目』『妄執の獣』 『黄泉津鳥船』『禍記【三】』 映像じゃなければ、グロはまあ平気なので連続読了。 こちらは全体的には伝奇ホラーを底辺にした グロホラ…

異形家の食卓

田中啓文/著 集英社 <収録作品> 『にこやかな男』『新鮮なニグ・ジュギペ・グァのソテー。キウイソース掛け』 『異形家の食卓1 大根』『オヤジノウミ』 『邦夫のことを』『異形家の食卓2 試食品』 『三人』『怪獣ジウス』 『俊一と俊二』『異形家の食卓3 …

怪物王女 第9巻

光永康則 講談社 表紙は13歳の姫。可愛い。 姫が旅館で浴衣を着ているのにも ティアラを決して外さないのに笑った。 9巻になっても手足の描き方がひょろひょろのまんま なのはむしろ味なのかいな。 対してリサの腹筋がどんどん割れてきてるよ。 王女は3人の…

充たされざる者 (上)(下)

カズオ・イシグロ/著 古賀林幸/訳 中央公論社 カズオ・イシグロ作品はハヤカワepi文庫でも読めるけど、 読了したのはこっち版。 ヨーロッパのどこかの街(スラブ系ぽい)の イベント「木曜の夕べ」に参加するためにやってきた 世界的ピアニストのライダー。 …

春にして君を離れ

アガサ・クリスティー/著 中村妙子/訳 ハヤカワ文庫NV メアリ・ウェストマコット名義の小説。 ミステリじゃないよ。 15年くらいぶりの再読かな。 弁護士と三人の子供の妻として 何不自由なく暮らしてきたジョーン。 旅先でたった一人で過ごすことになり 自分…

兵士たちの連合赤軍

植垣康博/著 彩流社 ぐだぐだ思った事を書いてみたら長くなった……。 一言でいうと、「だめだこいつら」なんだけど。 1971年~1972年に起こった山岳ベース事件および それ以前のも幹部側ではなく、 兵士として実務に関わった赤軍側の活動内容について 割と詳…

変身 異形コレクション3

井上雅彦/編 廣済堂文庫 <収録作品> 『福助旅館』倉阪鬼一郎 『森の王』久美沙織 『きれいになった』中井紀夫 『いつの日か、空へ』草上仁 『生きている鏡』矢崎存美 『交接法』藤水名子 『痩身術』太田忠司 『闇夜の狭間』岬兄悟 『ワルツ』牧野修 『かみ…

笑酔亭梅寿謎解噺

田中啓文/著 集英社 <収録作品> 『たちきり線香』『らくだ』『時うどん』 『平林』『住吉駕篭』『子は鎹』 『千両みかん』 こちらが第1作目。 殺人事件が起きたりしてタイトルにあった 内容のものがこっちの方が多め。 でも、師匠は謎解きしてないよ! 謎解…

侵略! 異形コレクション2

井上雅彦/編 廣済堂文庫 <収録作品> 『地獄の始まり』かんべむさし 『罪と罰の機械』牧野修 『夜歩く子』小中千昭 『雨の町』菊地秀行 『赤い花を飼う人』梶尾真治 『彼らの匂い』大場感 『おだやかな侵入』森下一仁 『特別急行列車』井上雅彦 『命の武器…

アオイホノオ 第2巻

島本和彦 小学館 2巻になっても、主人公が成長してない所がらしいな。 でも、後半でやっとちゃんと漫画を書き出してる。 ここで描かれている1980年当時の サブカルチャーは全く触れていなかったので 懐かしさというのはなく、 そういうの流行っていたという…

ハナシにならん! 笑酔亭梅寿謎解噺2

田中啓文/著 集英社 <収録作品> 『蛇含草』『天神山』『ちりとてちん』 『道具屋』『猿後家』『抜け雀』『親子茶屋』 謎はさりげなく提示されて全体のスパイスみたいな感じだった。 どっちかというと、主人公竜二の落語家としての 成長物語と梅寿師匠およ…

夏の涯ての島

イアン・R・マクラウド/著 浅倉久志・他/訳 早川書房 <収録作品> 『帰還』『わが家のサッカーボール』『チョップ・ガール』 『ドレイクの方程式に新しい光を』『夏の涯ての島』 『転落のイザベル』『息吹き苔』 日本オリジナル短篇集。 「老い」「孤独」「…

運命のチェスボード

ルース・レンデル/著 高田恵子/訳 創元推理文庫 ウェクスフォード警部シリーズ第3作目。 といっても出版社バラバラなんで 順番はこだわらなくてもいいのかな。 心理的ミスリードを上手く使って 衝撃的結末へ持って行くのが本当に上手い。 ※タイトルは本編と…

断髪のモダンガール 42人の大正快女伝

森まゆみ/著 文藝春秋 サブタイトルにあるとおり、 大正メインに名を馳せた(一部は正確には昭和に入る人もいるが) 女性たちの列伝。 基本的には有名人ばかりだから誰? というのはほとんどいなかった。 もう少し内容を細かく希望の場合は、巻末の読書案内…

ラヴ・フリーク 異形コレクション1

井上雅彦/監修 廣済堂文庫 <収録作品> 『テレパス』中井紀夫 『女切り』加門七海 『逃げ水姫』早見裕司 『地下のマドンナ』朝松健 『ニューヨークの休日』森真沙子 『怪魚が行く』田中文雄 『老年』倉阪鬼一郎 『赤とグリーンの夜』井上雅彦 『スマイリン…

おひとり様物語 第1巻

谷川史子 講談社 初版はミス部分があったらしくて再版のが なかなか見つからず、やっと読了。 学生と出版関係以外の 仕事を持っているヒロインがもっと増えるといいよなー。 という以外は特に不満はなし。 世間的に言われる「おひとり様」そのものの話は 第1…

地を這う魚 ひでおの青春日記

吾妻ひでお 角川書店 自伝漫画系はオレンジで統一されちゃってるのは何故に。 あじま先生が北海道から上京して漫画家デビューするまでの 修業? 時代をSFぽい手法を使って描いてます。 書き込み密度が濃ゆい。 『失踪日記』でも一部触れられている箇所と 重…