読書の記録_国内作家あ行

ヘーゼルの密書

上田早夕里/著 光文社 まさかの歴史もの。1930年代の中国にて、日中和平工作のために奮闘する人々の物語。実際の歴史エピソードにフィクションを絡めている。主人公の通訳者である日本女性のスミもそうだが、中国人側の女性たちも芯があって強いところが著者…

八甲田山 消された真実

伊藤薫/著 ヤマケイ文庫 小説や映画にもなった、明治時代の八甲田雪中行軍遭難事件について調査したノンフィクション。元自衛隊員で八甲田雪中演習も体験しているので、装備不備や行軍のつらさなどは実感として書かれている。ただし、文章が読みづらくて頭に…

北斗 ある殺人者の回心

石田衣良/著 集英社 女性二人を殺害した北斗。幼少時から殺人、裁判までの人生が語られるがなんとも理不尽すぎる。殺人はアウトだが加害者に同情する部分もあったり複雑な気持ちにさせられるばかりだった。

天冥の標X 青葉よ、豊かなれ

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA 読み始めから想像もつかないスケールが大きい物語だったが、大団円できれいに完結。良かった良かった。イサリが持っていた本がもしやと思ったら、やはり青葉が絡んでいた!

天冥の標IX ヒトであるヒトとないヒトと

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA 9巻。物語の全体像がわかってきて、登場人物たちにも、真の敵がわかって読者視点と近づいてきた。メニー・メニー・シープは破壊されずに済むのだろうか?

伊上勝評伝 昭和ヒーロー像を作った男

井上敏樹、竹中清/著 徳間書店 『仮面ライダー』や『仮面の忍者赤影』の脚本家伊上勝の評伝。子息でやはり脚本家の井上敏樹から見た伊上勝の話は少しかと思いきや一章まるまる本人が書いている。他関係者証言もあるが、上記だけでも十分濃い内容だった。

天冥の標VIII ジャイアント・アーク

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA 前巻から300年後、1巻の時間軸へ戻る。1巻で即退場したか? と思われた登場人物たちが復活!イサリが子孫のイサリかと思ったら本人で驚いた。起承転結の「結」へと向かう、怒涛の伏線回収の話だった。

余命1年のスタリオン

石田衣良/著 文藝春秋 癌闘病もの。二枚目半の俳優が肺癌になり余命1年を宣告され、自分の生きている証を残すべく奮闘する。抗癌治療などの部分はシリアスで深刻だが、生活部分はコミカルにし明るい内容となっていた。

天冥の標VII 新世界ハーブC

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA 7作目。前作記事で >シェパード号は1作目の植民星>メニー・メニー・シープを目指すのだろうが、>ドロテア号も同じ星へ行くのだろうがその謎は次の話? と書いたけど検討違いだった。 本作は、6作目の直後からで大多数が子どもだ…

天冥の標 VI 宿怨

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA かなり長くなっためか巻末に過去分の主要用語・人物集が掲載されていたのでありがたい。 西暦2502年"救世群"が人類に宣戦布告。1巻目での謎の多い設定がここで回収されだす。タイトル回収もしたし。終盤で太陽系が沈黙する様子が…

天冥の標Ⅴ: 羊と猿と百掬の銀河

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA 4作目は3作目の数年後くらいだったが 本作は4作目から数十年後。 小惑星パラスで農業を営むタックと 反抗期の娘ザリーカの物語が中心。 それとは別に、実は過去作でもいまいち理解できてなかった 情報生命体ノルルスカインの誕生…

天冥の標Ⅳ: 機械じかけの子息たち

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA 《恋人たち(ラバーズ)》という呼ばれる セクサロイドが誰によって誕生し存在しているのか、 彼らの幸福とは何かということが語られる。 《恋人たち(ラバーズ)》の物語なので、 あらゆる性描写が本編の大半で書かれていてくど…

天冥の標 3 アウレーリア一統

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA シリーズ3作目は西暦2310年。 1作目の先祖や2作目の子孫が出てきて楽しくなってくる。 アウレーリアの先祖であるサー・アダムスが中心。 物語の軸はブレずに進むが、 本作では宇宙海賊との戦闘などのアクションが多め。

冥の標 2 救世群

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA シリーズ2作目で、時代が201X年と現代に。 パラオの島から発生した謎の疫病。 世界中でパンデミックとなっていく流れが 現実世界のコロナウイルスの流行と似通ってることに驚異を覚えた。 冥王斑から生還した患者がずっと保菌者…

妙なる技の乙女たち

小川一水/著 ポプラ社 SFお仕事連作短編集。 近未来のシンガポール沖にあるリンガ諸島で働く 日本出身もしくはルーツを持つ女性たちの物語。 お仕事小説なので失敗はしつつも前向きな女性たちが魅力的。 宇宙エレベーターと南の島という組み合わせが面白い。

天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉〈下〉

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA 全10巻の大作。 パンデミックものの名作でもあるらしいとのことで読み出したが、 全然想像もつかない物語で吃驚。 主要登場人物がほとんど退場してしまうし。 まだ話は導入部分で伏線巻。 植民星・メニー・メニー・シープでの圧…

路地裏のヒミコ

飴村行/著 文藝春秋 <収録作品> 『水銀のエンゼル』『路地裏のヒミコ』 中編収録。 久しぶりに飴村作品を読んだのだけど、 そうだった登場人物たちは大抵アクが強いのだった。 『水銀のエンゼル』が途中まで主人公がリア充で なにこれ? な違和感があった…

派手な砂漠と地味な宮殿

岩井志麻子/著 祥伝社 同じ年だが、全てが正反対の アラフォー女性二人の奇妙な友情物語。 正反対だけど、二人とも内面がパワフルで 勢いがあるので友情は続いてほしかったが 最後に決裂してしまい残念。

あちらにいる鬼

井上荒野/著 朝日新聞出版 著者の父親である 作家、井上光晴と母、瀬戸内寂聴との三角関係を小説化。 母とみはる(寂聴)の目を通した父の姿。 生々しくて時は凄絶感もあるが文章自体は淡々としている。

炎上フェニックス 池袋ウエストゲートパークXVII

石田衣良/著 文藝春秋 パパ活、ぶつかり男、デリバリー配達人、ネット炎上、 あとコロナの世の中、鬼滅の刃やら呪術廻戦など 時事ネタがこれでもかと詰め込まれた シリーズ17作目。 マコトやキングたちは歳を取らずの状態だが 社会状況は現実とリンクしてい…

食卓のない家

円地文子/著 中公文庫 この時期に新版が出たのかと思ったら あさま山荘事件がちょうど50年前に起こったからだった。 作品はあさま山荘事件をモデルとした 事件の犯人の家族の物語。 加害者一家となった人々をとおして 社会と個人とは何かを書いているが 現代…

宿で死ぬ ――旅泊ホラー傑作選

朝宮運河/編 ちくま文庫 <収録作品> 『三つの幽霊』遠藤周作 『屍の宿』福澤徹三 『残り火』坂東眞砂子 『封印された旧館』小池壮彦 『湯煙事変』山白朝子 『深夜の食欲』恩田陸 『カンヅメ奇談』綾辻行人 『螺旋階段』北野勇作 『ホテル暮らし』半村良 『…

逆島断雄と進駐官養成高校の決闘

石田衣良/著 講談社 中二病ぽい設定というかジャンルとしては ラノベだったのね。 話は徐々に伏線を張って進んでいくのだが 後半が紙面が足りないのか急すぎ展開で 尻切れトンボな印象を受けた。

不死鳥少年 アンディ・タケシの東京大空襲

石田衣良/著 毎日新聞出版 昭和20年3月10日の東京大空襲の 描写が壮絶すぎて、助かった人たちが 本当に運が良かったとしか思えない。 話は日本とアメリカの二重国籍をもつ少年が主人公だが なぜか死に戻りする能力がある設定で 家族を助けるストーリーになっ…

マルドゥック・アノニマス 5

冲方丁/著 ハヤカワ文庫JA ウフコック救出前と後の話が交差する。 読む間が空くと、登場人物で誰だっけなというのも 出てくるくらい多数登場。 でも増加は実はしていないんだよな。 本作でのバロットの精神的成長がすごく 泣かせられるシーンもしばしば。

北の海 (上)(下)

井上靖/著 新潮文庫 『夏草冬涛』の続編。 旧制中学を卒業して受験に失敗した洪作が 浪人生活と両親のいる台湾へ向かうところまでの物語。 金沢の旧制四高の柔道部との日々が印象的。 洪作の境遇が複雑なのは1作目からだが、 全くひねくれていないで成長して…

ひとり旅日和

秋川滝美/著 KADOKAWA タイトル通り、ひとり旅の醍醐味と 著者の得意なグルメものが合わさった物語。 ひとり旅を重なることで、 主人公が成長していく。

エピローグ

円城塔/著 早川書房 結構難解だった。 考えて読んでもわからないので感じたままに読んで 文章の波に乗っていくしかなかった。

彼らは世界にはなればなれに立っている

太田愛/著 KADOKAWA 現代社会の話ではなく、 架空の国の物語で戸惑うのだが 差別や戦争などの寓話的ストーリーなのだろうか。 各章の語り手の人生が皆壮絶。

獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパークXVI

石田衣良/著 文藝春秋 最新作まで追いついた。 表題のは度々過去作品でも触れられている 児童虐待話で最もキツイ内容だった。 IWGPシリーズは時事ネタが常にあるが 本作でもコロナの世界が書かれていた。