読書の記録_国内作家あ行

斬首の森

澤村伊智/著 光文社 会社の洗脳的行為ありの地獄の研修から逃走した新人たちが迷い込んだ森での恐怖体験。ミステリ要素はあるが恐怖的描写や落ちが伊藤潤二の絵が最も合いそうな内容。

タクジョ!

小野寺史宜/著 実業之日本社 新卒でタクシー会社に就職した女性の半年。お仕事小説らしく山あり谷あり。新卒なのに結婚前提お見合いありと多種多様。続編があるようである。

さえづちの眼

村伊智/著 角川ホラー文庫 <収録作品>『母と』『あの日の光は今も』『さえづちの眼』 比嘉姉妹シリーズ中編集。ミステリや民俗学寄りのホラーありでバラエティ豊か。『あの日の光は今も』は比嘉姉妹が直接出ないが過去作品の関係人物が関わる。UFO騒ぎで炎…

噓と人形

岩井志麻子/著 太田出版 表紙のインパクトがすごい!エッセイなのかなと思ったらホラー話だった。嘘か真実か語り手皆が全く信頼できなく不気味な話だった。

新・怪談

奥沢拓/著 文芸社 小泉八雲『怪談』他、昔から知られる怪談をアレンジした短編集。どこか懐かしい話が多かった。

同志少女よ、敵を撃て

逢坂冬馬/著 早川書房 第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。コミカライズも始まったので早く読まないとと読了。 戦争は女の顔をしていない - orangemachinegun’s blogを連想させられるなと思ったが、作中でも触れられる。最前線に出て戦う狙撃兵として…

魔法使いの弟子たち

井上夢人/著 講談社 タイトルがファンタジーめいていてそっち方向かなと思いきやパンデミックものかつ、その後遺症が超能力持ちになるというSF小説。こういった物語は最終的にバッドエンドになりそうだが医療関係者や一部マスコミが超能力者になった人たちに…

ひとり旅日和 福招き!

秋川滝美/著 KADOKAWA シリーズ4作目。今回の旅はどれも移動の難易度が高いのばかり。日和の片思いがここで少し進展してきた。

ひとり旅日和 運開き!

秋川滝美/著 KADOKAWA シリーズ3作目。ひとり旅に慣れてきたところで本作の世界もコロナ禍に。とはいいつつもひとり旅を実行していく。青森・秋田で叔母に関連する話が収録。

ひとり旅日和 縁結び!

秋川滝美/著 KADOKAWA シリーズ2作目。日和もひとり旅でに慣れてきて、移動方法も自動車まで使えるように。また仕事の方も、ひとり旅で自信がついてきたか新たな味方も出てきたこともあり成長している。

奇妙な幻獣辞典

井上雅彦/著 実業之日本社 幻獣をテーマにした12の物語。テーマやタイトルが幻想小説ぽさに惹かれた。ホラー寄りの幻想小説といったところ。

ゆずこの形見

伊藤たかみ/著 河出書房新社 2作収録されていて、共通するのが『夢見入門』という本。一年以上たった手作り冷食は食べて大丈夫だったろうか、というのに気になって本編の印象が薄く感じてしまった。

よその島

井上荒野/著 中央公論新社 70代の夫婦と元小説家が東京から島へ移住してシェアハウスするが話が進むにつれてどんどん不穏な雰囲気に。その原因が意外であるが実際にありそう。そのための老人設定だったのか。

コンカツ?

石田衣良/著 文藝春秋 タイトルからなんとなく最近の物語かと思いきや2012年の作品だった。ということで時代背景が現在と剥離している部分もあるが根幹はそれほど変化がない感じであった。

赤虫村の怪談

大島清昭/著 東京創元社 愛媛県にある独特な妖怪伝説がある赤虫村にて連続殺人事件がおこるホラーミステリ。この作品で違和感感じたのは、クトゥルフ関係にまつわる伝承だとすぐ読者には判明するが作中人物は全くそのことに触れないこと。クトゥルフ神話が存…

沈黙

遠藤周作/著 新潮文庫 実際にあったキリシタン弾圧の話を元にしたらしいポルトガル司祭ロドリゴの日本潜入から棄教するまでの物語。でもどちらかというと、何度も転んでは信徒に戻るを繰り返すキチジローの方が印象的。

ゴジラ S.P

円城塔/著 集英社 同タイトルのアニメの小説。とはいえアニメそのままのノベライズではない多重視点な物語。謎はさらに増えている部分もあるが解明される謎もあり。円城塔作品としてはかなり読みやすい。

ヘーゼルの密書

上田早夕里/著 光文社 まさかの歴史もの。1930年代の中国にて、日中和平工作のために奮闘する人々の物語。実際の歴史エピソードにフィクションを絡めている。主人公の通訳者である日本女性のスミもそうだが、中国人側の女性たちも芯があって強いところが著者…

八甲田山 消された真実

伊藤薫/著 ヤマケイ文庫 小説や映画にもなった、明治時代の八甲田雪中行軍遭難事件について調査したノンフィクション。元自衛隊員で八甲田雪中演習も体験しているので、装備不備や行軍のつらさなどは実感として書かれている。ただし、文章が読みづらくて頭に…

北斗 ある殺人者の回心

石田衣良/著 集英社 女性二人を殺害した北斗。幼少時から殺人、裁判までの人生が語られるがなんとも理不尽すぎる。殺人はアウトだが加害者に同情する部分もあったり複雑な気持ちにさせられるばかりだった。

天冥の標X 青葉よ、豊かなれ

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA 読み始めから想像もつかないスケールが大きい物語だったが、大団円できれいに完結。良かった良かった。イサリが持っていた本がもしやと思ったら、やはり青葉が絡んでいた!

天冥の標IX ヒトであるヒトとないヒトと

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA 9巻。物語の全体像がわかってきて、登場人物たちにも、真の敵がわかって読者視点と近づいてきた。メニー・メニー・シープは破壊されずに済むのだろうか?

伊上勝評伝 昭和ヒーロー像を作った男

井上敏樹、竹中清/著 徳間書店 『仮面ライダー』や『仮面の忍者赤影』の脚本家伊上勝の評伝。子息でやはり脚本家の井上敏樹から見た伊上勝の話は少しかと思いきや一章まるまる本人が書いている。他関係者証言もあるが、上記だけでも十分濃い内容だった。

天冥の標VIII ジャイアント・アーク

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA 前巻から300年後、1巻の時間軸へ戻る。1巻で即退場したか? と思われた登場人物たちが復活!イサリが子孫のイサリかと思ったら本人で驚いた。起承転結の「結」へと向かう、怒涛の伏線回収の話だった。

余命1年のスタリオン

石田衣良/著 文藝春秋 癌闘病もの。二枚目半の俳優が肺癌になり余命1年を宣告され、自分の生きている証を残すべく奮闘する。抗癌治療などの部分はシリアスで深刻だが、生活部分はコミカルにし明るい内容となっていた。

天冥の標VII 新世界ハーブC

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA 7作目。前作記事で >シェパード号は1作目の植民星>メニー・メニー・シープを目指すのだろうが、>ドロテア号も同じ星へ行くのだろうがその謎は次の話? と書いたけど検討違いだった。 本作は、6作目の直後からで大多数が子どもだ…

天冥の標 VI 宿怨

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA かなり長くなっためか巻末に過去分の主要用語・人物集が掲載されていたのでありがたい。 西暦2502年"救世群"が人類に宣戦布告。1巻目での謎の多い設定がここで回収されだす。タイトル回収もしたし。終盤で太陽系が沈黙する様子が…

天冥の標Ⅴ: 羊と猿と百掬の銀河

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA 4作目は3作目の数年後くらいだったが 本作は4作目から数十年後。 小惑星パラスで農業を営むタックと 反抗期の娘ザリーカの物語が中心。 それとは別に、実は過去作でもいまいち理解できてなかった 情報生命体ノルルスカインの誕生…

天冥の標Ⅳ: 機械じかけの子息たち

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA 《恋人たち(ラバーズ)》という呼ばれる セクサロイドが誰によって誕生し存在しているのか、 彼らの幸福とは何かということが語られる。 《恋人たち(ラバーズ)》の物語なので、 あらゆる性描写が本編の大半で書かれていてくど…

天冥の標 3 アウレーリア一統

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA シリーズ3作目は西暦2310年。 1作目の先祖や2作目の子孫が出てきて楽しくなってくる。 アウレーリアの先祖であるサー・アダムスが中心。 物語の軸はブレずに進むが、 本作では宇宙海賊との戦闘などのアクションが多め。