2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ナチが愛した二重スパイ

ベン・マッキンタイアー/著 高儀進/訳 白水社 「事実は小説より奇なり」がぴったりなノンフィクション。 平時では生来の犯罪者であったチャップマンが、 第二次大戦中、ひょんなことでナチのスパイとしてスカウトされる。 訓練を受けてイギリスへ戻されたの…

約束された場所で underground2

村上春樹/著 文藝春秋 地下鉄サリン事件被害者へのインタビュー集 『アンダーグラウンド』と対になる作品。 本作では、オウム真理教の現役信者・元信者へのインタビューと 河合隼雄との対談が収録。 全てを投げうって出家することを 簡単に乗り越えてしまう…

西遊妖猿伝 大唐篇 第5、6巻

諸星大二郎 講談社 以前ちょっと出ていた破壊僧が再登場かと 思いきや、これが八戒か! 悟空の周囲は相変わらず騒乱ばかりだけど、 自分の力をコントロールできるようになったりして 成長を続けている。

打ちのめされるようなすごい本

米原万里/著 文藝春秋 読書日記と書評集。ロシア語同時通訳者なため ロシア関連の書物が多い。 あと、読書時代的にイラク戦争関係ものも、 300ページ位だと一時間で読めるらしいとの速読の持ち主。 それでいて非常に感情豊か(わかりやすく大げさ?)に 読み…

紀ノ川

有吉佐和子/著 新潮社文庫 明治・大正・昭和の女三代の生き様を書く。 明治のハナがメインだが。 同時に、ハナの生涯と連動される家の興亡も書かれている。 方言もいいよなあ。

聖☆おにいさん 第3巻

中村光 講談社 ギャグものって、巻数が進むと 笑いのレベルが落ちて行きやすいが 3巻になってもレベル落ちず。 ネタが細かくなってるけどキャラ設定が確立してるからかな。

ヒジュラ 男でも女でもなく

セレナ・ナンダ/著 蔦森樹+カマル・シン訳 青土社 ヒジュラを初めて知ったのは西原理恵子の漫画だった。 その時は女装した男性の集団? ていうくらいの認識だった。 (漫画は、サイバラがインドで ヒジュラの家でホームステイして、 ヒジュラ祭りに参加とい…

わが良き狼

筒井康隆/著 角川文庫 <収録作品> 『地獄図日本海因果(だんまつまさいけのくろしほ)』 『夜の政治と経済』『わが家の戦士』『わが愛の税務署』 『若衆胸算用』『団欒の危機』『走る男』 『下のセカイ』『わが良き狼』 何編かは自選短篇集とかで既読だっ…

アフターダーク

村上春樹/著 講談社 たった一晩の出来事を なんらかの関係で繋がっている人々のエピソードで構成。 ちゃんと解決してないで朝を迎えているけれど、 その後が想像できるなあ。

月光条例 第4巻

藤田和日郎 小学館 3巻からのシンデレラ編が完結。 自我って大事だなあ。 この後にまた長いエピソードが入るのかわからないけど、 1話完結がメインで収録。 『月光条例』はまだ主人公にハードな試練がないけど もう少し進むと出て来るのだろうか?

ベスト版 たんぽぽのお酒

レイ・ブラッドベリ/著 北山克彦/訳 晶文社 1928年、12歳のダグラスが体験した夏の思い出。 夏の初めにお祖父さんが作るたんぽぽのお酒(Dandelion Wine)。 出だしは、新しいテニス靴を買ったり山ぶどう、山いちごを収穫したり 夏のわくわく感を出しているの…

私の血はインクでできているのよ

久世番子 講談社 漫画家デビュー以前、幼少の頃からお絵描き大好き なのはよくあるけれど、その過去をぶっちゃけ公開して ギャグにしているという体張ってるネタ漫画。 ある意味大変だ。 そして、子供の頃お絵描き好きだった過去を持つ人には かなりクルぞ。

独裁者の言い分 トーク・オブ・ザ・デビル

R・オリツィオ/著 松田和也/訳 柏書房 現在は堕ちた独裁者たちへのインタビュー集。 出て来る中でわかるのはアミンくらいだ……。 本当に有名な独裁者はまだ独裁者だもんなあ。 インタビュー内容物足りなかった。

二つの脳を持つ男

パトリック・ハミルトン/著 大石健太郎/訳 小学館 ヒッチコック監督『ロープ』、 イングリット・バーグマン主演『ガス灯』の原作者として 海外では有名だけど、日本ではほとんど紹介されてないそう。 昔の作家なのに、あの病気を上手く書いてて よく出来た話…

愛という名の病

パトリック・マグラア/著 宮脇孝雄/訳 河出書房新社 1930年代、第二次世界大戦突入直後のイギリス。 かつて愛した女性の思い出を、 女性の息子に語りかける文体で書かれた話。 恋愛小説風なのが、話が進むにつれ 語り手の歪みが徐々に滲み出て来て全く油断で…

だます人だまされる人

深沢敬次郎/著 元就出版社 著者本人の知能犯刑事時代の体験談。 これ読んで詐欺に騙されずに済むとは限らないかも。 現代の詐欺は昔に比べて悪質だよなという感じだ。

富豪刑事

筒井康隆/著 新潮文庫 <収録作品> 『富豪刑事の囮』『密室の富豪刑事』 『富豪刑事のスティング』『ホテルの富豪刑事』 無尽にある家の財産を使って 事件を解決する神戸大助こと富豪刑事の短篇集。 とにかくゴージャス! 今の時代で読んでも古びないなあ。 …

大江戸死体考 人斬り浅右衛門の時代

氏家幹人/著 平凡社新書 花のお江戸は死体がいっぱい。 検屍の記録から探る 江戸の変死体事情が導入としてあって、 山田浅右衛門一族の役割についてがメインで 書かれている。山田家は浪人扱いだったとは 知らなかった。 しかし、新書ってわざと内容が軽くし…

フランク・オコナー短篇集

フランク・オコナー/著 阿部公彦/訳 岩波文庫 <収録作品> 『ぼくのエディプス・コンプレクス』『国賓』 『ある独身男のお話』『あるところに寂しげな家がありまして』 『はじめての懺悔』『花輪』 『ジャンボの家』『ルーシー家の人々』 『法は何にも勝る…