読書の記録_国外作家ら・わ行

三体0 球状閃電

劉慈欣/著 大森望、光吉さくら、ワン・チャイ/訳 早川書房 三体シリーズの前日譚。本書の主人公である陳が少年時両親が目の前で謎の焼死する場面から始まりその原因の「球電」の研究にのめり込んでいくが。表紙の女性は、第二の主人公ともいえる林雲か。シリ…

魔女 上・下

カミラ・レックバリ/著 富山クラーソン陽子/訳 集英社文庫 エリカ&パトリック事件簿10作目。 今のところ邦訳はここまで。またアンナいじめをしてる作者。少女というより幼女殺害事件が起きる。本作では移民問題や未成年の銃事件など現在の魔女狩りといえそう…

獣使い

カミラ・レックバリ/著 富山クラーソン陽子/訳 集英社文庫 エリカ&パトリック事件簿9作目。エリカが取材していた女性囚人と連続少女誘拐事件が関連。誘拐された少女たちの末路が残虐で悲惨すぎる。また、犯人についても救いがないというか続編で再登場しかね…

悪童

カミラ・レックバリ/著 富山クラーソン陽子/訳 集英社文庫 エリカ&パトリック事件簿3作目。7歳の少女殺人事件と過去の負のサーガが繋がる部分がさすが。作中では犯人の自白はないが、なぜ事件が起こったかの原因がよくわかる。本作のラストがすごい引きだっ…

宇宙の春

ケン・リュウ/著 古沢嘉通/訳 早川書房 <収録作品>『宇宙の春』『マクスウェルの悪魔』『ブックセイヴァ』『思いと祈り』『切り取り』『充実した時間』『灰色の兎、深紅の牝馬、漆黒の豹』『メッセージ』『古生代で老後を過ごしましょう』『歴史を終わらせ…

説教師

カミラ・レックバリ/著 原邦史朗/訳 集英社文庫 エリカ&パトリック事件簿2作目。2作目までの訳が癖強い。エリカとパトリックが前作で恋人同士になったと思いきやエリカが臨月近い妊婦になっていて驚く。また、他シリーズ登場人物たちの形が本作で固まってき…

氷姫

カミラ・レックバリ/著 原邦史朗/訳 集英社文庫 エリカ&パトリック事件簿1作目。このシリーズは4作目から読んでしまっていたがやっと1作目から読むことにした。訳者も2作目まで別の人である。1作目のためか、登場人物像がまだ固まっていない。パトリックの仕…

死神遊び

カミラ・レックバリ/著 富山クラーソン陽子/訳 集英社文庫 エリカ&パトリック事件簿8作目。様々な辛い過去があってか仕事にやる気がないユスタが、35年前の一家失踪事件に関わると思われる事件をきっかけにクローズアップ。アンナが相変わらず受難続きだった…

霊の棲む島

カミラ・レックバリ/著 富山クラーソン陽子/訳 集英社文庫 エリカ&パトリック事件簿7作目。前作のラストの女性二人ってエリカと妹のアンナだったとは。しかし著者はどんだけアンナに試練を与えすぎなのだろうか。今回はDV問題がテーマであるが、事件の本筋の…

甦る男

イアン・ランキン/著 延原泰子/訳 早川書房 リーバス警部シリーズ13作目でMWA賞受賞作。上司への反抗的行為にて警察学校の再訓練コースへ放り込まれる。いつかはやりそうだよなあ、と思いきや実は悪徳警官をいぶり出すための潜入捜査だった。シボーンは本作…

首吊りの庭

イアン・ランキン/著 延原泰子/訳 早川書房 リーバス警部シリーズ10作目。この小説のエジンバラは快晴だとしても作品の雰囲気のせいかいつも曇ってそう。読む順序バラバラなため、登場人物相関が把握しづらい。今回は娘と友人が大変なことに。エジンバラでの…

人魚姫

カミラ・レックバリ/著 富山クラーソン陽子/訳 集英社文庫 エリカ&パトリック事件簿6作目。5作目で小説執筆していた図書館司書のクリスチャンが『人魚』でデビューする。それをきっかけに脅迫や殺人事件が発生する。エリカが急に双子妊娠という状態になって…

踊る骸

カミラ・レックバリ/著 富山クラーソン陽子/訳 集英社文庫 エリカ&パトリック事件簿5作目。エリカの母親がなぜ姉妹に冷たかったのかの謎が母親の幼馴染殺害事件をきっかけに明かされる。第二次世界大戦時のスウェーデンの立場の複雑さも書かれる。パトリック…

死を哭く鳥

カミラ・レックバリ/著 富山クラーソン陽子/訳 集英社文庫 エリカ&パトリック事件簿4作目。いきなり4作目だったので、シリーズ登場人物の人間関係に戸惑う。たぶんネタバレもあっただろうに思う。事故死と思われたが実際には殺人事件、悪趣味的なリアリティ…

魔術師の匣 上・下

カミラ・レックバリ、ヘンリック・フェキセウス/著 富山クラーソン陽子/訳 文春文庫 女刑事とメンタリストのコンビの三部作一作目。癖強い二人のキャラクターが強烈で多様性を意識している?本作は、メンタリストのヴィンセント中心に話がまわっている。犯人…

偽りの果実

イアン・ランキン/著 熊谷千寿/訳 新潮文庫 マルコム・フォックス警部補シリーズ2作目。スコットランド独立運動とも関連し25年前以上前の事件が捜査中の汚職事件に関わっていく。1作目もだが、登場人物表が少なすぎ。重要人物が出てないのはなぜ。シリーズ3…

監視対象

イアン・ランキン/著 熊谷千寿/訳 新潮文庫 警官を内部監査する部署に所属するマルコム・フォックスが主役のシリーズ1作目。リーバスもそうだったけど、フォックスも独自捜査をしがちであった。しかし、パブ通いで飲酒が当たり前なスコットランドにて断酒を…

影と陰

イアン・ランキン/著 延原泰子/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 リーバス警部シリーズだが何作目だっけ?判型がバラバラで出版されているのでわからなっていく。と思ったらシリーズ2作目らしい。確かに皆若い感じがした。ホームレス毒殺事件から始まるオカルト風…

われらが痛みの鏡 上・下

ピエール・ルメートル/著 平岡敦/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 三部作完結。二つの大戦間の物語。本作では、2作目に出ていた少女ルイーズが大人になって登場。彼女の物語を中心として、脱走兵になった二人の青年や稀代の詐欺師などの話が交互に語られ後半で同…

喪失の冬を刻む

デイヴィッド・ヘスカ・ワンブリ・ワイデン/著 吉野弘人/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 アメリカはサウスダコタの居留地に住む主人公。日本では馴染みが薄い、アメリカ先住民の現代生活描写が新鮮。先住民内でも同じ部族同士ではない結婚で生まれた子どもは混血…

円 劉慈欣短篇集

劉慈欣/著 大森望、泊功、齊藤正高/訳 早川書房 <収録作品>『鯨歌』『地火』『郷村教師』『繊維』『メッセンジャー』『カオスの蝶』『詩雲』『栄光と夢』『円円のシャボン玉』『二〇一八年四月一日』『月の光』『人生』『円』 デビュー作から『三体』との…

流浪地球

劉慈欣/著 大森望、古市雅子/訳 KADOKAWA <収録作品>『流浪地球』『ミクロ紀元』『呑食者』『呪い5.0』『中国の太陽』『山』 表題作は映像化されていたためか長編かと思っていた。 太陽から離れて地球自体が宇宙船になるという発想が面白い。 他作品も、宇…

黄金の檻

カミラ・レックバリ/著 奥村章子/訳 ハヤカワ文庫NV 夫に虐げられた女性の復讐劇。 元々有能だった女性だったため、復讐劇が始まった瞬間から 気持ちいいくらい進みが早かった。 続編があるらしいけど、続編必要ないくらい綺麗に終わっている。

パチンコ 上・下

ミン・ジン・リー/著 池田真紀子/訳 文藝春秋 4代にわかる在日コリアン一家の歴史物語。 『ルーツ』みたいに実際の家族を元にしているかと思ったら 著者はコリアン系アメリカ人で全くのフィクションだった。 大半は日本が舞台な割には日本人の存在は薄くて …

要塞島の死

レーナ・レヘトライネン/著 古市真由美/訳 創元推理文庫 マリア・カッリオのシリーズ3作目。 出産を経て、警部として昇進して復帰してすぐの事件の話。 1990年代のフィンランドでは女性が管理職は まだ困難がある模様でマリアは苦戦している。 とはいえ、マ…

氷の娘

レーナ・レヘトライネン/著 古市真由美/訳 創元推理文庫 マリア・カッリオのシリーズ2作目。 フィンランドのフィギュアスケート事情が面白い。 あまり意識してなかったけど、 1994年のリレハンメルオリンピックより前の話だった。 事件自体よりも、妊娠七ヶ…

三時間の導線 (上)(下)

アンデシュ・ルースルンド/著 清水由貴子、 喜多代恵理子訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 グレーンス警部シリーズ。 三秒、三分、三時間の三部作の3作目。 著者の一人が亡くなったり、訳者も変更となっているが 大きな変化としては作中のグレーンス警部が メイン…

三分間の空隙 (上)(下)

アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレム/著 ヘレンハルメ美穂/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 グレーンス警部シリーズ。 三秒、三分、三時間の三部作の二作目。 スウェーデンミステリを読んでいるのだが、 作品の大半の舞台はコロンビアおよびアメリカ…

はたらく魔王さま! 21

和ヶ原聡司/著 電撃文庫 完結作、ということでいつもの倍の本の厚み。 最終決戦とその後の日常世界の話が並行して物語が終わる。 最終決戦が思ったよりあっさりしていたなあ。 事前のちーちゃん両親のご挨拶は笑えた。

地下道の少女

アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレム/著 ヘレンハルメ美穂/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 グレーンス警部シリーズ第4弾。 福祉国家といわれるスウェーデンなのに 都会の地下に親に捨てられたり虐待を受けて逃げ出した ストリートチルドレンがいると…