2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

裏庭

梨木香歩 新潮文庫 少女と庭というのは良く似合う。 バーンズ家で「裏庭」と呼ばれている異世界へ少女が 入り込み、異世界の崩壊を救う話、 とファンタジーものである。 本来ファンタジー苦手な読み手としては 異世界ものは特に苦手とする内容だったりする。…

女坂

円地文子 新潮文庫 明治の女の一生。 夫、息子、孫の遺伝的かといえる 女性問題に翻弄はされないども抵抗もせず、 という生き様。かなり裕福な高級官吏の家なので 金銭的な生活の苦労はないかもしれないけれど、 人間関係の複雑・暗さがもう半端じゃない。 …

今日の早川さん

COCO 早川書房 個人ブログの漫画だけど、 ネット以外でいつでも読みたい、と思わせるのは 『今日の早川さん』くらいかな、今のところ。 出版が早川書房というのがナイス。 内容は本好き女性たちの、本に関わる日常生活 四コマ漫画。 あるあると思わせるエピ…

あずまんが大王 第1巻

あずまきよひこ メディアワークス 『よつばと!」を読んでいたけど未読だった。 なのに、家では作者のことを「あずまんがの人」 と呼んでいたのだった。 だって「あずま先生」は吾妻ひでおと混同してしまうから。 さて、本書はひとことでいうと、 女子高校生…

恋人たちの森

森茉莉 新潮文庫 <収録作品> 『ボッチチェリの扉』『恋人たちの森』 『枯葉の寝床』『日曜日には僕は行かない』 『ボッチチェリの扉』は 最初は、語り手の下宿先の女家主の息子である 沼二(ひきこもり青年)が主役かと思いきや 妹の麻矢が主役の話。 やは…

薔薇くい姫 枯れ葉の寝床

森茉莉 講談社文芸文庫 <収録作品> 『薔薇くい姫』 『枯葉の寝床』『日曜日には僕は行かない』 エッセイを1、2編くらいしか読んだことないので全て初読。 『薔薇くい姫』は森茉莉最後の小説。 エッセイだろうという話もあるが、 出てくる人物は全て変名に…

梅田地下オデッセイ

堀晃 ハヤカワSF文庫 <収録作品> 『アンドロメダ占星術』『塩の指』『無重力の環』 『宇宙猿の手』『猫の空洞』『地球環』 『熱の檻』『連立方程式』『梅田地下オデッセイ』 ええと、途中で投げ出すほどの読み難さはなく 読了はできたけどよくわかりません…

日の名残り

カズオ・イシグロ/著 土屋政雄/訳 ハヤカワ文庫 「品格」という言葉が話題になっているようだけど、 この本でも「品格」ということは何か、という話題が何度か出てくる。 主人公の執事が、戦前の名家の回想話。 美しいイギリスの風景および回想話の美しさ。 …

死と彼女とぼく ゆかり 第8巻

川口まどか 講談社 この巻も松実(健一郎&杏子)夫妻の話で ゆかり出ないよ。 松実夫妻エピソードは素敵だね。 なんで健一郎はヒゲを生やしているかという エピソードは良かったのに。 優作誕生で可愛いよ。「美少年になれ」の呪いに吹いた。 死を告げる黒い…

定本 尾崎翠全集 上・下

尾崎翠/著 稲垣眞美/編 筑摩書房 昭和初期の幻の作家の全集。 以前『尾崎翠 ちくま日本文学全集』を読んで その後も気になったので全集に手をつけてしまいました。 独特の作風が癖になるぜ。『第七官界彷徨』は今だとSFに読めるよね。 無名時代の少女小説ま…

ゴッド・アーム 全3巻

梶原一騎/原作 桑田次郎/作画 マンガショップ 家族が買ってきたものです、もちろん。 この単行本、値段の割に紙質がいまいちなのがネック。 梶原一騎と桑田次郎という、 かなり異色な組み合せの漫画。 空手の達人が誰かに殺害され、 父親の手でサイボーグ化…

夢野久作全集 5

夢野久作 ちくま文庫 <収録作品> 『犬神博士』『超人鬚野博士』 どちらもほぼ外見も内面もそっくりな 怪人物が主役の話。 『超人鬚野博士』は少年時代からの身の上話もあるけれど、 メインは物語上の現代の鬚野博士にふりかかった話で。 『犬神博士』は語…

天界のゲゲゲの鬼太郎 水木しげるコレクション5

水木しげる 角川文庫 「火」にまつわる話を収録らしい。 ここに収録の、インカ帝国の話が出てくる 『地上絵の秘密』を読了後から、 なぜか「インカ帝国より愛をこめて」 というメールが三日に一度にやってくるのだけど 何かの嫌がらせだろうか? また、この…