2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

吸血鬼

江戸川乱歩/著 春陽堂文庫 『人間豹』の前作品だった。 この話は、過去作品の重要なネタばれが多めなので 『吸血鬼』以前の話を未読の場合は要注意。 蝋細工ってそんなに精巧なのか……と 感心してしまいそうなくらい、 明智と犯人との化かし合いが繰り返し行…

大奥 第5巻

よしながふみ 白泉社 引き続き綱吉篇。 4巻ちょっと退屈だなーと思ったものだが、 5巻とセットにして読むと面白い! ちゃんと生類憐れみの令や 赤穂浪士の変も出てくるとは。 そして、綱吉と吉宗とのただ一回の邂逅! これで1巻に繋がった。 断然次巻が気にな…

人間豹

江戸川乱歩/著 春陽堂文庫 数年ぶりの再読。 江川蘭子が出てくる以前の箇所はすっかり忘れていた。 レビューの観客が皆ひょっとこ変形顔の仮面を被っている所や 着ぐるみ動物箇所は想像するだけでも笑えるが 忠実に実写するととんでもないことになりそうだな…

ネフィリム 超吸血幻想譚

小林泰三/著 角川書店 吸血鬼と人間との対立に加え、 両者よりも強いストーカーという化物が出て来る。 スプラッタ&アクションの連続。 吸血をしない吸血鬼の名前が受難者と同じ名前の ヨブというのが面白い設定。 タイトルの『ネフィリム』も聖書だしな。 …

緑の影、白い鯨

レイ・ブラッドベリ/著 川本三郎/訳 筑摩書房 ブラッドベリのアイルランド滞在経験がベースとなった物語。 執筆は1992年だが本書の時代は1950年代。 日常世界の中にあるファンタジイ(不思議系)が光る。 タイトルは、アイルランドの土地の緑が影まで緑色な…

半眼訥訥

高村薫/著 文藝春秋 1990年代に書かれたエッセイ。 合田の子供時代が高村薫の幼少時の背景を元にしている等、 作品の裏側を見せる内容もあり。 また、神戸の震災と母の死についてが 1995年以降の作品に多少となり影響されているようだ。

P.S.アイラブユー

谷川史子 集英社 <収録作品> 『P.S.アイラブユー』 『ROOM201』 新刊出てた。 掲載誌の『コーラス』って年齢層高いのかな。 ヒロインの年齢が40歳(『ROOM201』3話目)っていうのは 谷川さん作品で初めて見た。(未読分であるかもだが) 『P.S.アイラブユ…

動物感覚 アニマル・マインドを読み解く

テンプル・グランディン、キャサリン・ジョンソン/著 中尾ゆかり/訳 NHK出版 メイン著者であるテンプル・グランディンが、 自身が自閉症であることを活かして 動物の行動を読み解くという試みをし、その成果をまとめたもの。 ここで書かれていることは説明は…

貧しくても元気だった懐かしの昭和30年代

町田忍/著 扶桑社 昭和建物ネタもの。 昭和30年代そのものじゃないのが多いし、 2002年出版のものなので情報が古い。 建物の写真は良かったが。

月光条例 第6巻

藤田和日郎 小学館 赤ずきん篇完結。 これまでで一番面白かったエピソードかも。 月打されて単純に悪者になってしまう おとぎ話の人物だけでなく、自らの意思というのも 持ったままという人物も出てきた。 話はどんどん面白くなってくるなー。 そして、『月…

ゲゲゲの女房

武良布枝/著 実業之日本社 水木しげるの奥さんの自伝。 この本、来年の連続テレビ小説でドラマ化になるらしいねー。 お見合い、五日後結婚から物語が始まるのか? ってヒロイン29歳スタートになるけどドラマ的にはありなのか? あっさりとした語り口調なのだ…

航路 (上)(下)

コニー・ウィリス/著 大森望/訳 ソニー・マガジンズ 上下二段組みと長い長い物語。 NDE(臨死体験)とタイタニックの関連は? となんだか魅惑的な謎を提示しつつ 第二部の急激すぎるラストにはびっくらした。 迷路のような病院内、いつまでも止まらないおし…

ムンクを追え!

エドワード・ドルニック/著 河野純治/訳 光文社 サブタイトルが長かったので下記に記載。 「『叫び』奪還に賭けたロンドン警視庁美術捜査班の100日」 エドヴァルド・ムンクの作品で最も有名な「叫び」は 今まで1994年と2004年に盗み出されている。 本作は199…

しろくまカフェ いちご味!

ヒガアロハ 小学館 2巻目。て巻数で出さないのかこの本は。 いちご味! というのは事前に知っていたので 予想どおりの表紙だった。いちご色にパンダ! 内容は前巻よりも面白さUPしていた。 話も若干増えている? やっぱり子熊たちが可愛い。大人になると凄く巨…

いずれは死ぬ身

トバイアス・ウルフ他/著 柴田元幸/編訳 河出書房新社 <収録作品> 『ペーパー・ランタン』スチュアート・ダイベッグ 『ジャンキーのクリスマス』ウィリアム・バロウズ 『青いケシ』ジェーン・ガーダム 『冬のはじまる日』ブリース・D'J・パンケーク 『スリ…

作家的時評集 2000-2007

高村薫/著 朝日文庫 各年の「主な出来事一覧」の内容が懐かしい。 そうか、2000年の時は小渕恵三が総理大臣在任中に亡くなったり、 新潟・少女監禁事件やネオ麦茶事件(北九州バスジャック事件)、 世田谷一家四人殺害事件、雪印食中毒事件等あったんだと。 …

ドゥームズデイ・ブック

コニー・ウィリス/著 大森望/訳 早川書房 『犬は勘定に入れません』をはじめとする タイムトラベルものの第一作目。 単行本版で読了。今はSF文庫でも出てます(少女漫画風な表紙)。 本編では21世紀と14世紀の章で構成。 クリスマス前後なのに、どっちも疫病…

双生児

クリストファー・プリースト/著 古沢嘉道/訳 早川書房 第二次大戦中にチャーチルの下で活躍した 元オリンピック選手のJ・L・ソウヤー。 そして良心的兵役拒否者で赤十字社所属の J・L・ソウヤー。 イニシャルまで同じなジャックとジョーの双生児たち それぞ…