読書の記録_国外作家あ行

悪い男

アーナルデュル・インドリダソン/著 柳沢由実子/訳 東京創元社 エーレンデュルシリーズの番外編。エーレンデュルの部下であるエリンボルクが主人公で普段触れられない彼女の家庭環境などがしっかり書かれている。タイトルは本作の殺人事件の被害者のことなの…

クリフトン年代記 第7部

ジェフリー・アーチャー/著 戸田裕之/訳 新潮文庫 シリーズ完結。ハリー・クリフトンの生涯が終わる。ハリーらしい亡くなり方だった。1部からの謎であったハリーの父親は誰かなのかもちゃんと解決されていた。

クリフトン年代記 第6部

ジェフリー・アーチャー/著 戸田裕之/訳 新潮文庫 時代は1970年代へ。まだ残っている三人の敵の決着が一応ついた?なんだか自滅していった感があるが。ハリーは代理であるがノーベル賞授賞式でスピーチ、エマはサッチャーが首相へとなるきっかける与えると世…

クリフトン年代記 第5部

ジェフリー・アーチャー/著 戸田裕之/訳 新潮文庫 気がついたら作中が1970年になっていた。宿敵であるレディ・ヴァージニアとエマの裁判が中心として進んだ。一方ハリーは4部から続く旧ソ連とのスパイ合戦が決着ついたか。

陽炎の市

ドン・ウィンズロウ/著 田口俊樹/訳 ハーパーBOOKS 三部作二作目。前作から脱出し、舞台はアメリカの西の地域へ。前半は緊張感ある逃亡生活だが、後半は一転、華やかな映画界へと踏み出す。映画がなぜか一作目を元にしたもので最初に関わるアルターボー…

クリフトン年代記 第4部

ジェフリー・アーチャー/著 戸田裕之/訳 新潮文庫 マルティネス一家との対決が佳境に入る。対決の煽りを受けて重要人物が死亡してしまうのが残念。伏線的に悲劇が起こりそうなのは予想していたがこんなに早かったとは。セバスティアンがサムと出会ったことが…

クリフトン年代記 第3部

ジェフリー・アーチャー/著 戸田裕之/訳 新潮文庫 なんで表紙が飛行機のパイロット? と思ったらストーリーで重要な部分だった。ジャイルズの女運悪さの問題から始まったかと思ったらセバスティアンが国際的贋金事件に巻き込まれるスリラー展開に。クリフト…

クリフトン年代記 第2部

ジェフリー・アーチャー/著 戸田裕之/訳 新潮文庫 ハリーが刑務所に入るというところからスタート。第二次世界大戦に突入しているにも関わらず彼の生存を信じるエマがアメリカへ探しへ行く。主要人物たちの障壁相手のヒューゴーはここで退出、案外早かった。…

アルテミス(上)(下)

アンディ・ウィアー/著 小野田和子 ハヤカワ文庫SF 月面都市アルテミスが舞台主人公ジャズはサウジアラビア出身の女性。荷物運輸(ポーター)を生業とした彼女が引き受けた仕事がアルテミスやその住民の生命まで握る大事件へ発展する。都市の設定が綿密で…

クリフトン年代記 第1部

ジェフリー・アーチャー/著 戸田裕之/訳 新潮文庫 ウィリアム・ウォーウィックシリーズと関連ある作品らしいので読み始めた。 ハリー・クリフトンの波瀾万丈な人生。そう、第1部なのに波瀾万丈すぎすのだった。1919年から1940年まで。ハリーの周囲の人物でヒ…

レンブラントをとり返せ

ジェフリー・アーチャー/著 戸田裕之/訳 新潮文庫 ウィリアム・ウォーウィックシリーズ1作目。1作目は新潮文庫だった。美大出身ということを武器にウォーウィックが絵画窃盗事件の捜査に加わる。2作目でも登場人物たちの紹介も兼ねる1作目。

業火の市

ドン・ウィンズロウ/著 田口俊樹/訳 ハーパーBOOKS 新シリーズ三部作の1作目。本シリーズでウィンズロウは断筆するらしい。ニューイングランドのイタリア系ギャングに所属する男の彼女を、アイルランド系ギャングのボスの次男寝取ったことによって抗争が起こ…

青ひげの卵

マーガレット・アトウッド/著 小川芳範/訳 ちくま文庫 <収録作品>『ルゥルゥ、もしくは<言語>の家庭生活』『ぶさ猫』『青ひげの卵』『罪食い人』『緋色のトキ』『サンライズ』 1980年代前半にカナダで出版された短編集。『ぶさ猫』のみ男性が主人公。普遍…

まだ見ぬ敵はそこにいる

ジェフリー・アーチャー/著 戸田裕之/訳 ハーパーBOOKS 別作品で登場していた登場人物が主人公のシリーズ2作目。らしいがいずれも未読。1986年が舞台で、主人公ウイリアムと宿敵っぽい犯罪者グレアムとの対決。警察小説でもあり、法廷ミステリでもある。ジェ…

ザリガニの鳴くところ

ディーリア・オーエンズ/著 友廣純/訳 早川書房 幼い頃に家族に捨てられてもずっと湿地に住む少女の成長物語と湿地近くの櫓から転落死した事件が並行して語られる。はたして少女が犯人なのか、という謎が出てくるがそちらよりも、数奇な運命に翻弄されつつも…

クララとお日さま

カズオ・イシグロ/著 土屋政雄/訳 早川書房 AI頭脳を持つ人工フレンドのクララの視点での病弱な少女ジョジーとの出会いと別れの物語。ジョジーは向上処置の副作用で病弱みたいだが、処置を受けない子どもは大学進学が困難などなにかと格差がある世界となって…

スターリンの息子 上・下

マルティン・エスターダール/著 鵜田良江/訳 ハヤカワ文庫NV スウェーデンとロシアが舞台のスパイサスペンスもの。第二次世界大戦時からのスパイである「スターリンの息子」が残忍。主人公の恋人のパシーが速攻殺害されてないのが不思議なくらい。

NSA 上・下

アンドレアス・エシュバッハ/著 赤坂桃子/訳 ハヤカワ文庫SF もしコンピューターが20世紀初頭に発明されてインターネットや携帯電話、カラーテレビなど普及しナチスによって人々の生活が監視されているという歴史改変SF。よきディストピア小説。冒頭の方でコ…

ブート・バザールの少年探偵

ディーパ・アーナパーラ/著 坂本あおい/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 インドのスラム街で連続して子どもや女性が失踪する。地元の少年たちが事件解決しようと奮闘する。たぶん現代のリアルなインドの情勢が書かれているのだろうが、結末の描写で失踪した子ども…

ヴァイオリン職人と消えた北欧楽器

ポール・アダム/著 青木悦子/訳 創元推理文庫 イタリアのヴァイオリン職人シリーズ3作目。日本オリジナル作品。本作では殺害された教え子の謎を追ってノルウェーへ赴く。ノルウェーの物価高に嘆くところが現実的。ミステリ的には謎解き要素が薄い作品だが、…

ホテル・ニューハンプシャー〈上〉〈下〉

ジョン・アーヴィング/著 中野圭二/訳 新潮文庫 お伽話のような家族の壮大な物語。最終的に家族の半数が死んでしまう。喜劇的なことよりも悲劇的な状況の方が多いのだがそれが淡々とした語りとユーモアで進むのが不思議な感じ。

魔女の館

シャーロット・アームストロング著 近藤麻里子/訳 創元推理文庫 タイトルだけだとホラーっぽいがこちらもサスペンスもの。魔女の館に監禁された男性と、突如行方知れずになった彼の妻が奮闘する。双子の存在が不気味だった。

風船を売る男

シャーロット・アームストロング著 近藤麻里子/訳 創元推理文庫 子どもの親権を争う裁判の前までの女性へ襲いかかる夫側親族からの数々の苦難。一時的に滞在する下宿屋に住む三人の老婆のキャラクターが際立つ。タイトルだと風船売りが不穏なイメージ風だが…

魔術師の夜 上・下

キャロル・オコンネル著 務台夏子/訳 創元推理文庫 マロリーシリーズ5作目。他は既読だが本作だけ抜けていてやっと読了。たびたび名前が出ていた、チャールズの従兄であるマジシャンのマックスの仲間だった老人たちの現代と過去の事件。マラカイにマロリーが…

幻のハリウッド

デイヴィッド・アンブローズ/著 渡辺庸子/訳 創元推理文庫 ハリウッドをテーマにした不気味で奇妙な内容ばかりの短編集。まあ、ハリウッドというものは奇々怪界なイメージだからどんなことがおこっても違和感はない。

アーナルデュル・インドリダソン/著 柳沢由実子/訳 東京創元社 アイルランドミステリ、エーレンデュル捜査官シリーズ6作目。サマーハウスで自殺した女性の事件を調査する傍ら、古い失踪事件も追う。 別々の事件ではあるがとあることがきっかけで一気に解決の…

その少年は語れない

ベン・H・ウィンタース/著 上野元美/訳 早川書房 リーガルミステリという体裁をとっているが、 弁護士ジェイと息子のルーベンの家族の物語といっていいかも。 ジェイは白人男性だが、ルーベンはベトナムからの養子という設定。 11年前の裁判事件以降は疎遠に…

誰がネロとパトラッシュを殺すのか

ディディエ・ヴォルカールト、アン・ヴァン・ディーンデレン/編著 塩崎香織/訳 岩波書店 イギリス人作家ウィーダが書いた『フランダースの犬』について フランダース出身の著者らが検証・考察した本。 ハリウッド映画が5本も制作されていて全てハッピーエン…

図書館大戦争

ミハイル・エリザーロフ/著 北川和美訳 河出書房新社 ウクライナ人作家によるロシア小説。 タイトルからだと有川浩のあの小説を連想するが こちらはある20世紀の作家の著作が人に特別な能力を 与えるということを知った人々で形成された いわゆる「図書館」…

バットマン 究極の悪

アンドリュー・ヴァクス/著 佐々田雅子/訳 早川書房 タイトルどおりバットマンの物語。 でも児童虐待の加害者をやっつける物語なところが アドリュー・ヴァクスなのだった。 前半はゴッサムシティでの活躍だが、 後半は東南アジアにある架空の国でバットマン…