2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

六号病棟・退屈な話(他5篇)

チェーホフ/著 松下裕/訳 岩波文庫 <収録作品> 『脱走者』『チフス』『アニュータ』 『敵』『黒衣の僧』『六号病棟』 『退屈な話』 医者が主役級役割をもつ話ばかりを収録した短篇集。 『六号病棟』が文庫で読めるのが嬉しい。 『退屈は話』など老成してる…

小説探偵GEDO

桐生祐狩/著 早川書房 現実と本の世界を自由に行き来できるという 特殊能力を持つ主人公という設定や、 各章の表紙がその中で登場する 本のタイトルと著者名になっている等仕掛けがいろいろ面白い。 この中の世界のモラルはおいといて。 関連して、アンドリ…

ルーズベルトの刺客

西木正明/著 新潮文庫 太平洋戦争前夜の<魔都>上海を舞台に巡る ルーズベルト暗殺計画への陰謀。 満州の一部にユダヤ人国家建設という案があったらしいのが驚きだ。 ルーズベルト暗殺計画に関わる人物らと関わっていながらも、 戦争とほとんど無縁で過ごし…

富士

武田泰淳/著 中公文庫 精神病院が舞台の小説。時代設定が戦時中という特殊な状態な中の 病院生活というのが医者の目から書かれているのが面白い。 特に後半からの自称宮様が起こした不敬事件後からの流れが凄まじい。 死を書いてるのに生命力が強いイメージ…

後藤さんのこと

円城塔/著 早川書房 <収録作品> 『後藤さんのこと』『さかしま』『考速』 『The History of the Decline and Fall Of the Galactic Empire』 『ガベージコレクション』『墓標天球』 <想像力の文学>。 文章にのって流れるままに読むタイプの小説ではない…

おひとりさま物語 第2巻

谷川史子 講談社 2巻。「おひとりさま」といってもいろいろ。 とうとう人妻も出てきてしまったので もうなんでもあり? 前向きな話が多いので良かったけどね。

ゴリオ爺さん

バルザック/著 平岡篤頼/訳 新潮文庫 バルザックの小説群<人間喜劇>の代表作。 ゴリオ爺さんがメインというよりも、同じ下宿に住む学生 ラスティニャックが主役。 ゴリオ爺さんの末路は悲惨ではあるけれど、 全体の流れはコメディといってもいいくらい。 …

諸星大二郎 ナンセンスギャグ漫画集 珍、妙の巻

諸星大二郎 ジャイブ 1970~80年代のショート短篇がメインで収録。 ナンセンスというよりもシュールすぎ作品の方が多いかも。

総統の子ら

皆川博子/著 集英社 ヒトラー・ユーゲントの末路を書いた歴史小説。 幻想小説で書かれるのかなあと思ったら全くそんなことなく。 戦争の残虐さがヒトラー・ユーゲントの側の立場から とことん書かれている。