2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

夜のリフレーン

皆川博子/著 KADOKAWA 過去単行本で未収録だった24編の短編集。装丁が収録された幻想的なストーリーに合っている。

のぞきめ

三津田信三/著 角川書店 異なる時代・同じ場所で起こった二つの怪異についての手記。前半の手記の怪異は純粋に怖すぎる。純粋な怪異もの。後半の手記は前半の手記より時代は遡り全く独立した話だが前半の怪異が起こる原因らしきものが伺える。最後に著者自身…

スリープウォーカー

ジョセフ・ノックス/著 池田真紀子/訳 新潮文庫 エイダン・ウェイツシリーズ3作目。本作でひと段落か。余命わずかな一家殺人の犯人が派手な殺され方をされ、サティも重傷を負う。2作目で登場したブラック巡査と組むことに。捜査と並行して、ウェイツの課題と…

笑う死体

ジョセフ・ノックス/著 池田真紀子/訳 新潮文庫 エイダン・ウェイツシリーズ2作目。前作でちょっと出た相棒サティが強烈なキャラクターとなってウェイツと絡んでいる。休業中のホテルで発見された死体の謎を追うという1作目とは少しテイストが変わる。本編に…

アニーはどこにいった

C・J・チューダー/著 中谷友紀子/訳 文藝春秋 デビュー作と同様、40代男性英語教師が主人公。(著者は女性)廃れた元炭鉱町で起こった殺人事件は過去に起こった主人公の妹失踪事件と関連している?物語はミステリ風であるが、結末はホラー色がより強くなって…

堕落刑事

ジョセフ・ノックス/著 池田真紀子/訳 新潮文庫 ノワール警察小説。主人公のマンチェスター市警所属のエイダン・ウエィツが麻薬の潜入捜査と並行して家出中の議員の娘と接触するが。主人公自身もスピードを接種していたりするが悪そのものに堕落はしていなか…

男たちを知らない女

クリスティーナ・スウィーニー=ビアード/著 大谷真弓/訳 ハヤカワ文庫SF 男性だけ発症し生存率10%の疫病で世界が変革する。コロナに影響されたかのような物語であるが、2018年執筆らしいのでそうではない。タイトルで「女」と複数形ではないのは謎。「男た…

ハクメイとミコチ 第11巻

樫木祐人 KADOKAWA 頭を空っぽにさせて安心して読める。作中の時間は少しずつ進んでいてハクメイたちも成長をしている。

マタギ

矢口高雄 ヤマケイ文庫 昭和30年代? の秋田在住のマタギの短編漫画集。鷹匠の話のみノンフィクション。表紙にいる三四郎をはじめとする各マタギの物語は生と死とは何かを考えされられる。とはいえ後半でツチノコが出てくる話以降からトンデモファンタジー展…

調教部屋

ポール・フィンチ/著 対馬妙/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 邦訳タイトルが詐欺、被害者は調教されない。まあされても酷いけどもっと酷いことになっているが。イギリスミステリで、主人公が事件を追う刑事。それに協力するのが元兵士の女性。この二人が出会うあ…

二度死んだ少女

ウィリアム・K・クルーガー/著 野口百合子/訳 講談社文庫 元保安官コークのシリーズもの。とはいえ他は未読だが特に問題なく読める。過去、主人公コークの家庭が崩壊寸前だったようだが、本作では非常に良好だった。対して作中で起こる事件の過程や結末はハ…

白墨人形

C・J・チューダー/著 中谷友紀子/訳 文春文庫 子ども時代(1986年)と大人になった現代(2016年)の章が交互に構成されている。スティーヴン・キングの『IT』風だなと思いつつ読んでいたが、実際、キングの影響が大きいホラーミステリだった。過去や現代で殺…

ヘーゼルの密書

上田早夕里/著 光文社 まさかの歴史もの。1930年代の中国にて、日中和平工作のために奮闘する人々の物語。実際の歴史エピソードにフィクションを絡めている。主人公の通訳者である日本女性のスミもそうだが、中国人側の女性たちも芯があって強いところが著者…

八甲田山 消された真実

伊藤薫/著 ヤマケイ文庫 小説や映画にもなった、明治時代の八甲田雪中行軍遭難事件について調査したノンフィクション。元自衛隊員で八甲田雪中演習も体験しているので、装備不備や行軍のつらさなどは実感として書かれている。ただし、文章が読みづらくて頭に…