2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

1978年のまんが虫

細野不二彦 小学館 細野不二彦の自伝漫画。こういう時代背景も含めた自伝好き。慶應大学(作中では「丘の上大学」)に通いながら「スタジオぬえ」とも関わり、漫画家デビューすると書くと順調そうな人生であるが、一方家庭やプライベートの暗さなども描かれ…

われらが痛みの鏡 上・下

ピエール・ルメートル/著 平岡敦/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 三部作完結。二つの大戦間の物語。本作では、2作目に出ていた少女ルイーズが大人になって登場。彼女の物語を中心として、脱走兵になった二人の青年や稀代の詐欺師などの話が交互に語られ後半で同…

日時計

シャーリイ・ジャクスン/著 渡辺庸子/訳 文遊社 シャーリイ・ジャクスンの既刊本の長編2作と同様、お屋敷が舞台。世界が終わるが屋敷内にいれば助かるという「お告げ」が起こる。最後唐突に終わるので世界は本当に終わったのかは不明。ホラー風味な部分もあ…

魔術師の夜 上・下

キャロル・オコンネル著 務台夏子/訳 創元推理文庫 マロリーシリーズ5作目。他は既読だが本作だけ抜けていてやっと読了。たびたび名前が出ていた、チャールズの従兄であるマジシャンのマックスの仲間だった老人たちの現代と過去の事件。マラカイにマロリーが…

暗鬼夜行

月村了衛/著 毎日新聞出版 いや怖かった、現実ぽい内容で。読書感想文盗作疑惑事件を発端に、LINEを始めとした噂操作、学校統廃合の騒動など続々と問題が発生し主人公が社会的に抹殺されるに近いラストへ向かう。

忌名の如き贄るもの

三津田信三/著 講談社 刀城言耶シリーズ第11作目。忌名儀礼に関する殺人事件民俗学部分がミステリに落とし込めている。冒頭の儀式の話でふと思ったいやな想像が伏線となってホラーオチに繋がるとは。

喪失の冬を刻む

デイヴィッド・ヘスカ・ワンブリ・ワイデン/著 吉野弘人/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 アメリカはサウスダコタの居留地に住む主人公。日本では馴染みが薄い、アメリカ先住民の現代生活描写が新鮮。先住民内でも同じ部族同士ではない結婚で生まれた子どもは混血…

パリのアパルトマン

ギヨーム・ミュッソ/著 吉田恒雄/訳 集英社文庫 タイトルと設定だけだとロマンチックミステリのようだが、いろいろ狂っている話だった。天才画家の死の謎を追っていくうちに主人公二人の悩みや過去も重なっていく。終わり方がフランスミステリぽい。

統合失調症の一族

ロバート・コルカー/著 柴田裕之/訳 早川書房 ノンフィクション。12人の子どもかつ下の2人以外は男というのもびっくりだが、うち兄弟6人が次々と統合失調症を発症してしまう。しかし病気だけではなく暴力半端ない兄弟喧嘩や、妹たちへの性的虐待など問題が多…

幻のハリウッド

デイヴィッド・アンブローズ/著 渡辺庸子/訳 創元推理文庫 ハリウッドをテーマにした不気味で奇妙な内容ばかりの短編集。まあ、ハリウッドというものは奇々怪界なイメージだからどんなことがおこっても違和感はない。

女の園の星 第3巻

和山やま 祥伝社 カレーと三者面談の話がすごく面白かった。人前でご飯が食べられない生徒の話は深刻な話なはずなのに笑える。

降る森の犬

馳星周/著 集英社文庫 初期の作品しか読んだことなかったので、ノワール路線ではない本作に新鮮な驚きを覚えた。犬を通しての女子中学生の成長物語。蓼科の自然やワルテル(犬)の描写が素晴らしい。

北斗 ある殺人者の回心

石田衣良/著 集英社 女性二人を殺害した北斗。幼少時から殺人、裁判までの人生が語られるがなんとも理不尽すぎる。殺人はアウトだが加害者に同情する部分もあったり複雑な気持ちにさせられるばかりだった。

ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介

川瀬七緒/著 講談社 別の法医昆虫学捜査官シリーズのように、解剖学と服飾に詳しい変わった職業の専門家が探偵役をつとめる。人気出たら続編でそう。事件については社会問題が取り入れられていて悲しい結末だった。

天冥の標X 青葉よ、豊かなれ

小川一水/著 ハヤカワ文庫JA 読み始めから想像もつかないスケールが大きい物語だったが、大団円できれいに完結。良かった良かった。イサリが持っていた本がもしやと思ったら、やはり青葉が絡んでいた!