2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ジョゼと虎と魚たち

田辺聖子/著 角川文庫 <収録作品> 『お茶が熱くてのめません』『うすうす知っていた』『恋の棺』 『それだけのこと』『荷造りはもうすませて』『いけどられて』 『ジョゼと虎と魚たち』『男たちはマフィンが嫌い』『雪の降るまで』 田辺聖子の本久々に読了…

海を見る人

小林泰三/著 早川書房 <収録作品> 『時計の中のレンズ』『独裁者の掟』『天国と地獄』 『キャッシュ』『母と子と渦を旋る冒険』 『海を見る人』『門』 ジャンルとしてはハードSF短篇集。 ハードSFとしては読みやすい方だと思う。 ヤスミンというとホラーだ…

寒い国から帰ってきたスパイ

ジョン・ル・カレ/著 宇野利泰/訳 ハヤカワ文庫NV 今さながら初読了。 冷戦時代(1960年代)の東ドイツとイギリスとの 諜報部の闘いを描く。 ベルリンの壁崩壊当時のことは憶えてるとはいえ、 現代からだとソ連だとか、ベルリンの壁だとか もう歴史上のお話…

世紀末サーカス 異形コレクション14

井上雅彦/監修 廣済堂文庫 <収録作品> 『天幕と銀幕の見える場所』芦辺拓 『我は伝説』石田一 『黒い天幕』太田忠司 『夢の中の宴』倉阪鬼一郎 『頭ひとつ』草上仁 『砂の獣』奥田哲也 『たまのり』山下定 『マイサーカス』江坂遊 『暖かなテント』藤田雅…

記憶の食卓

牧野修/著 角川書店 とある名簿に記された人物が次々に 殺害もしくは自殺をしていた。 自らも名簿に記載されていた名簿屋が謎を追うが……。 カバーあらすじでは、 個人情報の漏洩の部分を強調しているが本編では 実際はたいして問題になっていない。 むしろ、…

光の雨

立松和平/著 新潮社 まずは雑誌連載当時、盗作問題で話題になったということで有名か。 一応、本編は書き直しをしたもの。 中は連合赤軍事件をベースにしたもので、 『十六の墓標』『あさま山荘1972』の著作が元。 『<盗作>の文学史』に詳細は書かれている…

狂王の庭

小池真理子/著 角川文庫 妹の婚約者で夫の従弟と恋に落ちた人妻の 恋愛物語。 昭和27年の国分寺に ルートヴィヒ二世に魅せられて全財産をかけて 戦後それほどたってない頃なのに 豪華な西洋庭園を造った過程とその庭の描写が 執拗に何度も出て来る。 物語の…

月光条例 第5巻

藤田和日郎 小学館 月光が違法執行者扱いされ、 正式執行者としてトショイイン(表紙の女の子)が指名されてた。 ということで、またもや新キャラが登場。 ちょっと勢いが出てきた? でも、事件が解決すると事件で破壊されたものも修復されるし、 被害等人間…

スイート・リトル・ベイビー

牧野修/著 角川ホラー文庫 第6回日本ホラー小説大賞佳作。 ちなみにこの時の大賞は岩井志麻子『ぼっけえ、きょうてえ』。 佳作とはいえ、内容は高レベルだ。 児童虐待とサイコパスと<天使>と呼ばれるモノの存在と 詰め込みぎみな感じもするが、ちゃんと着…

分解された男

アルフレッド・ベスター/著 沼沢洽治/訳 創元SF文庫 いわくテンソル…… ベスター初長編作にして第1回ヒューゴー賞受賞。 23世紀、テレパシーを使える超能力者がいる社会で 完全犯罪を目論むライク(超能力なし)に対し、 彼を犯罪を暴こうとするニューヨーク…

魔障岳 妖怪ハンター

諸星大二郎 講談社 文庫になってない稗田礼二郎こと妖怪ハンターシリーズの本。 しかも長編じゃないか。 21世紀になってから描かれた作品なので 稗田先生が普通に携帯を使っていたり、 御託宣がラップでするとかモロ先生ノリノリ? 稗田先生は傍観者が基本で…

パチ漫三国志 かわかずお作品集 第2巻

かわかずお 洋泉社 これの1巻も気になっているけど店頭では見つからないです。 見つけたら買う予定。 漫画好きなら誰でも知っている話をパロディ化した作品。 すげえ笑える……! 表題作になっている『三国志』なんて 元ネタ漫画の名場面を見ても、こっちのキャ…

マンガ家田中K一がゆく!

田中圭一 角川書店 作者本人はサラリーマン兼漫画家で有名。 その事実と虚実を上手く混ぜ合わせたストーリー漫画。 話を作る際の方法論とかも描かれていて、 過去の作品も計算された手法だったと知って驚き。 そして、本編は下ネタで始まっているのは相変わ…

トロピカル 異形コレクション11

井上雅彦/編 廣済堂文庫 <収録作品> 『願い』島村洋子 『みどりの叫び』奥田哲也 『屍船』倉阪鬼一郎 『緑色の褥』安土萌 『蜜月旅行』北原尚彦 『罪』早見裕司 『マバヤカ』毛利元貞 『赤道の下に罪は』本間祐 『夢を見た』榛原朝人 『オヤジノウミ』田中…

謎解き少年少女世界の名作

長山靖生/著 新潮社新書 子供の頃には必ず触れる海外の名作児童文学の 評論本。結構時代背景に反映された話が多いんだな というのがこの本を読むとよく理解できる。 もっとページが欲しいくらいだ。 新書って入門書的なので手軽だけど薄すぎ。

宇宙舟歌

R・A・ラファティ/著 柳下毅一郎/訳 国書刊行会 ラファティ最初期の長編作品。 内容はずばり宇宙版『オデュッセイア』。 でも、元ネタ知らなくても楽しめるよ。 ほらふき作家と呼ばれるだけあって、 船員たちが死んだり生き返ったり食べられたり 舌を引っこ…

忘却の船に流れは光

田中啓文/著 早川書房 ダンテ『神曲』のごとく<地獄篇><煉獄篇><天国篇>の 三部で構成されている。 悪魔の襲来によって滅びた世界。生き残った子らのために 主は5つの階層に分けた閉鎖都市を構築。 また、子らは「聖職者(すさのおいや)」「警防者(…

傀儡后

牧野修/著 早川書房 Jコレクションの版型で読了。 文庫版はなんで表紙にだまされたと言う人が続出しそうな ラノベ風なんですか、早川書房さん? 隕石落下で壊滅状態になってから20年たった 大阪が舞台。(大阪弁しゃべってるのほとんど出ないが) 一応三人称…