2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

レジスタンス女性の手記

アニエス・アンベール/著 石橋正孝/訳 東洋書林 フランス人女性による第二次世界大戦時の回想記。 実際のレジスタンス活動については前半少しだけで、 残りは政治犯としてナチスドイツに逮捕されて 刑務所送りになって解放されるまでのことが大半である。 こ…

マーチ家の父

ジェラルディン・ブルックス/著 高山真由美/訳 武田ランダムハウスジャパン 『若草物語』のマーチ家の父親の視点で構成された 別の『若草物語』。南北戦争についての歴史小説とも読める。 一見、奴隷廃止主義者のマーチ夫妻はとても高潔に見えるが、 案外肉…

東京難民

福澤徹三/著 光文社 地方から東京へ状況したお気楽大学生。 知らないうちに、両親が蒸発した上学費未納で大学除籍になって 居場所をなくしていきどんどん転落していく。 主人公が甘ったれというか「ゆとり」性格なので 物語後半になるまでイライラしどおし…

八番筋カウンシル

津村記久子/著 朝日新聞出版 郊外の商店街の人間関係のうっとおしさや閉鎖感が リアルに感じられて少し暗い気分になる。 それに、離婚した親の転落ぶりもありえそう。

呪い歌 長い腕II

川崎草志/著 角川文庫 今年になって突然出た『長い腕』の続編。 前作から数ヶ月後の設定で作中では時間がそれほど進んでない。 「かごめ歌」が不吉な前兆として扱われているが その辺は論理的理由はなくホラー的。 過去編(なぜか若き勝海舟が主役)と現代編…

トランス=アトランティック

ヴィトルド・ゴンブローヴィッチ/著 西成彦/訳 国書刊行会 現代ポーランド文学ものと珍しいものを読んだ。 アルゼンチンに旅行で立ち寄った直後に、 ナチスのワルシャワ侵攻で第二次世界大戦が勃発。 そのため帰国できなくなった著者の体験を元に書かれた小…

タイタニックは沈められた

ロビン・ガーディナー、ダン・V・ヴァット/著 内野儀/訳 集英社 タイタニック号沈没は保険金目当てで 意図的だったという推測のもとに書かれた本。 タイタニック号は本当は別の船にすりかえられていたとかが 陰謀論ものじゃないのに陰謀論風。

透明な対象

ウラジーミル・ナボコフ/著 若島正、中田晶子/訳 国書刊行会 ナボコフ遺作の前の作品。 うーむ、複雑。 ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』が下敷きになってるからか。 最初のヒュー・パーソンの名前に関する文章はユーモアあって笑えた。 なので、出だし…

長い腕

川崎草志/著 角川書店 文庫版も出てます。 横溝正史賞の大賞受賞作。 2001年の作品なのに、最近話題になっているようだと 思ったら、本作の続編(三部作の予定らしい!)が今年の9月に出たからのようだ。 ちなみに、続編の特集サイトがあるが本作のネタバレす…

夫の彼女

垣谷美雨/著 双葉社 タイトルや出だしからだと不倫ドロドロ系か? というイメージだが、内容はコメディというかいい話系。 人格入れ替わりが謎の老女の魔法によるところが ファンタジーなのか?

海のトリトン 全2巻

手塚治虫 講談社手塚治虫文庫全集 アニメバージョンもちゃんと観た事ない。 トリトンは、もう少し見た目が幼いまま進むのかなと思っていたら 身体の成長が早いので驚いた。ピピ子がエロ可愛い……! 内容は手塚らしい展開なので予想外の方向にはいかず。

百鬼夜行抄 第13巻

今市子 朝日新聞出版文庫 青嵐との契約が終了したけどまだ続くのね。 どんどん話がわかりづらくなっているが、今回のはそれほどでも。 律に対して頼ってきている人が増えてるのが少々うっとおしいが。

平凡倶楽部

こうの史代/著 平凡社 漫画も載っているが、エッセイということになっているので カテゴリは「漫画の記録」の方にしないことにした。 Web連載されていたもので、読み逃し回もあったので。 毎回毎回凝り過ぎな内容で書く方も大変だろうが、 読む方も大変であ…

るべどの奇石 第2巻

室井まさね 集英社 次は出てないようなのでこれで完結なのかな? 石に関わる人に余計な欲や悪意がない限りは いい話で終わる事が多いので安心して読む事ができる。

昭和元禄落語心中 第3巻

雲田はるこ 講談社 過去編が長く、与太郎の存在を忘れてしまうので 次巻が出すのをもっと早くして欲しい。 いや、過去編も面白いんだけど。

アフター・ザ・レッド

朝山実/著 角川書店 漫画『レッド』に影響を受けた、モデルの人物たちへのインタビュー集。 しかし、ここでインタビューされた人たち以外の元連合赤軍メンバーの大半は 未だに表向き語れないのだろうか。

オレンジだけが果物じゃない

ジャネット・ウィンターソン/著 岸本佐知子/訳 国書刊行会 著者の自伝小説。その中に寓話が挿入された構成。 ユニークな表現で子ども時代を書いているが、 実際は深刻な内容だなと思う。 宗教キ●ガイな母親および教会の人に育てられていたって 虐待ものだよ…

七十歳死亡法案、可決

垣谷美雨/著 幻冬舎 タイトルが重い、近未来日本IF小説。 重いテーマであるが、ある一家を中心に書かれていて 話の方向の予測がつきやすいためか案外サクサク読める。

わたしが出会った殺人者たち

佐木隆三/著 新潮社 無名(とっていいのかな?)犯罪者の話もあるが、 大体は誰もが知っている事件の死刑囚との話が多め。 直接対話しているものが多いがもっと深く切り込んでもよかったのでは。