2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

怒りの葡萄

(上)(下) スタインベック/著 大久保康雄/訳 新潮文庫 とっかかりが読みづらかったが、慣れれば問題なし。 文句なしの名作。 20世紀前半の世界大恐慌時代のアメリカ失業問題の話なのだよね。 ジョードー一家は葡萄摘みの仕事はしていなかったので、 タイ…

エマ 第2巻

森 薫 エンターブレイン 2巻になって物語が動いてきた。 登場人物の心情の流れが押さえ気味で描かれているので、 それがわかりにくい時もあるかも。 掲載雑誌の『ビーム』はどちらかというと ターゲットが男性向けな気がするのだが、 『エマ』は少女漫画だよ…

大いなる幻影・華やかな死体―江戸川乱歩賞全集(4)

講談社文庫 『大いなる幻影』戸川昌子 『華やかな死体』佐賀 潜 前者は奇妙な味系サスペンスで 後者が法廷物と種類は違うが どちらもレベル高いねえ、同時受賞も納得。 しかも、最終選考で 『虚無への供物』中井英夫と 『陽気な容疑者たち』天藤 真がいたな…

山の音

川端康成 新潮文庫 昭和20年代が舞台で、 鎌倉の季節によって色合いが異なる自然風景の描写は美しい。 いいのは文章くらい? これを読む限り、登場人物の年齢はプラス10歳加算を イメージで読まないとつかみにくい。 ここで書かれる家族は、 穏やかな雰囲気…

楽しみは創り出せるものよ ターシャ・チューダーの言葉2

ターシャ・チューダー/文 リチャード・W・ブラウン/写真 食野雅子/訳 メディアファクトリー ターシャ・チューダーは、ケイト・グリーナウェイ系の絵を描く人で、 21世紀の現在、18世紀様式の生活を実践している、 というただ者ではないおばあさんの言葉と…

荊の城

(上)(下) サラ・ウォーターズ/著 中村有希/訳 創元推理文庫 『半身』よりこちらのほうが好き。 かなり分厚かったけどだれることなく読めた。 途中で予測できたところは第一部の部分までだった。 あとは予測もつけずに読むしかなかったよ。 下層社会や当…

わたしが好きな和の生活

きくちいま 河出書房新社 今回は、着物の本ではなくて、簡単にすぐできる 和素材生活な本。 内容はいいのだけど、 子供さんの写真出さないほうがいいのでは……。

長い道

こうの史代 双葉社 この人の本来の路線はこちらなのだろうな、と思わせる。 1話3ページか4ページ内のショートショートの漫画で、 いろいろ実験的な話もあります。 それにしても、この人の絵は平成の時代に書かれているのに いい意味あいで、昭和の香りがする…

風にのってきたメアリー・ポピンズ

P.L.トラヴァース/著 林容吉/訳 岩波少年文庫 映画のせいか、口で言うと「メリー・ポピンズ」ってなるよね。 久しぶりに読んだけど、彼女がナルシストだったのには 前は気づかなかったよ。

わが愛の税務署―自選短篇集〈6〉ブラック・ユーモア現代篇

筒井康隆 徳間文庫 <収録作品> 『融合家族』『コレラ』『旗色不鮮明』 『公共伏魔殿』『わが愛の税務署』『地獄図日本海因果』 『晋金太郎』『廃塾令』 (5)に比べて、こちら現代篇の方が、実際の事項をネタに しているのでブラック度は高いと思う。 『融…