2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧
西村賢太/著 新潮社 <収録作品> 『苦役列車』『落ちぶれて袖に涙のふりかかる』 表題は前回の芥川賞受賞作。 私小説ものだけど、大半の人は不快に感じそうな話。 ここで書かれている時代がバブルの頃だとは 作者の年齢を見ないと到底気づかないだろうなあ。…
大島弓子 白泉社文庫 なぜだかどうしても読みたくなったので。15年ぶりかな? やはり、第1話が一番面白い。 重要な登場人物が勢揃いするし。 お母さんがチビ猫を抱きしめるシーンが感動。 絵柄が可愛いけれど、内容は砂糖菓子じゃないところが 油断ならない…
ロバート・K・ウィットマン、ジョン・シフマン/著 土屋晃、匝瑳玲子/訳 柏書房 読み応えたっぷりなノンフィクション。 盗難美術専門の元FBI捜査官の回想録。 和訳が、昔流行した『FBI心理分析官』を連想させてしまう (しかもロバート・K・レスラーって人名…
サミュエル・R・デュレイニー/著 浅倉久志/他訳 早川書房 <収録作品> 『疑いと夢について』 『プリズマティカ』ジョン・ピーラード/画 『コロナ』ジョン・コリアー/画 『エンパイア スター』ジョン・ジュード・パレンカー/画 『時は準宝石の螺旋のように』…
犬童千絵 エンターブレイン うん、フェローズ系作家さんらしい絵柄だよなと思う。 結構ベタな人情話ものだが、絵柄にあってていいと思う。 ただ、帯が内容を煽りすぎなのがもったいない。 長男次男は確かに不良だけど、 三男は見た目が怖いだけで別に冷淡で…
篠原ウミハル 芳文社 児童書専門の私設図書館の司書・御子柴を 中心にした本と人生にまつわるストーリー。 各話で紹介される児童書は有名なものばかりだし、 御子柴はかなり癖ある人物だが、余計な蘊蓄は語ったりもしないので 鼻にもつかず割と素直に読めた。
ティモシー・ライバック/著 赤根洋子/訳 文藝春秋 タイトルが大げさだが、内容はいたって真面目な歴史書。 ヒトラーが所蔵していた本がどうヒトラーに影響を与えたのか考察している。 子供時代は特に反ユダヤ系の家庭で育っていたわけでもなく 特にユダヤ人…
藤田和日郎 小学館 半分くらいエンゲキブの裸のシーンなのに エロさがないのはなぜだろう。後半も下ネタありなのに。 もう作風か? 久々に月光主役が登場! まとめに突入なのかな、 とこのところは思うのだがまだまだ難関はありそうでもある。
リュドミラ・ウリツカヤ/著 沼野恭子/訳 新潮社 地味な女の一生記なのに、 ソーネチカの心の美しさのためか美しく静謐な物語に仕上がっている。 異常事態のエピソードさえ、ソーネチカの非凡な態度で下世話にならないとは。
ダニエル・キイス/著 駒月雅子/訳 早川書房 キイスでスパイスリラーって違和感があったけれど、 実際内容はそうでもなかったな。 境界性人格障害と演技性人格障害の病を抱える若い女性が主人公。 いつもだと心の内面を主として書いているのだが、 今回はテロ…
五島勉/著 祥伝社 手元になぜかあったので読んでみた。 ところで五島勉って今何してるのかなー(調べる気なし)。 たぶんノストラダムスの1999年もの以外のネタも出そうとしたと思われる。 ヒトラーの『我が闘争』の中にある予言めいた内容を元に構成された…
ギュンター・グラス/著 池内紀/訳 集英社 世界でも類をみない悲惨だった船難事件なのに最近までタブーだったらしい ヴィルヘルム・グストロフ号事件を題材にした小説。 事件当時と現在の出来事が蟹の横歩きのように 行ったり来たりとして全容をつかむのがわ…
那須正幹/著 ポプラ社 しばらく中年版は読んでなかったのだけど 最新刊の46を読むためにこっちを読む。 『ズッコケ山賊修行中』の続編といった感じだけど 突っ込みどころ満載だよ、那須先生!! 以下、ネタバレ含む内容
岡田屋鉄蔵 太田出版 表紙も粋でカッコいいけれど中身も素敵。 ちょうど今年は国芳没150年の「国芳展」に行った後の読了なので余計余韻に残った。 弟子たち、漫画も皆男前だけど国芳自身の絵でも男前なんだよね。 国芳は主役ではないけど、絵も人柄も暖かい…
アレックス・シアラー/著 金原瑞人/訳 求龍堂 大人も読めるYA小説。 素直にいい話だなー、と思う物語。 生者と死者との間でのやり残したことを 達成したところが泣ける。
古川日出男/著 集英社 長い長い。リズムがとれるまでは読むのが難しかったし 原稿用紙にして2000枚かー。冬休みに読んで正解だった。 東北地方の歴史と異能の一族である狗塚家の歴史を絡めて書かれている。 狗塚家ともう一つの異能の一族・冠木家の先祖はど…