C・J・チューダー/著 中谷友紀子/訳 文藝春秋 デビュー作と同様、40代男性英語教師が主人公。(著者は女性)廃れた元炭鉱町で起こった殺人事件は過去に起こった主人公の妹失踪事件と関連している?物語はミステリ風であるが、結末はホラー色がより強くなって…
ジョセフ・ノックス/著 池田真紀子/訳 新潮文庫 ノワール警察小説。主人公のマンチェスター市警所属のエイダン・ウエィツが麻薬の潜入捜査と並行して家出中の議員の娘と接触するが。主人公自身もスピードを接種していたりするが悪そのものに堕落はしていなか…
クリスティーナ・スウィーニー=ビアード/著 大谷真弓/訳 ハヤカワ文庫SF 男性だけ発症し生存率10%の疫病で世界が変革する。コロナに影響されたかのような物語であるが、2018年執筆らしいのでそうではない。タイトルで「女」と複数形ではないのは謎。「男た…
樫木祐人 KADOKAWA 頭を空っぽにさせて安心して読める。作中の時間は少しずつ進んでいてハクメイたちも成長をしている。
矢口高雄 ヤマケイ文庫 昭和30年代? の秋田在住のマタギの短編漫画集。鷹匠の話のみノンフィクション。表紙にいる三四郎をはじめとする各マタギの物語は生と死とは何かを考えされられる。とはいえ後半でツチノコが出てくる話以降からトンデモファンタジー展…
ポール・フィンチ/著 対馬妙/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 邦訳タイトルが詐欺、被害者は調教されない。まあされても酷いけどもっと酷いことになっているが。イギリスミステリで、主人公が事件を追う刑事。それに協力するのが元兵士の女性。この二人が出会うあ…
ウィリアム・K・クルーガー/著 野口百合子/訳 講談社文庫 元保安官コークのシリーズもの。とはいえ他は未読だが特に問題なく読める。過去、主人公コークの家庭が崩壊寸前だったようだが、本作では非常に良好だった。対して作中で起こる事件の過程や結末はハ…
C・J・チューダー/著 中谷友紀子/訳 文春文庫 子ども時代(1986年)と大人になった現代(2016年)の章が交互に構成されている。スティーヴン・キングの『IT』風だなと思いつつ読んでいたが、実際、キングの影響が大きいホラーミステリだった。過去や現代で殺…
上田早夕里/著 光文社 まさかの歴史もの。1930年代の中国にて、日中和平工作のために奮闘する人々の物語。実際の歴史エピソードにフィクションを絡めている。主人公の通訳者である日本女性のスミもそうだが、中国人側の女性たちも芯があって強いところが著者…
伊藤薫/著 ヤマケイ文庫 小説や映画にもなった、明治時代の八甲田雪中行軍遭難事件について調査したノンフィクション。元自衛隊員で八甲田雪中演習も体験しているので、装備不備や行軍のつらさなどは実感として書かれている。ただし、文章が読みづらくて頭に…
細野不二彦 小学館 細野不二彦の自伝漫画。こういう時代背景も含めた自伝好き。慶應大学(作中では「丘の上大学」)に通いながら「スタジオぬえ」とも関わり、漫画家デビューすると書くと順調そうな人生であるが、一方家庭やプライベートの暗さなども描かれ…
ピエール・ルメートル/著 平岡敦/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 三部作完結。二つの大戦間の物語。本作では、2作目に出ていた少女ルイーズが大人になって登場。彼女の物語を中心として、脱走兵になった二人の青年や稀代の詐欺師などの話が交互に語られ後半で同…
シャーリイ・ジャクスン/著 渡辺庸子/訳 文遊社 シャーリイ・ジャクスンの既刊本の長編2作と同様、お屋敷が舞台。世界が終わるが屋敷内にいれば助かるという「お告げ」が起こる。最後唐突に終わるので世界は本当に終わったのかは不明。ホラー風味な部分もあ…
キャロル・オコンネル著 務台夏子/訳 創元推理文庫 マロリーシリーズ5作目。他は既読だが本作だけ抜けていてやっと読了。たびたび名前が出ていた、チャールズの従兄であるマジシャンのマックスの仲間だった老人たちの現代と過去の事件。マラカイにマロリーが…
月村了衛/著 毎日新聞出版 いや怖かった、現実ぽい内容で。読書感想文盗作疑惑事件を発端に、LINEを始めとした噂操作、学校統廃合の騒動など続々と問題が発生し主人公が社会的に抹殺されるに近いラストへ向かう。
三津田信三/著 講談社 刀城言耶シリーズ第11作目。忌名儀礼に関する殺人事件民俗学部分がミステリに落とし込めている。冒頭の儀式の話でふと思ったいやな想像が伏線となってホラーオチに繋がるとは。
デイヴィッド・ヘスカ・ワンブリ・ワイデン/著 吉野弘人/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 アメリカはサウスダコタの居留地に住む主人公。日本では馴染みが薄い、アメリカ先住民の現代生活描写が新鮮。先住民内でも同じ部族同士ではない結婚で生まれた子どもは混血…
ギヨーム・ミュッソ/著 吉田恒雄/訳 集英社文庫 タイトルと設定だけだとロマンチックミステリのようだが、いろいろ狂っている話だった。天才画家の死の謎を追っていくうちに主人公二人の悩みや過去も重なっていく。終わり方がフランスミステリぽい。
ロバート・コルカー/著 柴田裕之/訳 早川書房 ノンフィクション。12人の子どもかつ下の2人以外は男というのもびっくりだが、うち兄弟6人が次々と統合失調症を発症してしまう。しかし病気だけではなく暴力半端ない兄弟喧嘩や、妹たちへの性的虐待など問題が多…
デイヴィッド・アンブローズ/著 渡辺庸子/訳 創元推理文庫 ハリウッドをテーマにした不気味で奇妙な内容ばかりの短編集。まあ、ハリウッドというものは奇々怪界なイメージだからどんなことがおこっても違和感はない。
和山やま 祥伝社 カレーと三者面談の話がすごく面白かった。人前でご飯が食べられない生徒の話は深刻な話なはずなのに笑える。
馳星周/著 集英社文庫 初期の作品しか読んだことなかったので、ノワール路線ではない本作に新鮮な驚きを覚えた。犬を通しての女子中学生の成長物語。蓼科の自然やワルテル(犬)の描写が素晴らしい。
石田衣良/著 集英社 女性二人を殺害した北斗。幼少時から殺人、裁判までの人生が語られるがなんとも理不尽すぎる。殺人はアウトだが加害者に同情する部分もあったり複雑な気持ちにさせられるばかりだった。
川瀬七緒/著 講談社 別の法医昆虫学捜査官シリーズのように、解剖学と服飾に詳しい変わった職業の専門家が探偵役をつとめる。人気出たら続編でそう。事件については社会問題が取り入れられていて悲しい結末だった。
小川一水/著 ハヤカワ文庫JA 読み始めから想像もつかないスケールが大きい物語だったが、大団円できれいに完結。良かった良かった。イサリが持っていた本がもしやと思ったら、やはり青葉が絡んでいた!
月村了衛/著 早川書房 <収録作品>『火宅』『焼相』『輪廻』『済度』『雪娘』『沙弥』『勤行』『化生』 機龍警察シリーズのサイドストーリー的短編集。こうしてみると話を作りやすい登場人物とそうでない登場人物に分かれている。姿や沖津みたいなのは短編…
アーナルデュル・インドリダソン/著 柳沢由実子/訳 東京創元社 アイルランドミステリ、エーレンデュル捜査官シリーズ6作目。サマーハウスで自殺した女性の事件を調査する傍ら、古い失踪事件も追う。 別々の事件ではあるがとあることがきっかけで一気に解決の…
小川一水/著 ハヤカワ文庫JA 9巻。物語の全体像がわかってきて、登場人物たちにも、真の敵がわかって読者視点と近づいてきた。メニー・メニー・シープは破壊されずに済むのだろうか?
井上敏樹、竹中清/著 徳間書店 『仮面ライダー』や『仮面の忍者赤影』の脚本家伊上勝の評伝。子息でやはり脚本家の井上敏樹から見た伊上勝の話は少しかと思いきや一章まるまる本人が書いている。他関係者証言もあるが、上記だけでも十分濃い内容だった。
永井豪 小学館 『デビルマン』『マジンガーZ』誕生50周年記念本。実際記念本で、作者インタビューや評論やお祝いメッセージなど。