2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

奇術師

クリストファー・プリースト/著 吉沢嘉道/訳 ハヤカワFT文庫 2006年、世界幻想文学大賞受賞作。 19世紀末から20世紀初頭に活躍した、 生涯確執関係があった2人の天才奇術師。 そして20世紀後半、2人の子孫たち。 時代が交互して「瞬間移動」のイリュージョン…

奔馬 豊饒の海(二)

三島由紀夫 新潮文庫 『豊饒の海』2作目。 1作目で学生だった本多も38歳になっていて、 やはり今回も事件の傍観者をつとめている。 松枝清顕の生まれ変わりの飯沼勲 (1作目の松枝家の書生、飯沼の息子)が主人公。 飯沼勲がテロリストとしての行為は、 周囲…

イロハのインテリア

川上ユキ 文化出版局 引っ越してから1ケ月記念読了本。 しかし、やっと部屋が整いつつある中 まだこの本は早いかも。 ある程度固まってから、また参考にして インテリアのテコ入れをした方がいいなという 思いをさせてくれたのであった。

長塚節 新潮文庫 貧乏本日本編。 明治末の農村の貧しい暮しぶりと四季の描写が しつように書かれたもの。 まっ先に登場するお品がいきなり死亡して しかもその原因が自分で中絶をしたための破傷風になったのだが、 全くぼかさずに書いてあるのがある意味すご…

居酒屋

ゾラ/著 古賀照一/訳 新潮文庫 お酒はほどほどにネ☆ そんな教訓が読了後出てきてしまうくらい 「酒は身を滅ぼす」過程が描かれている。 何しろ、一滴も飲めなかったクーポーが 怪我の憂さ晴らしに酒を飲みだしてから アル中へのラブリーな生活(by『失踪日記…

暗闇の終わり

キース・ピータースン/著 芹澤恵/訳 創元推理文庫 訳出された当初話題になっていた気がするけど初読了。 一人娘の自殺に対する感情を、 仕事でやり過ごす新聞記者が主人公で、 やはり亡き娘と同世代の高校生たちの連続自殺事件を扱う。 なぜか地味な読了感。

寺田寅彦随筆集 第一巻

寺田寅彦/著 小宮豊隆/編 岩波文庫 寺田寅彦は明治~大正の物理学者で、 夏目漱石の弟子の一人。 文章たしかに漱石の影響があるかもしれぬ。 でも、随筆については漱石より上手いかも。 小宮豊隆もたしか漱石の弟子。 記憶は曖昧だが、寺田寅彦は 『我輩は猫…

幻の祭典

逢坂剛 新潮文庫 1930年代、実現されなかったスペインの人民オリンピックと バルセロナオリンピック開催前のスペイン。 時代が前後して、とにかくも熱い展開。 そして、話の中にスペインの国内情勢の複雑さが織り込まれている。

悪魔の死

アンネ ホルト/著 柳沢 由実子/訳 集英社文庫 北欧(ノルウェー)ミステリー。 この国でも家族問題を抱えているためか、そのことをテーマにした内容。 事件の被害者および加害者、周囲の人々だけではなく、 事件を捜査する警察側の人々も全て、多様な家族問…

春の雪 豊饒の海(一)

三島由紀夫 新潮文庫 季節の移り行く様等の描写は相変わらず美しい。 映画版観てないけれどこの辺再現できているのかな。 しかし、美しい文章と描写の小説にもかかわらず 登場人物誰一人として共感できるのがいないので 読むのがつらかった。自分勝手すぎだ…