2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

文壇アイドル論

斎藤美奈子/著 岩波書店 文庫版も出ております(文春文庫)。 村上春樹、俵万智、吉本ばなな、林眞理子、上野千鶴子、 立花隆、村上龍、田中康夫と 1980年代時代の寵児になった(1990年代の著書にも触れているけど) 作家がメインで取り上げております。 切…

夜はやさし

F・スコット・フィッツジェラルド/著 森慎一郎/訳 集英社 オリジナル版の翻訳。村上春樹の『夜はやさし』へのコメント文あり。 前半の輝ける世界から5年後の後半の ダイヴァー夫妻、とりわけディックの転落さが 前半からは全く想像もつかなかった。 そうか、…

文学賞メッタ斬り! 2007年版 受賞作はありません編

大森望、豊崎由美/著 PARCO出版 少し年月たってから読んでみると、 受賞先を通して当時の流行が懐かしいな、と思った。 10年くらいたったらブックガイドの参考にしてみたい。

春になったら苺を摘みに

梨木香歩/著 新潮社 エッセイ集。 文庫版も出ている。 海外生活にて著者が感じたこと、学んだことについて すんなり心に染み渡る感じで読める。 彼女の師であるウェスト夫人が大変魅力的だ。

群青学舎 全4巻

入江亜季 エンターブレイン お話は正直結末が予想しやすかったりするのが多めであるが、 80年代ぽいレトロぽいがやはり新しい絵に 魅了される作品集である。

沢木耕太郎/著 新潮社 文庫版も出ています。 戦後の無頼と呼ばれた作家の一人である 檀一雄の妻ヨソ子のインタビューを元に、 ヨソ子の一人称にて檀一雄の生涯を書いたもの。 妻でしか知りえない姿が描かれている。

昭和二十年の「文藝春秋」

文春新書編集部/編 文春新書 前半と後半で世界がひっくり返った様が 当時の「文藝春秋」の記事でうかがえる。 3月まで発行できていたためか、8月15日以降 戦争協力のレッテルが貼られて廃刊の危機もあったとか 歴史ものとも読める本書であった。

小松左京/著 出版芸術社 <収録作品> 『夜が明けたら』『空飛ぶ窓』『海の森』 『ツウ・ペア』『真夜中の視聴者』『葎生の宿』『秘密(タプ)』 『石』『黄色い泉』『くだんのはは』 『保護鳥』『兇暴な口』『比丘尼の死』 『ハイネックの女』『牛の首』 ホ…

ナンシー関 リターンズ

ナンシー関/著 世界文化社 もっと最近な気がしていたが、 亡くなったのって2002年だったんだなあ。 過去の雑誌掲載のものをまとめた本。 のっけから嘘自伝ですか。 著作は嫌いでないけどそれほどのめり込めないのは、 文体のせいなのかと本書を読了して薄々…

窓のあちら側

新井素子/著 出版芸術社 <収録作品> 『グリーン・レクイエム』『ネプチューン』『雨の降る星 遠い夢』 『季節のお話』(一月 八月 十二月) 『眠い、ねむうい由紀子』『影絵の街にて』『大きなくるの木の下で』 自選短篇集。 本書の著者あとがきの文体が昔…

悪魔が殺せとささやいた 渦巻く憎悪、非業の14事件

「新潮45」編集部/編 新潮文庫 <収録されている殺人事件> 木更津「年下夫」刺殺事件 愛知「連続女性バラバラ事件 町田「新婚妻」絞殺事件 中津川「一家五人」絞殺・刺殺事件 土浦「両親・姉」撲殺事件 大阪「母子」放火殺人事件 渋谷「夫バラバラ」殺人 名…

東京の下層社会 明治から終戦まで

紀田順一郎/著 新潮社 過去に発刊された資料を発掘して紹介しているので 入門書として読めるかも。 こういった本を読むと、日本が豊かであったというのは 歴史上わずかではないかという気がした。 残飯屋という職業が存在していた事実に衝撃。 参考までに、…

遠い山なみの光

カズオ・イシグロ/著 小野寺健/訳 ハヤカワepi文庫 実質上カズオ・イシグロのデビュー作。 戦後それほどたっていない長崎を舞台とし、 妊娠して幸福な家庭生活を送っていた悦子が 子持ちで奔放な佐知子と出会ったエピソードを 後にイギリスに渡った悦子が回…

浮世の画家

カズオ・イシグロ/著 飛田茂雄/訳 ハヤカワepi文庫 戦後数年後の日本が舞台の小説。 戦時中に、日本精神を高揚させた絵を描いた元画家が主人公。 戦争中は尊敬されていたのが戦後には 世間の冷たい目にさらされている。 小説の技巧みたいなのは、海外小説ら…

おれに関する噂

筒井康隆/著 新潮文庫 <収録作品> 『蝶』『おれに関する噂』『養豚の実際』 『熊の木本線』『怪奇たたみ男』『だばだば杉』 『幸福の限界』『YAH!』『講演旅行』 『通いの軍隊』『心臓に悪い』 表題作なんて、平凡なサラリーマンの「おれ」の事が 突然テレ…

清々と 第1巻

谷川史子 少年画報社 年始に相応しい清らかな話を読了。 お嬢様女子校が舞台だが、単純に学園生活ものじゃないので 読むのに苦労しなかった。 少女誌でなく青年誌連載というのは時代かねえ。

悪霊の島 (上)(下)

スティーヴン・キング/著 白石朗/訳 文藝春秋 エドガーが事故に遭ってリハビリ生活を送り、 画家としての能力がめきめきと上がっていき 個展を開く所まではとても盛りあがった。 なのに、敵が表へ出てきた途端こじんまりとする感じはなんだろう。 肝心? の…