2004-10-01から1ヶ月間の記事一覧

天皇の料理番

杉森久英 集英社(集英社文庫) 伝記ではなく伝記小説のため、 主人公はじめその他人物の名前が多少違う。 主人公はタイトルそのままで、 天皇のコック長だった人物の一生である。 主人公が竹を割ったような性格なので、 どんどん出世していくのは 読んでい…

リツ子・その死

檀一雄 新潮社(新潮文庫) 『リツ子・その愛』の続編。 リツ子と一雄の闘病記で、リツ子の葬式までがこの話。 良い人はとことん良い人な人ばかりでてくる。 対し、リツ子の母親や姉は、一雄との対抗する人物のためなのか、 実際そうなのか欲深い存在で書か…

リツ子・その愛

檀一雄 新潮社(新潮文庫) 檀一雄の最初の妻リツ子との戦中、戦後直後の話。 後半で、リツ子の病死が暗示される結末。 暗い結末を予測されるのになぜかキラキラしたイメージ。 子どもの太郎(『火宅の人』では一郎)の喋り口調がすごく可愛い。 この本と『…

アンネの伝記

メリッサ・ミラー/著 畔上司/訳 文藝春秋 『アンネの日記』は当然アンネ自身主観の内容を、 第三者の眼を通すことで補完するのが本書。 アンネは単なる良い子ではないわけで。 親戚の話や、日記でよく書かれていない 母親の別像がみえる点で興味深い。

小梅ちゃん

林静一 近代出版 今年はキティが30周年というのは有名だけど、 ロッテの小梅ちゃんも30周年、ということで本が出ていました。 副題は「初恋すとおりい」です。 いろいろな小梅ちゃん可愛い……。 小梅ちゃんは永遠の15歳なのに明治生まれって。 復刻版小梅ちゃ…

火宅の人

(上)(下) 檀一雄 新潮社(新潮文庫) 死の3カ月まえまで、20年間書き続けた小説。 主人公が小説家の桂一雄の次男の次郎の発病から死までの期間を書いたもので、 ほぼ私小説形式をとっている。実際には虚実部分もあるらしいけど、 この桂一雄の行動過多ぶ…

若い真珠

平岩弓枝 文藝春秋(文春文庫) 時代小説じゃなくて少女小説です。1964~66年「女学生の友」連載。 無邪気なお金持ちの少女(奈知子)と、貧乏なためひねくれた少女(久美)の物語。 奈知子の義理の兄(奈知子の兄の奥さんの弟)の次郎を一人占めにしたいた…