2009-01-01から1年間の記事一覧
田辺聖子/著 朝日新聞社 昭和の大衆小説の女王ともいえる吉屋信子の生涯を描いた伝記小説。 著者が吉屋信子のファンということもあるためか、 好意的な内容である。 作家デビュー以前まではやや退屈だが、デビュー以降の 信子の活躍が目覚ましくなるにつれて…
福本伸行 講談社 カイジ第二部。 最初がいきなりタコ部屋送りだとか、メインの勝負がパチンコだとか 本作についての話の予備知識が全くなく予想もつかない展開ばかりだった。 カイジってギャンブル以外は本当にダメ人間だなあ。 パチンコについて全く知識も…
福本伸行 講談社 TVアニメと実写映画での内容は本作にあたる。 1巻のカイジのアゴがそれほどとんがってないのに笑った。 後半の絵柄はおなじみになってきているが。 いろいろテンション高いので話が矛盾化しそうな所は気にならなかった。 ネタバレ含みそうな…
諸星大二郎 双葉文庫 <収録作品> 『犬土』『異界録』『妖鯉』 『幽山秘記』『鬼城』『小人怪』 『魔婦』『三呆誤計』『花仙境』 『毛家の怪』『連理樹』 何作かは他漫画家とのアンソロジー集でも掲載されたりしてるのが あって読了済みのものがあった。 表…
ヤマザキマリ エンターブレイン 表紙もインパクト大だが、 よりよい風呂建設をいつも考えてる古代ローマの建築技師ルシウスが、 何故か現代日本にタイムスリップするという設定も凄い。 ルシウスの目を通して日本の風呂が新鮮に見える! ルシウスも周囲の人も…
ディーン・クーンツ/著 中原裕子/訳 ハヤカワ文庫NV シリーズものだそうな。 オッド・トーマスは霊能力がある二十歳のコック。 でも、能力のことはわずかな人にしか教えていない。 悪霊も見えることで、犯罪を発見したり未然に防いだりできる。 本作での事件…
レイ・ブラッドベリ/著 伊藤典夫/訳 新潮文庫 <収録作品> 『生涯に一度の夜』『トインビー・コンベクター』『トラップドア』 『オリエント急行、北へ』『十月の西』『最後のサーカス』 『ローレル・アンド・ハーディ恋愛騒動』『二人がここにいる不思議』 …
本多勝一/著 集英社文庫 40年以上前の北海道動物記。 厳密にいうと昆虫や魚類もいたりするが、 北海道に生息していいる(もしくはしていた)生物を 写真(これまた昔らしい)つきで紹介しているのは親切だ。 エゾオオカミ等絶滅してしまった動物もあり。 で…
貴志祐介/著 角川文庫 ゼロサムゲーム。誰が最後まで生き残るのか? というサバイバルホラー。 主人公がリストラサラリーマンという設定は 現代だと更にリアルだわ。 グールが人工的に造り出されたの怖すぎ。 主催者の正体が最後まで謎なのは気にせずに読む…
レイ・ブラッドベリ/著 伊藤典夫/訳 新潮文庫 <収録作品> 『はじまりの日』『心移し』『埋め合わせ』 『社交ダンスが終った夜に』『墓碑銘』『頭をよせて』 『ドラゴン真夜中に踊る』『19番』『けだもの』 『秋日の午後』『何もない土地には動く場所がある…
島本和彦 小学館 焔燃、小学館に漫画持ち込みに行く所から 夏休みの終わりまでの話まで。 相変わらず焔燃が上から目線ですな。 今回は特にサンデーというか小学館に対しての 上から目線態度が凄い、と同時にそんな所が笑えて仕様がない。 着ぐるみネタも、実…
ジョージ・オーウェル/著 川端康雄/訳 岩波文庫 今の所最新バージョン訳本らしい。 サブタイトルの「おとぎばなし」らしい文体で翻訳してる所が いいよね。 理想的動物のための動物農場が 一匹の独裁豚によっておかしくなっていく ディストピア(ユートビア…
高野史緒/著 早川書房 架空歴史ものでサイバーパンクSFものか? 帝政ロシアの属国扱いになっている江戸幕府。 でもネット技術のみ発達しているって設定時代が謎。 未来のようで過去のような不思議な世界に漂える。 ギブソンみたく複雑じゃないので読みやすい…
デイヴィッド・ピース/著 酒井武志/訳 文藝春秋 イギリス人が、小平義雄事件をベースに 日本の占領時代の暗部を書こうとしている意欲は買う。 また、ノワール小説ということで期待したが 内容がエルロイ、トンプスンの劣化版じゃないの? 「信頼できない語り…
ジャック・ロンドン/著 白石佑光/訳 新潮文庫 こちらがジャック・ロンドン代表作。 デビュー作の『野生の呼び声』とは逆バージョンだ。 孤独な野生のオオカミ犬が、人間の愛に触れて 人間と共に生きて行くようになる過程が感動的であった。 気になったという…
フラナリー・オコナー/著 横山貞子/訳 ちくま文庫 <収録作品> 短篇集「すべて上昇するものは一点に集まる」 『すべて上昇するものは一点に集まる』『グリーンリーフ』『森の景色』 『長引く悪寒』『家庭のやすらぎ』『障害者優先』 『啓示』『パーカーの背…
レイ・ブラッドベリ/著 北山克彦/訳 晶文社 『たんぽぽのお酒』の続編。 なんと前作からから55年後に出たのもだ。 ただし『さよなら僕の夏』の作品中の時間軸は『たんぽぽのお酒』から 一年後の夏の終わりという設定。 ダグラスは仲間たちと戦争ごっこをして…
あずまきよひこ アスキー・メディアワークス 1年ちょいのお楽しみ。待ちくたびれたー。 よつばも長袖をやっと着だした。 ジュラルミンを小道具に使うことで よつばが女の子だということを思い出させる。(行動が男子ぽいんで) 中の会話や仕草が本当に日常生…
フォークナー/著 加島祥造/訳 新潮文庫 禁酒法時代(1920年代末)のアメリカ南部で起こった ショッキングな事件。陰惨な暴力に満ち溢れていて 発表当時(1930年代初頭)の感覚だと えらい物議を醸し出したのはわかるな。 犯罪そのものよりも、今の感覚的には…
フラナリー・オコナー/著 横山貞子/訳 ちくま文庫 <収録作品> 短篇集「善人はなかなかいない」 『善人はなかなかいない』『河』『生きのこるために』 『不意打ちの幸運』『精霊のやどる宮』『人造黒人』 『火の中の輪』『旧敵との出逢い』『田舎の善人』 …
ジョー・ヒル/著 白石朗、安野玲、玉木亨、大森望/訳 小学館文庫 <収録作品> 『序文』『謝辞』 『年間ホラー傑作選』『二十世紀の幽霊』『ポップ・アート』 『蝗の歌をきくがよい』『アブラハムの息子たち』『うちよりここのほうが』 『黒電話』『挟殺』『…
村上春樹/著 新潮文庫 短篇『ねじまき鳥と火曜日の女たち』が第1章の元なのは 読んですぐ気づいた(登場人物の名前が違ったりするが)。 猫のワタヤ・ノボルの失踪がきっかけで、 妻クミコも家出をして、オカダ・トオルの周囲で奇妙な出来事が 次々と起こる…
福満しげゆき 講談社 妻出産おめでとう。 あの一連の話は僕視点のため大変怖い内容だった。 人の顔をいきなり黒く塗りつぶしたりするのでより一層。 僕の顔がエロでない意味でイヤラシクなってきたなあ。 妻がやせてしまったのは今後戻るのか?
藤田和日郎 小学館 シンデレラ以降アホの子扱いぽかった エンゲキブの良い所クローズアップ話あって良かった。 浦島太郎+フランダースの犬のエピが 次回に続くでオチがどうなるのか気になるぞ。
レイ・ブラッドベリ/著 中村融/訳 河出書房新社 <収録作品> 『序文-ピンピンしているし、書いている』 『さなぎ』『島』『夜明け前』 『酋長万歳』『ふだんどおりにすればいいのよ』 『まさしく、オロスコ! シロイロス、然り!』『屋敷』 『ジョン・ウィル…
有吉佐和子/著 新潮文庫 大正~昭和戦後直後までの花柳界を舞台にした 女の奇妙な友情物語。 有吉佐和子は悪女を書かせると上手いなあ。 主人公の正子は常識ある人なので 読者視点に立ってるのに対し、 蔦代の無邪気な悪女ぶりが際立っている。 蔦代が転落し…
カズオ・イシグロ/著 土屋政雄/訳 早川書房 <収録作品> 『老歌手』『降っても晴れても』 『モールバンヒルズ』『夜想曲集』『チェリスト』 カズオ・イシグロの初短篇集。 副題どおり音楽と夕暮れ、 そして男女の関係についてが共通テーマ。 この人の小説は…
フラナリー・オコナー/著 サリー・フィッツジェラルド/編 横山貞子/編訳 筑摩書房 オコナーの小説を初めて読んでからちょうど10年くらい? ずっと気になっていた書簡集、やっと入手&読了。 で、なんで原本の3分の1のみの抄訳なの? 300ページ台で4200円+税…
ダン・シモンズ/著 酒井昭伸/訳 早川書房 『イリアム』の続編。 前作よりもスケール大きく口あんぐりするわ。 三つの世界の場面転換が目まぐるしいけど、 危険の連続がなかなか解決しない (特に地球での人間大量殺戮の危機の辺り) のが少しいらついた。 一…
よしながふみ 講談社 前から少し気になっていたので買ってみた。 結論、面白かったので新刊出たら買う。 (現状3巻が先週でたばかり) 主人公なゲイカップルは30代かと絵的に思っていたが 実際は40代前半だった。見た目若め設定入ってたけどな。 ケンジは普…