2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

この世界の片隅に (下)

こうの史代 双葉社 完結篇。 戦時中だけど、どこなのんきな庶民の生活を描いた漫画だったけど、 下巻ではやはりというかシリアスな展開へと向かってた。 覚悟してたけど、軽くショック。 それも昭和20年8月を迎える前に。 最後は明るさも出ていて安心したけ…

花と龍 (上)(下)

火野葦平/著 岩波現代文庫 著者の両親の生涯を書いた話。 映画にもなっているらしいね。 内容的には、明治篇と昭和戦前篇といった 北九州若松を舞台にした波瀾万丈の物語。 当時の若松が西部劇の無法地帯ぽい地域らしく そのあたりの描写等、歴史小説とも読…

緋色の記憶

トマス・H・クック/著 鴻巣友季子/訳 文春文庫 1997年度MVA最優秀長編賞受賞作。 確か著者の出世作でもある。 表紙が好みじゃなくて今まで未読だった。 だって1920年代という時代設定に合わないんだもの。 タイトルの「緋色」は、物語の要所要所にこの色が使…

西遊妖猿伝 大唐篇 第7~8巻

諸星大二郎 講談社 全10巻まであと少しだということで、 7巻では、6巻の続きの人参果の話が決着ついて、 8巻では羅刹女や一升金が登場。 大量の騎馬兵描くの大変そうだといつも思う。 八戒が出て来ると笑いパートになるね。 ジュビロとの対談おまけもついて…

闇の鶯

諸星大二郎 講談社 <収録作品> 『それは時には少女となりて』『人魚の記憶』 『描き損じのある妖怪絵巻』 『闇の鶯』(「鶯の里」「山の神」) 『涸れ川』 単行本未収録だった作品をまとめたもの。 どれも異界を表現した所が共通点か。 巻末の著者本人によ…

英国紳士、エデンへ行く

マシュー・ニール/著 宮脇孝雄/訳 早川書房 プラチナ・ファンタジイ叢書だし タイトルからのイメージや あらすじにてユーモア系小説かと思いきや 思いのほかシリアス展開の多い歴史小説だった。 いや、エピローグ的部分を指してユーモア小説といってるのか?…

フランケンシュタインのライヴァルたち

マイケル・パリー/編 仁賀克雄/訳 ハヤカワ文庫NV <収録作品> 『イルルニュの巨人』クラーク・アシュントン・スミス 『ドーベニイ=フィッツアラン家の末裔』アーノルド・ハーヴェイ 『ダンシング・パートナー』ジェローム・K・ジェローム 『モクスンの傑作…

ドラキュラのライヴァルたち

マイケル・パリー/編 小倉多加志/訳 ハヤカワ文庫NV <収録作品> 『変身』ラムジー・キャンベル 『謎の男』作者不詳 『カルデンシュタインの吸血鬼』フレデリック・カウルズ 『墓地の管理人』ジャン・レイ 『マグナス伯爵』M・R・ジェイムズ 『ベールブラウ…

祈りの海

グレッグ・イーガン/著 山岸真/編・訳 ハヤカワSF文庫 <収録作品> 『貸金庫』『キューティ』『ぼくになることを』 『繭』『百光年ダイアリー』『誘拐』 『放浪者の軌道』『ミトコンドリア・イヴ』『無限の暗殺者』 『イェユーカ』『祈りの海』 読みやすい…

マーブル・アーチの風

コニー・ウィリス/著 大森望/訳 早川書房 <収録作品> 『白亜紀後期にて』『ニュースレター』 『ひいらぎ飾ろう@クリスマス』 『マーブル・アーチの風』『インサイダー疑惑』 現SF界の女王と呼ばれるコニー・ウィリスの 日本オリジナル短篇集。 シリアス系…

フロスト気質 (上)(下)

R・D・ウィングフィールド/著 芹澤恵/訳 フロスト警部シリーズ4作目。 作者亡くなっているので、残り未訳本はあと2作。 ますます話が長くなって上下本になって 登場人物も事件発生数もその分増加してるけど 全く気にならずに読了。 仕事中毒で相当下品なのに…

百年の誤読

岡野宏文、豊崎由美/著 ぴあ 1900年から2004年までほぼ100年の 国内ベストセラー小説を読んでみて感想を語り合う 対談形式の本。 だいたいが、聞き覚えある本ばかりで ツッコミ感想を入れて笑いを持たせようとしているが、 個人的にはもっと厳しくツッコミ入…

吸血鬼カーミラ

レ・ファニュ/著 平井呈一/訳 創元推理文庫 <収録作品> 『白い手の怪』『墓堀りクルックの死』『シャルケン画伯』 『大地主トビーの遺言』『仇魔』『判事ハーボットル氏』 『吸血鬼カーミラ』 タイトルだけ知ってるけど未読本を読了。 『吸血鬼カーミラ』…