2021-01-01から1年間の記事一覧

見習い警官殺し (上)(下)

レイフ・GW・ペーション/著 久山葉子/訳 創元推理文庫 スウェーデン・ミステリ。 事件やその結末については実際の事件ぽい流れで構成している。 DNA提供数の多さにびっくり。北欧っぽい? 殺人事件の名前を女性のファーストネーム (本作も現代だと「リンダ…

図書館大戦争

ミハイル・エリザーロフ/著 北川和美訳 河出書房新社 ウクライナ人作家によるロシア小説。 タイトルからだと有川浩のあの小説を連想するが こちらはある20世紀の作家の著作が人に特別な能力を 与えるということを知った人々で形成された いわゆる「図書館」…

オレンジ・イズ・ニュー・ブラック

パイパー・カーマン/著 村井理子、安達眞弓/訳 駒草出版 ネトフリで人気ドラマの原作本で 著者の刑務所で過ごした自伝。 13ヵ月服役なのにドラマシーズン7で長すぎでしょ。 こういう本を書く人って刑務所行っても コミュ強なのか仲間がいっぱいできたりして …

オクトーバー・リスト

ジェフリー・ディーヴァー/著 土屋晃/訳 文春文庫 最終章から始まって第一章で完結する 逆から読む物語。 娘を誘拐されたとする女性の印象が 最終章と第一章でガラッと変わるのはさすが。

メインテーマは殺人

アンソニー・ホロヴィッツ/著 山田蘭/訳 創元推理文庫 事件の謎を追う癖の強い元警部。 その助手と書き手に選ばれたのが著者自身という ホームズっぽい探偵物語。 作中のホロヴィッツの経歴などは本当ぽい。

雨の島

呉明益/著 及川茜/訳 河出書房新社 短編集。共通内容としてネットウイルス「裂け目」から 親しい人々の記憶が送られるというSF的設定がある。 物語は、台湾を舞台にしたネイチャーライティング (自然、動植物をモチーフにした話)で美しい描写。 他作品もだ…

ゴールデンカムイ 第28巻

野田サトル 集英社 過去の巻のエピソードが表紙というのは初めて? 杉本がなぜ軍隊に入ったのかの 過去話がメインか。 ここにきて刺青人皮の暗号がやっと解ける。

契約 (上)(下)

ラーシュ・ケプレル/著 ヘレンハルメ美穂/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 ヨーナ・リンナシリーズ二作目。 前作は脇役ぽかったが本作では主人公ぽくなっている。 東京クヮルテットが事件のヒントとなっているが この楽団って実在していたとは。 あと、街中にハロ…

ダッハウの仕立て師

メアリー・チェンバレン/著 川副智子/訳 早川書房 女性向けドレスメーカー(仕立て屋)という 特殊技術を持ちながら、虚栄心や男運の悪さで どんどん転落していく女性の人生。 何かしら救いの展開がありそうなので 全くなく終わってしまい呆然となった。

バットマン 究極の悪

アンドリュー・ヴァクス/著 佐々田雅子/訳 早川書房 タイトルどおりバットマンの物語。 でも児童虐待の加害者をやっつける物語なところが アドリュー・ヴァクスなのだった。 前半はゴッサムシティでの活躍だが、 後半は東南アジアにある架空の国でバットマン…

つけ狙う者 (上)(下)

ラーシュ・ケプレル/著 染田屋茂、下倉亮一訳 扶桑社文庫 ヨーナ・リンナのシリーズの5作目。 シリーズ順に読まずバラバラ読んでいるのと 直前に1作目を読んだので、 ヨーナの落差が激しくてビックリする。 一作目でもサブ主人公的に出てきた 精神科医エリッ…

嘘の裏側

アンドリュー・ヴァクス/著 佐々田雅子/訳 早川書房 探偵バークシリーズ第9作目。 なぜか久しぶりに読みたくなったこのシリーズ。 バークおよびファミリー誰だっけだが おそらく毎作親切に説明があるのですぐ思い出せた。 話自体もだが文体が読みづらいがこ…

夢で見たあの子のために 第9巻

三部けい KADOKAWA 引っ張る引っ張る。 そういえば「火の男」は今回登場せず。 若園が暴走しすぎというかもはや暗躍せず 表でちゃってないか。

廃院のミカエル

篠田節子/著 集英社 ギリシャが舞台。雪が降っているのが不思議な感じ。 途中からオカルト的展開になったのはなぜに。

魔女の組曲 (上)(下)

ベルナール・ミニエ/著 坂田雪子/訳 ハーパーBOOKS フランスミステリ。 セルヴァズ警部シリーズ第3作らしいが 本作のもう一人の主人公クリスティーヌの方が 強烈すぎて警部の影が薄かった。 結構ラストまで嫌な気分がまとわりつき、ラストまで怖かった。

つまらない住宅地のすべての家

津村記久子/著 双葉社 たぶん地方都市の街の一角にある住宅地。 そこの10世帯の人々が 刑務所脱走事件をきっかけに変わっていく物語。 登場人物の大半は津村作品らしい人たちなので 結末もなんとなく安心して読めるが、 事件の原因の大元となる人物が真っ黒な…

サハリン島

エドゥアルド・ヴェルキン/著 北川和美、毛利公美/訳 河出書房新社 第三次大戦後の近未来。 日本周辺国家の人々の扱いが結構ひどいので ロシア人作家じゃなかったら炎上しそうかも。 核戦争後のサハリンでの探検というか冒険活劇で 疫病で住人たちがゾンビ化…

EQMM90年代ベスト・ミステリー 夜汽車はバビロンへ

ジャネットハッチングス/編 深町真理子ほか/訳 扶桑社ミステリー 『ホール・イン・ツー』ラルフ・マキナニー 『引きまわし』アンドリュー・ヴァクス 『銀幕のスター』ジャニス・ロウ 『名もなき墓』ジョージ・C・チェスブロ 『衣装』ルース・レンデル 『石の…

汚れた雪

アントニオ・マンジーニ/著 天野泰明/訳 創元推理文庫 イタリアミステリ。 ロッコ・スキャヴォーネのシリーズ一作目だが 本邦では他作品は現時点では未訳。 ロッコがなぜローマからイタリア北部にある アルプス山麓の小さな町アオスタへ左遷させられたなど …

西遊妖猿伝 西域篇 火焔山の章 第3巻

諸星大二郎 講談社 冒頭にある不登場人物紹介や 前巻のあらすじなどの描き下ろしが微笑ましい。 牛魔王と悟空の直接対決 牛魔王の正体が少し見えてきた。 サソリ女が再登場する。

オランダの文豪が見た大正の日本

ルイク・ペールス/著 國森由美子/訳 作品社 日本では翻訳がされてないため無名な作家だが、 ヨーロッパではベル・エポック時代に一世を風靡する作家とのこと。 関東大震災前の大正時代に日本を訪れた 外国人の手記は珍しいらしい。 長崎から日光までを旅して…

催眠〈上〉〈下〉

ラーシュ・ケプレル/著 ヘレンハルメ美穂/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 スウェーデンミステリ。 ヨーナ・リンナ刑事のシリーズ一作目。 話読んでて思うのが、 報連相大事ということが第一にきてしまうくらい 登場人物が割と自分勝手に行動する。 話は読んでい…

逆島断雄と進駐官養成高校の決闘

石田衣良/著 講談社 中二病ぽい設定というかジャンルとしては ラノベだったのね。 話は徐々に伏線を張って進んでいくのだが 後半が紙面が足りないのか急すぎ展開で 尻切れトンボな印象を受けた。

きのう何食べた? 第19巻

よしながふみ 講談社 すっかり安定感ある内容で安心して読める。 今回は割と落ち着いたエピソード多めだった。 20巻への引きとなるエピソードは凄かった。

壊れた世界の者たちよ

ドン・ウィンズロウ/著 田口俊樹/訳 ハーパーコリンズ・ ジャパン 短編ではなく100ページ以上の 6つの中編作品集。 今までのウィンズロウ作品の集大成と いってよい内容ばかり。 しかも過去作品のシリーズに出てきたキャラクターも 登場する作品があったりと…

ポーの一族 秘密の花園 第2巻

萩尾望都 小学館 アーサー編が完結。 ストーリーは一応納得だが、 デジタル絵とアナログ絵の処理がうまくできてないのが 気になったところ。エドガーの絵はきれいなんだけど。 薄々感じていたがシルバーは天然キャラなのか。 来年春また連載再開されるらしい…

移動迷宮 中国史SF短篇集

飛ダオ/ほか著 大恵和実/編ほか訳 中央公論新社 7人の中国SF作家による短編集。 サブタイトルのとおり、中国史をSFに絡めていて 作品は時代が古い順に収録されている。

あなたの人生の物語

テッド・チャン著 浅倉久志ほか/訳 ハヤカワ文庫SF 短編8編収録。 表題の『あなたの人生の物語』は名作なんだなあ とは思うのだが、自分の好みではないのか理解が深まらず残念。 『バビロンの塔』『地獄とは神の不在なり』の方が面白かった。

カリ・モーラ

トマスハリス著 高見浩/訳 新潮文庫 ハンニバル・レクター博士シリーズ完結後の作品。 タイトルは主人公の女性の名前。 元チリの少女兵出身という過去を持つ アメリカへ移民し獣医になりたいという背景がある。 犯罪一味との対決などアクションがテンポ良い…

昭和天皇物語 第9巻

半藤一利/著 能條純一/作画 永福一成/脚本 小学館 昭和6年。 話は大きくは動かないが、 関東軍の暴走に悩む天皇。 愛新覚羅溥儀やリットン登場、 そして総理大臣が犬養毅となり 次巻で大きな展開になることを予感させられる。