2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

奇縁まんだら

瀬戸内寂聴/著 横尾忠則/画 日本経済新聞社 往年の大作家と呼ばれた文士たちと交友録。 瀬戸内寂聴しか知り得ぬ彼らの素顔が書かれているので 歴史的資料としても貴重かもね。 全員鬼籍に入っているし。 横尾忠則の作家たちの肖像画、カラーなのが嬉しい。 …

うちの妻ってどうでしょう? 第2巻

福満しげゆき 双葉社 2巻が出るのが意外に早かったなあ。 妻ネタがあまり出ないのかもしれなが、 福満の世の中に対する鬱憤主張ネタがメインぽくなるのは キツいかも。 妻は可愛いんだけど、後半から目がより細くなっているので 目が開いているのか閉じてい…

西遊妖猿伝 西域篇 第1巻

諸星大二郎 講談社 11年ぶりの新章開始! 大唐篇から続けて読むと、絵柄は大きく変わってないけど 線の太さが違ったり、表現方法が変わっているのが よくわかるなあ。西域篇はシリアスでもあるけど ユーモアも上手く混ざっている感じ。 いよいよ沙悟浄が登場…

レッド 第3巻

山本直樹 講談社 1971年5月~6月まで。あさま山荘事件まで(って本編では書いてないけど) 1年切ってしまった。 2番(空木)と3番(五竜)がもう死亡フラグ立ちまくりなので 4巻で処刑が起こるのかなと予想。 あと、赤色軍側の岩木と愉快な仲間たちの行動軌…

チャイルド 異形コレクション7

井上雅彦/編 廣済堂文庫 <収録作品> 『グリーンベルト』矢崎存美 『かいちご』朝松健 『マリオのいる教室』山口タオ 『金霊』南條竹則 『黄昏の歩廊にて』篠田真由美 『母の再婚』田中文雄 『帰ってくる子』萩尾望都 『絆』安土萌 『アリアドネー<迷宮の…

20世紀SF<1> 1940年代 星ねずみ

アシモフ、ブラウン他/著 中村融、山岸真/編 河出文庫 <収録作品> 『星ねずみ』フレドリック・ブラウン 『時の矢』アーサー・C.クラーク 『AL76号失踪す』アイザック・アシモフ 『万華鏡』レイ・ブラッドベリ 『鎮魂歌』ロバート・A・ハインライン 『美女…

ハナシがはずむ! 笑酔亭梅寿謎解噺3

田中啓文/著 集英社 <収録作品> 『動物園』『日和ちがい』『あくびの稽古』 『蛸芝居』『浮かれの屑選り』『佐々木裁き』 『はてなの茶碗』『くやみ』 シリーズ第3弾。 ここでタイトルになっている落語はさすがに知っているの 一個もなかった……。 相変わら…

望みは何と訊かれたら

小池真理子/著 新潮社 濃ゆくて奇妙な愛の物語。 2006年冬に沙織がパリのギュスターヴ・モロー美術館で 秋津吾郎に再会することにより、 34年前(1970年)に彼女に起こった出来事が回想される。 学生運動の延長で過激派組織にまで参加してしまった 過去につ…

ウは宇宙船のウ

レイ・ブラッドベリ/著 大西尹明/訳 創元SF文庫 <収録作品> 『「ウ」は宇宙船の略語さ』『初期の終わり』『霧笛』 『宇宙船』『宇宙乗組員』『太陽の金色のりんご』 『雷のとどろくような声』『長雨』『亡命した人々』 『この地には虎数匹おれり』『いちご…

楽園の知恵 あるいはヒステリーの歴史

牧野修/著 早川書房 <収録作品> 『いかにして夢を見るか』『夜明け、彼は妄想より来る』 『召されし街』 『インキュバス言語』『ドギィダディ』 『バロック あるいはシアワセの国』 『中華風の屍体』『踊るバビロン』『演歌の黙示録』 『或る芸人の記録』…

<盗作>の文学史 市場・メディア・著作権

栗原裕一郎/著 新曜社 裏文学史、といった感じか。 明治~平成までの盗作文学史を初めて(らしい) 体系的にまとめたもの。 戦前は、盗作よりも代作ネタが多めで 本格的な内容は戦後から。 しかも有名作家ばかりずらりと。 山崎豊子、立松和平、田口ランディ…

キムラ弁護士、ミステリーにケンカを売る

木村晋介/著 筑摩書房 ミステリだけではなく、恋愛小説、古典小説まで 弁護士視点から話の矛盾点等を徹底検証し ツッコミをいれるというちょっと変わった書評本。 キムラ弁護士の個人的好みの私情も入っていたりもするが、 概ねアリな内容だと思う。 ちなみ…

幻詩狩り

川又千秋/著 中公文庫 第5回SF大賞受賞作。 中公文庫は古いバージョンで、今は創元SF文庫で復刊しております。 その詩を読んだだけで麻薬中毒のような症状に陥り、 死に至るまたは失踪してしまう。 その詩が誕生した経緯、詩が日本語に翻訳され人々が感染さ…

屍者の行進 異形コレクション6

井上雅彦/監修 廣済堂文庫 <収録作品> 『昔恋しい』早見裕司 『春の妹』安土萌 『薔薇よりも赤く』篠田真由美 『部屋で飼っている女』小中千昭 『草笛の鳴る夜』倉阪鬼一郎 『楽園』森真沙子 『屍蒲団』神宮寺秀征 『三次会まで』中井紀夫 『晴れない硝煙…

暗黒神話

諸星大二郎 集英社文庫 <収録作品。 『暗黒神話』『徐福伝説』 『暗黒神話』は『孔子暗黒伝』と対になっていて こっちが先行作品。 まあ、『暗黒神話』後で読んでも特に問題はないけど 一応話が繋がっているので。 現代(1970年代)の日本に 古代文明がどん…

孔子暗黒伝

諸星大二郎 集英社文庫 こんな重厚で独特すぎな作品を連載してた 1970年代の少年ジャンプすげー。 ちょっと変わった孔子のエピソードの漫画かな、 と思ったら孔子は主役じゃないってあたりも。 ブッダと孔子は同時代人なのね、と改めて気づかされる。 いろい…

エイキエイキのぶっちゃけ隊!!

影木栄貴 新書館 エッセイ漫画は新書館のばかり買っているような。 漫画好きならご存知、著者は竹下登の孫でDAIGOの姉。 家族メインのエピソードをまとめたのが本書。 総理大臣の時の竹下登て思ったよりも年齢が若かったのねー。 というか、孫から見たおじい…

銀色の恋人

タニス・リー/著 井辻朱美/訳 ハヤカワSF文庫 人間そっくりのロボットに恋をしてしまった少女ジェニーの ラブロマンス小説であると同時に成長物語。 ちょっと昔の少女小説風味。 タニス・リー特有の耽美度は低め。 最初と最後のジェニーが別人になってしまう…

半落ち

横山秀夫/著 講談社文庫 映画だかドラマ化した時に話題になってたね(観てないけど)。 今更ながらの読了。 映像版は観なくて正解。所謂感動泣きさせる話だもの。 梶がアルツハイマーの妻を殺害してから自首するまでの 空白の二日間についての謎は案外あっけ…

月光とアムネジア

牧野修/著 ハヤカワ文庫JA 独特な幻想的ホラー短編(「異形コレクション」シリーズ)が 印象的なので長編も読んでみた。 表紙がラノベぽいのは何故に? 本書も、記憶を3時間ごとにリセットしてしまう空間 <レーテ>という異常な世界や言葉の使い方が面白い…

はい、泳げません

高橋秀実/著 新潮社 最近の図書館は、内容のジャンルで分類するためか エッセイでもこの本は「スポーツ/水泳」で分類されていた。 内容はカナヅチだった高橋さんが美しく泳げるようになるまでの 本人的には苦闘のエッセイ。 『R25』の巻末エッセイどおりの…

悪魔の発明 異形コレクション4

井上雅彦/監修 廣済堂文庫 <収録作品> 『大いなる作業』篠田真由美 『イモーター』小中千昭 『工場』牧野修 『星月夜』横田順彌 『死の舞踏』井上雅彦 『雪鬼』霧島ケイ 『明日、どこかで』山田正紀 『レタッチ』我孫子武丸 『よいこの町』大場感 『果実の…