2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

自堕落な凶器 (上) (下)

アリエル・S.ウィンター/著 鈴木恵/訳 新潮文庫 三部作構成で二十年に渡っての アメリカ人作家の失落がいたたまれない。 シムノン、チャンドラー、ジム・トンプソンの文体模倣で 書かれているらしいが、訳文は確かにそれっぽかった。

ライター×ライター 第1、2巻

深見真/原作 コト/作画 芳文社 アニメ脚本家についてのお仕事漫画。 割と前向きな展開。 登場人物らが寝るときの格好は 原作者のデフォルト設定ぽい気がした。 現実は性別逆で年齢は10歳以上と いったところなのだろうか、とふと思ってしまった。

ロック・オブ・モーゼス

花村萬月/著 角川書店 ひょんなことから音楽の才能を 見出された少女のロック青春物語。 天才とは。

キム・フィルビー かくも親密な裏切り

ベン・マッキンタイアー/著 小林朋則/訳 中央公論新社 サブタイトルの「かくも親密な裏切り」が秀逸。 まさに一言で内容を示している。 イギリス最大の二重スパイといっていい人物 キム・フィルビーとその周辺の人物の生涯。 フィルビーはとても魅力的に振る…

ザ・カルテル (上) (下)

ドン・ウィンズロウ/著 峯村利哉/訳 角川文庫 『犬の力』の続編で楽しみだったが期待以上によかった。 メキシコの麻薬戦争が、 本作ではもっと熾烈な状態となり 日常的に犯罪と殺人が行われている。 そんな中でも、暴力に抗う一般人たちの エピソードがに胸…

1122 第5巻

渡辺ペコ 講談社 美月の妊娠が波乱を呼びそうな気がしたが、 志朗の態度がよい方向となったため こちらの夫婦は再構築へ向かっていそう。 一方、いちことおとやんの夫婦は 最悪の方向へ進みそうな感じへ。

しろくまカフェ today's special 第3巻

ヒガ・アロハ 集英社 グリズリー話が多めだった。 だから表紙なのだろうか? 時は過ぎていくのに動物たちが全く 歳をとらないというサザエさん空間が顕著となった。

ディス・イズ・ザ・デイ

津村記久子/著 朝日新聞出版 サッカー第二部リーグのサポーターたちの 連絡短編集。 サッカー全くわからないので不安だったが、 内容はいつもの作風でサポーターたちの 日常が描かれていたので読みきれた。 なお、作中のサッカーチームは全て 架空のものらし…

トム・ハザードの止まらない時間

マット・ヘイグ/著 大谷真弓/訳 早川書房 非常に年をとるのが遅い体質の トム・ハザードの人生。 苦労はしても捻くれたりもせずに 人生を歩む彼に転機が。 ラスト近くの展開にはびっくり。

高慢と偏見、そして殺人

P・D・ジェイムズ/著 羽田詩津子/訳 早川書房 オースティンの『高慢と偏見』を読んでいないと わけわからないと思う。 上記作品のその後の物語だが エリザベスの活躍が少なくて残念。 邪魔な登場人物がアメリカへ移民していくのが 当時ぽい事情だと思った。

隣接界

クリストファー・プリースト/著 古沢嘉通、幹遙子/訳 早川書房 今までの集大成作品らしく、 なんだか過去作品に出てきたような話がちらほら。 手品師が出てくるとなんだか嬉しい。 とにかくも不思議世界観な小説なので 身を委ねて読むしかなかった。

炎の色

ピエール・ルメートル/著 平岡敦/訳 早川書房 三部作もの二作目だが 一作目と登場人物が一部かぶるだけで ストーリーは単独で読める。 今作は、財産を陰謀で破産されたマドレーヌの復讐譚。 世間知らずのお嬢様だったマドレーヌが 復讐開始からどんどん変わ…

クロストーク

コニー・ウィリス/著 大森望/訳 早川書房 近未来の世界。 携帯会社に勤めるバリキャリ美女と 同僚だが変わり者ギーク青年が出てきたあたりで ロマコメの予感たっぷりでラストは想像つくのだが その過程は楽しかった。 途中もう少し落ち着け、という部分もあ…

黄昏の彼女たち (上)(下)

サラ・ウォーターズ/著 中村有希/訳 創元推理文庫 1922年、第一次世界大戦後のイギリスが舞台。 斜陽の上流階級の母子が下宿屋を始め、 労働者階級のモダン夫婦が入居をするのが始まり。 時代背景が丁寧に描かれていて良い。 秘密の恋が進むうちに殺人が起こ…

監禁面接

ピエール・ルメートル/著 橘明美/訳 文藝春秋 フランスの中高年失業者問題を 扱っているシリアスものかと思いきや コメディ要素もあるので予想外だった。 怒涛の流れで少し疲れる。

エドガルド・モルターラ誘拐事件

デヴィッド・I・カーツァー/著 漆原敦子/訳 早川書房 まず、死亡しそうな異教徒に、一般のカトリック教徒が 即席で洗礼させることができるのが乱暴だなと思った。 それも自分で判断できない赤ん坊に対してかつ その家族に隠れてというあたりが。 19世紀半ば…