2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

フォークロアの鍵

川瀬七緒/著 講談社 民俗学の口頭伝承調査にて 老人ホームで情報収拾というのが とても今っぽい。 ちょっとほのぼのしてきたところで グロテスクなシーンが出てくるとは、というか この人の作品では油断してはならないということか。

ハリー・クバート事件 (上)(下)

ジョエル・ディケール/著 橘明美/訳 東京創元社 恋愛ものだけでなく、師弟愛もまたよし。 どんでん返しが鮮やか。 著者はスイス人で、フランス語で書かれた アメリカが舞台の物語となんか複雑な感じだが 日本人からみれば舞台の描写はきにならなかった。

楽園のカンヴァス

原田マハ/著 新潮文庫 現代編がなければもっと素晴らしかったと 思わざるえないくらい、 ルソーの幻の作品が真作か贋作かを巡る ストーリー部分がとても良い。 ルソーと彼に関係する人々の物語も魅力的だった。

悪の彼岸へ

宮内勝典/著 集英社 オウム真理教の地下鉄サリン事件直後に 上祐史浩と対談した話や 集団自殺で有名な人民寺院など カルト宗教との比較等など書かれた本。 直近はどんな意見を持っているかも気になったが ホームページなくなっているみたいで残念。

きのう何食べた? 第14巻

よしながふみ 講談社 そろそろ終わりに近づいてきたためか 伏線回収の話が混じってきた。 この間生まれたばかりだった気がした赤ん坊が もうすぐ小学校と作中の時の流れにびっくりする。

いとしのムーコ 第13巻

みずしな孝之 講談社 ムーコ仙台行くの巻。 最初から小松さんと一緒に行けばよかったのでは と突っ込んではいけない。 まさか新キャラが登場するとは。 篠原さん、彼氏に対しては厳しいというか嫉妬深い性格に。 うしこうさん単純に幸せになれないキャラであ…

ヤング ブラック・ジャック 第13巻

手塚治虫/原作 田畑由秋/脚本 大熊ゆうご/作画 秋田書店 13巻からブラックジャック本編とリンク多めの 如月恵編がスタート。 番外編の大阪万博の話や黒男のストーカーぶりは ふふっと微笑ましかった。 なぜ本編で恵が男性になったかの 動機らしきものが少し…

幸腹な百貨店 デパ地下おにぎり騒動

秋川滝美/著 講談社 シリーズ二作目。 一作目でなんとか閉店をまぬがれた百貨店だが そのあと売上が伸びなかったり、 一部の社員以外の危機感が低いのがなんかリアル。 本作でもラストは一見明るいラストだが いずれ閉店は免れなさそうな不穏さを感じた。

ダ・フォース (上)(下)

ドン・ウィンズロウ/著 田口俊樹/訳 ハーパーBOOKS ただの正義のヒーローではない ニューヨーク市警の名物刑事が、 ふとしたことでFBIのネズミになって とことん堕ちていくノワールもの。 街の権力者たちが皆腐敗にまみれていることが 徐々にわかっていく過…

居酒屋ぼったくり〈7〉

秋川滝美/著 アルファポリス 急に、要の兄と祖父が 妨害工作やらかけてくる展開にびっくりだが あっさり収束したりするのが脱力。 ちょっとネタが苦しくなってきたのか?

西荻窪ランスルー 全4巻

ゆき林檎 徳間書店 高卒でアニメーターになった女の子の物語。 アニメーターの仕事裏話というよりは いろいろな職業の人たちにも通じる 仕事関係の人間関係だったり仕事の目標や ステップアップへの悩みだったりが中心で語られている。

中間管理録トネガワ 第7巻

福本伸行/協力 萩原天晴/作橋本智広、三好智樹/画 講談社 ネタが苦しくなってきたか? という話もちらほら。 アニメが始まったけどテンポやナレーションが なんだかイメージと違っていて違和感この上ない。

書店主フィクリーのものがたり

ガブリエル・ゼヴィン/著 小尾芙佐/訳 ハヤカワepi文庫 最後がそんなオチになるとはだった。 ベタといえばベタかもだがいい話。 紹介されている本のチョイスもよし。 偏屈な書店主フィクリーが 赤ん坊マヤに出会うことで人生が一変する。 日本だと、書店の上…

クリスマス・プレゼント

ジェフリー・ディーヴァー/著 池田真紀子/他訳 文春文庫 <収録作品> 『ジョナサンがいない』『ウィークエンダー』『サービス料として』 『ビューティフル』『身代わり』『見解』 『三角関係』『この世はすべてひとつの舞台』『釣り日和』 『ノクターン』『…

残虐行為記録保管所

チャールズ・ストロス/著 金子浩/訳 早川書房 SF+クトゥルー+スパイスリラー。 後半がついていくのが大変だった。 数学理論が魔術になる設定は面白い。 あと、主人公の語り口調はイギリスジョークか。 同時収録の続編中編『コンクリート・ジャングル』 の方…

コードネーム・ヴェリティ

エリザベス・ウェイン/著 吉澤康子/訳 創元推理文庫 こちらも第二次世界大戦、スパイ物。 一見、ナチスドイツに捕まった スコットランド人女性の手記なのだが 話が進むにつれて結構構造が複雑なのに気づく。 海外ではヤングアダルトものという位置付けらしい…

影の王国

アラン・ファースト/著 黒原敏行/訳 講談社文庫 ミステリというよりは文学ものという雰囲気。 遊び人なハンガリー貴族という隠れ蓑を使い ナチスドイツに対してスパイ活動をする一般人の物語。

路地の子

上原善広/著 新潮社 一代で食肉業をのし上がった著者の父親の半生。 父親が独立して店を持つまでが物語としてのピークかな。 後半は関係者が多数生存しているためか 前半よりも精彩を欠いている感じがした。 いわゆる「同和」ものとは一味違う。