2024-01-01から1年間の記事一覧

ひとんち

澤村伊智/著 光文社 <収録作品>『ひとんち』『夢の行き先』『闇の花園』『ありふれた映像』『宮本くんの手』『シュマシラ』『死神』『じぶんち』 収録作品が『ひとんち』から始まり『じぶんち』で終わるがテーマはバラバラのホラー短編集。『シュマシラ』…

六月の雪

乃南アサ/著 文藝春秋 声優の夢が破れたアラサー女性が祖母の故郷である台湾を旅する一週間。6月の台湾の描写が鮮やか。日本統治時代に触れるので歴史の話は出るのは予想してたがシリアスすぎる家族間の問題話が意外にも物語内の割合が多くて重苦しい。唐突…

レクイエムの夜

レベッカ・キャントレル/著 宇佐川晶子/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 続編も訳して欲しい時代ミステリ。ナチスが台頭しつつある中のベルリンが舞台。男性名で記事を書くハンナが弟の死の謎を追っていく。謎解き部分は都合よい感じではあるが時代背景が興味深い…

ベイカー街の女たちと幽霊少年団

ミシェル・バークビイ/著 駒月雅子/訳 角川文庫 サブタイトル『ミセス・ハドスンとメアリー・ワトスンの事件簿2』。ハドソン夫人の入院先の病室で起こる連続不審死の謎と少年行方不明に関連する幽霊少年団の謎の二本立て。1作目もだが2作目もなんというか異…

僕の心のヤバイやつ 第10巻

桜井のりお 秋田書店 1巻まるまる勉強合宿回。実際連載でこのエピソード長いなあと思ってたが。意外にもおねえの株が上がる結末だったり。

ドント・ストップ・ザ・ダンス

柴田よしき/著 実業之日本社 花咲慎一郎シリーズ5作目。その後新作ないのでここまでか。連作短編が続いていたが本作は長編。暴力はあるが殺人までには至る事件はないが二つの事件が話が進むにつれて繋がっていく。

ア・ソング・フォー・ユー

柴田よしき/著 実業之日本社 花咲慎一郎シリーズ4作目。連作短編で冒頭の作品のみ独立している。長谷川環がまさか愛嬌あるキャラクターへ変貌というかこのシリーズからみた別の面なのだろうか。

老神介護

劉慈欣/著 大森望、古市雅子/訳 KADOKAWA <収録作品>『老神介護』『人類扶養』『白亜紀往事』『彼女の眼を連れて』『地球大砲』 版元が早川書房かと思ったらKADOKAWAだった。表題の『老神介護』がどこかで読んだ気がするのだが読んでいないみたい(漫画版…

バッタを倒しにアフリカへ

前野ウルド浩太郎/著 光文社新書 表紙や少し自虐ネタや現地の人々の交流などユーモアある文章。『ファーブル昆虫記』に憧れて昆虫学者を目指した著者がサバクトビバッタの生態についてモーリタニアまで現地調査する話なので結構真面目な内容。

所轄刑事・麻生龍太郎

柴田よしき/著 新潮社 麻生が登場する物語でまだ下町にある警察署で刑事となったばかりの頃の話。警察小説というより探偵推理小説風なのでやはり麻生は警察向いてないということか。

哀惜

アン・クリーヴス/著 高山真由美/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 特異なキリスト系宗派で育った刑事が主人公の警察小説。アルコール依存症の男性殺害事件が起こるが、そこからダウン症女性の誘拐などの事件も発生したりと一見慌ただしさがあるが意外にも物語自体…

シーセッド・ヒーセッド

柴田よしき/著 実業之日本社 花咲慎一郎シリーズ3作目。今回は連作短編集といったところか大まかに3作の物語がある。このシリーズはハードボイルドでもあるがユーモアもあるので読みやすい。

フォー・ユア・プレジャー

柴田よしき/著 講談社 花咲慎一郎シリーズ2作目。今回は複数の事件を並行して調査することに。そのうち一つは文字通り命懸け。山内練の悪魔的描写が特に際立っていて主人公よりも目立っている。

ガラスの顔

フランシス・ハーディング/著 児玉敦子/訳 東京創元社 本作では今までとは違って完全な異世界が舞台のファンタジー小説。かなり作り込まれた世界観に引き込まれる。限られた<面>という表情しかつくれない人たちに対し表情を自由に変えられ嘘がつけない少女…

悪い男

アーナルデュル・インドリダソン/著 柳沢由実子/訳 東京創元社 エーレンデュルシリーズの番外編。エーレンデュルの部下であるエリンボルクが主人公で普段触れられない彼女の家庭環境などがしっかり書かれている。タイトルは本作の殺人事件の被害者のことなの…

フォー・ディア・ライフ

柴田よしき/著 講談社 花咲慎一郎シリーズ1作目。 新宿・歌舞伎町にある無認可保育園の園長かつ探偵である花咲慎一郎のシリーズ1作目。RIKOシリーズと同じ世界なので脇役で同じ人物が登場する。主人公がお人好しで、赤ちゃんや小さい子どもが出ているためか…

月神の浅き夢

柴田よしき/著 KADOKAWA RIKOシリーズ3作目。連続猟奇殺人事件で、事件の真相がいかにも1990年代ぽさが。事件の鍵がサイト情報だったりするが描写がインターネット黎明期らしさがある。 事件とは別にもう登場しないかと思った麻生があっさり再登場。山内の過…

クリミナル・タウン

サム・マンソン/著 金井真弓/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 現代ではなくて1990年代の話。同級生がバイト中に殺害された後主人公の男子高校生が犯人探しをする話と思いきやなんだかよくわからない方向へと進んで戸惑いを感じた。

四日間家族

川瀬七緒/著 KADOKAWA SNSなどネットで個人情報をさらされて炎上する経緯が怖いし、この著者はゾッとする犯罪者を描くのが上手い。自殺志願者だった四人組が冒頭とラストで全く違う姿になって爽やかに。

嘘の木

フランシス・ハーディング/著 児玉敦子/訳 東京創元社 毎度違う時代を書くところが器用。本作ではダーウィンの『種の起源』が出版された後とのことなのでおそらく19世紀半ば。14歳のフェイスは、有名な博物学者の父が化石を捏造したというスキャンダルを避け…

ナイチンゲール (上) (下)

クリスティン・ハナ/著 加藤洋子/訳 小学館文庫 第二次世界大戦下のフランスを舞台にしナチスに対抗するレジスタンスの姉妹の物語。姉妹が覚悟を決めるまでまでの上巻がイラついて仕方がないが下巻から一気に面白くなる。

聖母の深き淵

柴田よしき/著 KADOKAWA RIKOシリーズ2作目。緑子が母になって1作目よりも穏やかな性格に。事件は彼女に降りかかる災いは1作目同様だしLGBTエピソードも1990年代半ばという時代背景のせいか。別作品の主人公の探偵、麻生が登場するのは本作が初だが作中の時…

RIKO―女神の永遠

柴田よしき/著 角川書店 第15回横溝正史賞受賞作でシリーズ1作目。警察小説だが事件自体も警察組織内も性暴力多くて笑えない。主人公緑子の人生が辛い。事件の結末の着地点が強引な感じ。

クリフトン年代記 第7部

ジェフリー・アーチャー/著 戸田裕之/訳 新潮文庫 シリーズ完結。ハリー・クリフトンの生涯が終わる。ハリーらしい亡くなり方だった。1部からの謎であったハリーの父親は誰かなのかもちゃんと解決されていた。

カッコーの歌

フランシス・ハーディング/著 児玉敦子/訳 東京創元社 第一次世界大戦後のイギリスが舞台。病弱な少女トリスが体験する不思議な七日間の物語。20世紀という近代・現代的な世界の裏で妖精的生き物や魔法、「取り替えっこ」の謎などスリリングで勢いがある。

ベイカー街の女たち

ミシェル・バークビイ/著 駒月雅子訳 角川文庫 タイトルからわかるとおりのシャーロック・ホームズのパスティーシュ小説。ホームズとワトスンを陰で支えているハドソン夫人とメアリー・ワトスンの冒険譚。お約束登場人物勢揃いでサービスたっぷり。

私立探偵・麻生龍太郎

柴田よしき/著 KADOKAWA RICOシリーズを全く読んでないが麻生龍太郎はそこから派生したキャラクターらしい。元刑事で事件に対して天才的勘が働くが人間的には不器用である。収録された話で起こる事件は最初はそうでもないが進むにつれてややこしくなって先が…

クリフトン年代記 第6部

ジェフリー・アーチャー/著 戸田裕之/訳 新潮文庫 時代は1970年代へ。まだ残っている三人の敵の決着が一応ついた?なんだか自滅していった感があるが。ハリーは代理であるがノーベル賞授賞式でスピーチ、エマはサッチャーが首相へとなるきっかける与えると世…

二重拘束のアリア

川瀬七緒/著 小学館 賞金稼ぎスリーサム! の2作目。日本初の刑事事件専門調査会社を立ち上げた三人組に謎の夫婦殺し合った形跡がある殺人事件の再捜査依頼が入る。今作でも、事件の真犯人像が怖すぎ。

クローゼットファイル

川瀬七緒/著 講談社 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介2作目。今回から正式に警察のアドバイバーとなって物語の範囲が広がった。従来どおり未解決事件の解明が中心であるが、桐ヶ谷が防ぎたい児童虐待児への事件にも介入できるようなって警察と連携するメリットが生まれ…