読書の記録_国外作家た行

真夜中の密室

ジェフリー・ディーヴァー/著 池田真紀子/訳 文藝春秋 リンカーン・ライムシリーズ15作目。ロックスミスと名乗る天才錠前師との対決。本作ではZoom会議を頻繁に行なっていて今まであった直接対面の手間が減っている。今回はロックスミスの正体を暴いても事件…

オスカー・ワオの短く凄まじい人生

ジュノ・ディアス/著 都甲幸治、久保尚美/訳 新潮社 オスカーの一生よりも、彼の姉・母・祖母などの半生やルーツであるドミニカの歴史などの方に物語が占めている。オスカーはドミニカ系アメリカ人だが、1980年代のオタク(ナード?)で当時の日本人のオタク…

靄の旋律

アルネ・ダール/著 ヘレンハルメ美穂/訳 集英社文庫 スウェーデンで起こる連続殺人事件を国家刑事警察の特捜班が追う警察小説。本国ではシリーズ化してそうだが、翻訳は1作のみ。ひょんなことで英雄呼ばわりされた主人公をはじめ個性的な特捜班のメンバーの…

殺意

ジム・トンプスン/著 田村義進/訳 文遊社 閉鎖的な田舎町にてあらゆる方向から憎まれている女性が殺されるまで。各章で語り手が変わるが割と信頼できない。最後の方の展開はトンプスンらしさ溢れている。

異形の愛

キャサリン・ダン/著 柳下毅一郎/訳 河出書房新社 カルト小説して有名なので気にはなっていた作品。巡業サーカスを営んでいる夫婦が意図的に奇形の子供たちを産み育てるとなんとも度し難い始まりであるが、その歪みが当たり前の生活になってしまう奇妙な家族…

サイバー・ショーグン・レボリューション

ピーター・トライアス/著 中原尚哉/訳 早川書房 シリーズ3作目、完結編。第二次世界大戦で敗退し、日本とナチスドイツに二分割されたアメリカが舞台のロボットもの。登場人物の姓名が日本人風だが漢字が一般的ではない方を割り当てているのはいつも気になっ…

ファイナル・ツイスト

ジェフリー・ディーヴァー/著 池田真紀子/訳 文藝春秋 コルター・ショウ シリーズ3作目でファーストシーズン完結作。リンカー・ライムとは対照的に徹底的にアウトドア&アクションで活躍する。本作では、最強の相棒と組んで父の死に関わる敵と直接対決する。

アニーはどこにいった

C・J・チューダー/著 中谷友紀子/訳 文藝春秋 デビュー作と同様、40代男性英語教師が主人公。(著者は女性)廃れた元炭鉱町で起こった殺人事件は過去に起こった主人公の妹失踪事件と関連している?物語はミステリ風であるが、結末はホラー色がより強くなって…

白墨人形

C・J・チューダー/著 中谷友紀子/訳 文春文庫 子ども時代(1986年)と大人になった現代(2016年)の章が交互に構成されている。スティーヴン・キングの『IT』風だなと思いつつ読んでいたが、実際、キングの影響が大きいホラーミステリだった。過去や現代で殺…

魔の山

ジェフリー・ディーヴァー/著 池田真紀子/訳 文藝春秋 コルター・ショウのシリーズ2作目。とにかくサバイバル知識豊富な彼ならばの自己啓発系カルト集団へ潜入捜査が中心の物語。ディーバー作品のサスペンスものでよく起こる各章ごとのどんでん返しは控えめ。

死を告げられた女

イングリッド・デジュール/著 竹若理衣/訳 ハヤカワ文庫NV フランスを舞台にしたサスペンスもの。 イスラム国によって起こるテロや殺人という 実際の事件を背景にしている。 物語は彼らに対抗する組織のリーダーである女性と 彼女を守護する契約をしたボディ…

限界点

ジェフリー・ディーヴァー/著 土屋晃/訳 文藝春秋 拷問も厭わない殺し屋から ターゲットを守る連邦機関所属の ボディーガードが主役のサスペンスアクション。 主人公がボードゲーム愛好者。 ディーヴァーらしく何度もどんでん返しあり。

ネヴァー・ゲーム

ジェフリー・ディーヴァー/著 池田真紀子/訳 文藝春秋 賞金稼ぎではなく懸賞金ハンターの コルター・ショウが主人公のシリーズ一作目。 連続誘拐事件が、シリコンヴァレーのゲーム業界に 関係していくサスペンスもの。

オクトーバー・リスト

ジェフリー・ディーヴァー/著 土屋晃/訳 文春文庫 最終章から始まって第一章で完結する 逆から読む物語。 娘を誘拐されたとする女性の印象が 最終章と第一章でガラッと変わるのはさすが。

あなたの人生の物語

テッド・チャン著 浅倉久志ほか/訳 ハヤカワ文庫SF 短編8編収録。 表題の『あなたの人生の物語』は名作なんだなあ とは思うのだが、自分の好みではないのか理解が深まらず残念。 『バビロンの塔』『地獄とは神の不在なり』の方が面白かった。

インヴィジブル・シティ

ジュリア・ダール/著 真崎義博/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 真崎義博の翻訳本を読むのは久しぶり。 ニューヨークは多様化された都市とはいえ その中にあるユダヤ人コミュニティの存在は異質な感じがした。 イディッシュ語を使い、英語が話せない人もいたり 殺…

北海に消えた少女

ローネ・タイルス/著 一花洋介/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 デンマーク・ミステリだが、 舞台はイギリスが中心だった。 デンマーク人からみたイギリスの描写が面白い。 事件の真相については、結末を知ってからだと 途中にヒントがいくらかあるのに気づく。

記憶のための殺人

ディディエ・デナンクス/著 堀茂樹/訳 草思社 社会派ミステリ。 1961年パリで起きたアルジェリア人弾圧事件に乗じて 殺害された高校教師。 その後1982年にその息子が殺害される。 殺害される原因が第二次世界大戦でのナチス関連で フランスで起こった歴史の…

いやいやながらルパンを生み出した作家

ジャック・ドゥルワール/著 小林佐江子/訳 国書刊行会 モーリス・ルブラン初の伝記。 アルセーヌ・ルパンの生みの親なのに 今まで伝記にならなかったのに驚き。 タイトル通り、ドイルなどと同様自分の生み出した キャラクターが好きになれなかった。 ブルジ…

時のきざはし 現代中華SF傑作選

立原透耶/編 新紀元社 <収録作品> 『太陽に別れを告げる日』江波/著 大久保洋子/訳 『異域』何夕/著 及川茜/訳 『鯨座を見た人』糖匪/著 根岸美聡/訳 『沈黙の音節』昼温/著 浅田雅美 訳 『ハインリヒ・バナールの文学的肖像』陸秋槎/著 大久保洋子/訳 『…

網内人

陳浩基/著 玉田誠/訳 文藝春秋 ネット時代での新たな探偵誕生。 探偵役はダークヒーローでいいのかな? 作品内の仕掛けがしっかりミステリしているのが良い。

夏に凍える舟

ヨハン・テオリン/著 三角和代/訳 早川書房 エーランド島四部作の最終作。 過去話で出てきた「新しい国」がまさかの旧ソ連のことで いわゆるおそロシアなエピソードが続き それが現代のエーランド島の物語に関連するとは思わなかった。

赤く微笑む春

ヨハン・テオリン/著 三角和代/訳 早川書房 エーランド島のシリーズ3作目。 前作から4年ぶりくらいに読んだためか 元船長のおじいちゃんの身体の衰えぶりに少し悲しみを感じた。 エルフやトロールなどファンタジーめいた話も出てくるが、 メインとなる家族の…

テッド・チャン/著 大森望/訳 早川書房

<収録作品> 『商人と錬金術師の門』『息吹』『予期される未来』 『ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル』 『デイシー式全自動ナニー』『偽りのない事実、偽りのない気持ち』 『大いなる沈黙』『オムファロス』『不安は自由のめまい』 テッド・チャ…

カッティング・エッジ

ジェフリー・ディーヴァー/著 池田真紀子/訳 文藝春秋 リンカーン・ライムシリーズ14作目。 これで最新作まで追いついた。 登場人物表でアメリア・サックスが リンカーンの妻と記載されているのがいい。 ダイヤモンドに固執する犯罪者を追う。

ブラック・スクリーム

ジェフリー・ディーヴァー/著 池田真紀子/訳 文藝春秋 リンカーン・ライムシリーズ13作目。 本作はイタリアが舞台で、 イタリア版ルーキーな森林警備隊員が 目立っていた。というか、検察官なども NYよりもアクが強い。 事件の真相がアメリカの闇?

スティール・キス

ジェフリー・ディーヴァー/著 池田真紀子/訳 文藝春秋 リンカーン・ライムシリーズ12作目。 犯人追跡途中に起こったエレベーター事故事件。 この民事事件が、殺人事件と関連していた。 このシリーズは執筆当時の最新テクノロジーを扱っているが 今回はIOT家…

煽動者

ジェフリー・ディーヴァー/著 池田真紀子/訳 文藝春秋 キャサリン・ダンス、シリーズ4作目で完結? とにかくも言葉巧みに民衆を パニックに陥らせて事故を起こす犯人が恐ろしい。 ラストでダンスの恋愛がひと段落というか 予想通りの結末だった。 ジョンが当…

シャドウ・ストーカー

ジェフリー・ディーヴァー/著 池田真紀子/訳 文藝春秋 キャサリン・ダンス、シリーズ3作目。 休暇で訪れた先での事件に巻き込まれ、 アウェイな立場で捜査に加わる。 途中で、リンカーン・ライム一行が登場するところが目玉か。

ロードサイド・クロス

ジェフリー・ディーヴァー/著 池田真紀子/訳 文藝春秋 キャサリン・ダンス作品がシリーズ化してた。 ネットいじめが現実の殺人事件が。 並行して、キャサリンの母が安楽死殺人をした容疑をかけられる。 話が前作と少し続いていることに、しばらくして気づい…