2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

夜の記憶

トマス・H・クック/著 村松潔/訳 文春文庫 ミステリ作家ポール・グレーヴス。 リヴァーウッドで50年前に起こった 少女殺害事件の謎解きを依頼され調査を行う。 調査が進むにつれて、ポールが少年時に起こった 姉惨殺事件の記憶と、彼の小説中登場人物の妄想…

レッド 第4巻

山本直樹 講談社 1971年6月から8月まで。 とうとう2、3番の処刑という名の殺人が行われて (史実では印旛沼事件)地獄巡りが開始した。 白根さんが処刑提案しているが、これは事実なのかは モデルになっている人が殺害されているので不明。 赤城のモデルの人…

西遊妖猿伝 西域篇 第2巻

諸星大二郎 講談社 やっと西遊記メンバーが勢揃いの旅が始まった。 羊頭の悪魔やゾロアスター教が出て来るところが 諸星大二郎らしい。

太陽を曳く馬 (上)(下)

高村薫/著 新潮社 『晴子情歌』『新リア王』に続く三部作三作目。 ミステリではなく、小説でもなく、もう独特すぎ。 高村薫的仏教世界を中心にし、オウム事件、911テロについても語られる。 高村薫がキリスト教から仏教に信仰が変わった理由である 神戸大震…

赤目四十八瀧心中未遂

車谷長吉/著 文藝春秋 第119回直木賞受賞作。 エンタメ系ではなく純文学。 私小説(主人公と経歴は作者と同じ)のように見せかけて ほぼフィクション小説らしい。 でも、関西尼崎の裏社会といってもいい底辺的生活は 作者が各地を流転していた経験を活かした…

OUT (上)(下)

桐野夏生/著 講談社文庫 家庭の多少のトラブルは抱えつつも普通の主婦が ここまでノワール主人公になれるのかには驚きだった。 弁当工場の4人組の存在が妙なほどリアルに感じられる。

乙嫁語り 第2巻

森薫 エンターブレイン アミルの実家の問題は一応完結。 刺繍の回はカラーで見てみたいくらい綺麗。 スミスが何気に活躍、そして次巻へのナビゲーターになるのか。 アミル&カルルク夫婦としばらくお別れになるらしいので吃驚。 でも、新たな乙嫁が出て来るの…

アオイホノオ 第4巻

島本和彦 小学館 巻が進む程面白いなあ。 焔の開き直り理論が笑えてならない。 漫画家デビューまではまだまだか? という感じだけど、今後学園ものとSFものを 活かした漫画を描きそうな予感を感じさせる巻だった。 ウォークマン懐かしい。

レベル7

宮部みゆき/著 新潮文庫 最初の謎から、後半のドンデン返しまで謎の連続。 ラストは少し強引かな。 子どもの言動が不自然(子どもらしくなしさみたいな)な 印象を受けたためか、現代小説なのに(といっても90年代だが) 古い小説のような印象。

産霊山秘録 (上)(下)

半村良/著 角川文庫 異能能力を持つ一族が、日本の歴史の裏を動かすという 伝奇時代小説、と思いきや現代まで話が続いていた。 明智光秀や坂本龍馬など歴史の節目で活躍した人物も 一族という設定で進む偽歴史ぽさが面白い。

柔らかな頬

桐野夏生/著 講談社 どうしようもなく 自己中心的でやりきれない人ばかり出てきて疲れた。 理性よりも本能にある意味忠実なのかもだが。 特に、失踪した幼女の母であり本作のヒロインのカスミが その傾向が顕著であるので、不幸なのにあまり共感できず。 失…

銭金について

車谷長吉/著 朝日新聞社 随筆と俳句をまとめたもの。 直木賞受賞直後の日記も掲載あり。 最も印象に残った文。 「確かに小説一篇を書くことは、人一人を殺すぐらいの気力がいるのである。」 フラナリー・オコナーも似たような事を書いていたことを 思い出し…

夏草の記憶

トマス・H・クック/著 芹澤恵/訳 文春文庫 「記憶」三部作の最終作。 いずれも少年時代に起こった事件を大人になってから 回想する話である。本作は30年前のハイスクール時代に起こった 初恋の美少女ケリーに起こった悲劇について医者である主人公が回想する…

カレンの眠る日

アマンダ・エア・ウォード/著 務台夏子/訳 新潮文庫 フィクションだけど、ノンフィクションぽい物語。 連続殺人犯で死刑囚のカレン、 後カレンの主治医になるフラニー、 カレンに夫を殺害されたシーリア。 何かしら喪失した心を持つ三人がカレンを中心に描写…

石の血脈

半村良/著 角川文庫 画像のバージョンより古い版にて読了。 番外編の『赤い酒場を訪れたまえ』を先に読んでいたので 途中の筋はわかっていたが、世界的建築家の死から始まって アトランティス帝国や暗殺集団など、 スケールがどんどん大きくなっていくのでち…