2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

WOMBS 第3巻

白井弓子 小学館 いよいよ本編が動き出した風にみえたところで 続きは一年後……。 マナが「開拓者」として座標空間でポイントを作れるようになったが、 自分の過去の思い出を元にしているのが哀しかったり。

奇跡なす者たち

ジャック・ヴァンス/著 浅倉久志/編訳 国書刊行会 <収録作品> 『フィルスクの陶匠』『音』『保護色』 『ミトル』『無因果世界』『奇跡なす者たち』 『月の蛾』『最後の城』 地球以外の星での幻想的な出来事を書いた ファンタジーSF。宇宙ものは苦手だけど…

ジェイクをさがして

チャイナ・ミエヴィル/著 日暮雅通/ほか訳 ハヤカワSF文庫 <収録作品> 『ジェイクをさがして』『基礎』『ボールルーム』 『ロンドンにおける“ある出来事”の報告』『使い魔』『ある医学百科事典の一項目』 『細部に宿るもの』『仲介者』『もうひとつの空』 …

グラーグ57 (上)(下)

トム・ロブ・スミス/著 田口俊樹/訳 新潮文庫 ジェットコースター展開でめまぐるしい。 何しろ裏切りとか逆転が続きすぎるのでお気に入りの登場など 作らない方がいいと思う。次作もあるので主人公は死なないのは わかっているけれど、他は突然死亡しても驚…

歌の翼に

トマス・M・ディッシュ/著 友枝康子/訳 国書刊行会 食料や住居が不足した近未来のアメリカで、 歌によって文字通り「飛翔」することを夢を見る少年の物語。 ディッシュの半自伝でもあるのだが、 少年の成長物語でもあり、音楽およびその他教養小説でもあり、…

スコットランドの黒い王様

ジャイルズフォーデン/著 武田将明/訳 新潮社 「ラスト・キング・オブ・スコットランド」という映画にもなっているらしい。 ウガンダで別名「黒いヒットラー」と呼ばれたアミン大統領の 主治医であるスコットランド人の視点で、 アミンが大統領に就任から失…

アンのゆりかご

村岡恵理/著 マガジンハウス 『赤毛のアン』の翻訳者として有名な 村岡花子の生涯を孫が書き記した伝記。 地味な生涯だったのかと思いきや、ドラマチックだったのね。 大正・昭和を彩る女流作家たちが友人だったりする上、 アン風にいう腹心の友が柳原白蓮だ…

アンドロギュノスの裔 渡辺温全集

渡辺温/著 創元推理文庫 27歳で事故死した夭折の作家、 渡辺温の著作が全集でまとめられた。 手元に置けるのがうれしいけど1冊でまとまってしまうくらいの 作品数だったのは少しさみしい。 渡辺温のモダンなのに哀愁な文体が気に入っている。

明治 大正 昭和 不良少女伝 莫連女と少女ギャング団

平山亜佐子/著 河出書房新社 前から個人的に気になっているテーマが 大変うまくまとまっている。ちなみに昭和は戦前まで。 夢野久作のルポにも出ている不良少女団の話が具体的な内容で紹介されていてよかった。 しかし、戦時中不良少女はどこ行ったのかと疑…

聖書男

A・J・ジェイコブズ/著 阪田由美子/訳 阪急コミュニケーションズ タイトルは「バイブルマン」と読む。 サブタイトル「現代NYで 「聖書の教え」を忠実に守ってみた1年間日記」の とおりの体験ルポ本。 著者はユダヤ人なので、旧約聖書の内容がメインになって…

「彼女たち」の連合赤軍 ―サブカルチャーと戦後民主主義

大塚英志/著 角川文庫 これでも読みやすいのかもだけど、所々理解しづらいところも。 「かわいい」が連合赤軍がおこした、山岳ベース事件での 重要なキーワードになっているという視点は腑に落ちた。

文学刑事サーズデイ・ネクスト1 ジェイン・エアを探せ!

ジャスパー・フォード/著 田村源二/訳 ソニーマガジンズ これうまいなあ。次作も読んでみたい。 パラレルワールド(というのが、クルミア戦争が続いているあたりですぐわかる) の1985年のイギリス。 なぜか文学のステータスが異様に高くて専門事件を扱う 刑…

黄昏ホテル

e-NOVELS/編 小学館 <収録作品> 『暗い日曜日』篠田真由美 『アズ・タイム・ゴーズ・バイ』早見裕司 『インヴィテイション』浅暮三文 『カンヅメ』森奈津子 『夜の誘惑』近藤史恵 『黄昏色の幻影』小森健太朗 『神輿と黄金のパイン』笠井潔 『タイヤキ』田…

猿駅/初恋

田中哲弥/著 早川書房 <収録作品> 『猿駅』『初恋』『遠き鼻血の果て』 『ユカ』『か』『雨』 『ハイマール祭』『げろめさん』『羊山羊』 『猿はあけぼの。』 幻想小説短篇集。 幻想的というと綺麗なイメージかもだけど、 本作の場合は悪夢みたいな物語を意…