老神介護

老神介護

劉慈欣/著 大森望、古市雅子/訳 KADOKAWA

<収録作品>
『老神介護』『人類扶養』『白亜紀往事』
『彼女の眼を連れて』『地球大砲』

 

版元が早川書房かと思ったらKADOKAWAだった。
表題の『老神介護』がどこかで読んだ気がするのだが
読んでいないみたい(漫画版も未読)。
短編でありながら、意外にもシンプルなテーマを
スケール大きい設定とアイデアで壮大な物語となっている。

バッタを倒しにアフリカへ

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

前野ウルド浩太郎/著 光文社新書

 

表紙や少し自虐ネタや現地の人々の交流など
ユーモアある文章。
『ファーブル昆虫記』に憧れて昆虫学者を目指した著者が
サバクトビバッタの生態について
モーリタニアまで現地調査する話なので結構真面目な内容。

哀惜

哀惜 (ハヤカワ・ミステリ文庫 HMク 25-1)

アン・クリーヴス/著 高山真由美/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫

 

特異なキリスト系宗派で育った刑事が主人公の警察小説。
アルコール依存症の男性殺害事件が起こるが、
そこからダウン症女性の誘拐などの事件も発生したりと
一見慌ただしさがあるが意外にも物語自体は
ゆったりした雰囲気。

シーセッド・ヒーセッド

シーセッド・ヒーセッド

柴田よしき/著 実業之日本社

 

花咲慎一郎シリーズ3作目。
今回は連作短編集といったところか
大まかに3作の物語がある。
このシリーズはハードボイルドでもあるが
ユーモアもあるので読みやすい。

フォー・ユア・プレジャー

フォー・ユア・プレジャー

柴田よしき/著 講談社

 

花咲慎一郎シリーズ2作目。
今回は複数の事件を並行して調査することに。
そのうち一つは文字通り命懸け。
山内練の悪魔的描写が特に際立っていて
主人公よりも目立っている。

ガラスの顔

ガラスの顔

フランシス・ハーディング/著 児玉敦子/訳 東京創元社

 

本作では今までとは違って
完全な異世界が舞台のファンタジー小説
かなり作り込まれた世界観に引き込まれる。
限られた<面>という表情しかつくれない人たちに対し
表情を自由に変えられ嘘がつけない少女が主人公。
周囲から浮いてしまう彼女が、格差社会の世界を変えていく。