読書の記録_国内作家さ行

鏡の中は日曜日

殊能将之/著 講談社 ミステリのトリックとしてアンフェアぽい気もしたが、 パロディ的なものとして読むならあり。

美濃牛

殊能将之/著 講談社 蘊蓄満載な、探偵小説もの。 現代の横溝正史的世界なのが興味深かった。

ハサミ男

殊能将之/著 講談社 タイトルは知っていたが初読だった。 いい叙述ミステリ小説だった。

長女たち

篠田節子/著 新潮社 <収録作品> 『家守娘』『ミッション』『ファーストレディ』 「長女」が全て主役の物語。 家に縛られる要因がリアルすぎだった。

娘と私

獅子文六/著 ちくま文庫 600ページ越え! 娘の誕生から結婚するまでの私小説。 でも、タイトルは『娘と私』だが 実際には妻と私の話といってもいい内容である。 「私」の身勝手さはあるが、時代的には当たり前そう。 なお、本書は連続テレビ小説の第一回目の…

働く気持ちに火をつける―ミッション、パッション、ハイテンション!

斎藤孝/著 文藝春秋 ご機嫌でポジティブに働くための方法。 読みやすいしわかりやすい内容。

雪の断章

佐々木丸美/著 創元推理文庫 10代のときに読んでいたら読後感が変わりそう。 40年以上前の作品なので、 幼い少女を血縁のない青年が育てるという設定が なんとか出来たのだと思う。現代だと絶対無理。 雪の札幌とか幻想的な感じが強まる。

先生と私

佐藤優/著 幻冬舎 中学生時代についての自伝小説。 かなり早熟した思考を持った中学生だが、 周囲の大人に恵まれていて自分の能力が伸ばされて羨ましい。

寄居虫女

櫛木理宇/著 角川書店 巧みに洗脳し支配して 家族同士を争わせる、という怖さがあるが これが現実の事件が元になっていると思うと 現実の事件の怖さがより増す。

殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件

清水潔/著 新潮社 足利事件および近隣の幼女誘拐事件関連についての本。 真犯人らしき人物まで特定でき著者は情報提供しているのに 対処しない(できない?)警察・検察関係っていったい。。。

銀座Hanako物語――バブルを駆けた雑誌の2000日

椎根和/著 紀伊國屋書店 雑誌『Hanako』の創刊編集長による 回想話。自分を三人称にしてるのは成功か否か? 本書を読むと雑誌というかマスメディアが 莫大な取材費を使って流行を作っていく様が まさにバブル時代にふさわしすぎなのがわかって面白い。

償いの椅子

沢木冬吾/著 角川書店 ハードボイルド復讐譚。 話の内容にしては登場人物が多すぎ。

坂木司リクエスト! 和菓子のアンソロジー

坂木司/編 光文社 <収録作品> 『空の春告鳥』坂木司 『トマどら』日明恩 『チチとクズの国』牧野修 『迷宮の松露』近藤史恵 『融雪』柴田よしき 『糖質な彼女』木地雅映子 『時じくの実の宮古へ』小川一水 『古入道きたりて』恒川光太郎 『しりとり』北村…

畸人巡礼 怪人礼讃 (新 忘れられた日本人Ⅱ)

佐野眞一/著 毎日新聞社 過去のノンフィクションものを取材して 出てきた只者ではない人を紹介している。 さりげない既存本の紹介にもなっている。

新忘れられた日本人

佐野眞一/著 毎日新聞社 昭和の怪人評伝。 タイトルは明らかに宮本常一からきているが コンセプト違うような気がする。

MOMOSE ― 不良のカリスマ・百瀬博教

塩澤幸登/著 河出書房新社 百瀬博教が詩人として文壇に登場する前までの、 伝記小説。本人の自伝からの引用も多い。 背景が裏戦後史としても読める。

マンガ美術館&スポットガイド

進藤やす子/著・絵 技術評論社 ほとんどは行ったことはないが、 割と知っている所が紹介されていた。 震災前の石ノ森萬画館が。。。 模写が意外にも上手かった。

アリスの服が着たい―ヴィクトリア朝児童文学と子供服の誕生

坂井妙子/著 勁草書房 アリス、ケイト・グリーナウェイ、ハバートおばさん、小公子など 出版当時にヒットした時代に服装にも影響を与えた、 て昔の人コスプレ好んでいたということか。 図版が結構掲載されているのでイメージしやすくて面白かった。

加害者家族

鈴木伸元/著 幻冬舎新書 これは重い現実。 ある日、身内が犯罪者になった時点で巻き込まれる。 世間の攻撃が、犯罪を犯した者よりも凄まじいのが恐ろしい。 あの、犯罪者ではなくその家族を脅迫したり迫害したりする人々の 行為自体がよくわからない。

ママン愛人(ラマン)

佐藤亜有子/著 河出書房新社 <収録作品> 『ママン愛人』『死の花嫁』『蜘蛛』 2013年に急逝した著者の遺作集。 いずれも最も大切な身内を亡くした女性の喪失感と 死を予感させる話である。 心弱っているときに読むと気持ちが引きずられそうで危険。

都市伝説セピア

朱川湊人/著 文藝春秋 <収録作品> 『アイスマン』『昨日公園』『フクロウ男』 『死者恋』『月の石』 都市伝説らしく懐かしい雰囲気な話なので タイトルがぴったりだった。 自ら都市伝説になろうとおいう『フクロウ男』が印象強かった。

ボディ・レンタル

佐藤亜有子/著 河出書房新社 今年の1月に自殺した著者のデビュー作。 現役東大(作中は違う名前だが)在籍の 女子大生が「ボディ・レンタル」と称して売春行為を行っている。 最高学府がブランドになってかつ美形ぽい設定。 虚無な感じだが、バブルぽい雰囲…

皇室へのソボクなギモン

辛酸なめ子、竹田恒泰/訳 扶桑社 タイトルのテーマに沿った対談集。 思ったよりもおちゃらけてはいなかった。 辛酸なめ子なのでスピリチュアルネタは当然あったが。

獄中記

佐藤優/著 岩波書店 実質『国家の罠』の続編。 刑務所生活ではなく逮捕後の拘置所生活の日記。 後に公開する前提で書いていそうな内容だった。

女流 林芙美子と有吉佐和子

関川夏央/著 集英社 林芙美子と有吉佐和子という「女流」と呼ばれるに ふさわしい女性作家の生涯をまとめたもの。 林芙美子の方のエピソードはだいたい知っていたが 有吉佐和子は亡くなる直前の「笑っていいいとも」エピソード くらいしか知らなかったので大…

貧乏だけど贅沢

沢木耕太郎/著 文藝春秋 旅とその周辺による対談集。 沢木耕太郎のルポものは数冊読んでいるが 相当なギャンブル好きだとは。 あと、対談を通してハワイが大好きとか 沢木耕太郎自体の意外な一面がわかって面白かった。

仮想儀礼 (上)(下)

篠田節子/著 新潮社 長いけど読みやすいのでだらけず読む事ができた。 新興宗教をつくるきっかけが911というのはうまいなと思った。 教祖となる正彦と幹部の矢口が 意外にも普通の感覚の人なためか 周囲に寄ってきた人たちの方が怖かった。 下巻からの転落と…

七色の海

曾野綾子/著 講談社文庫 <収録作品> 『七色の海』『集中豪雨』『人間の皮』 『日月潭』『睡蓮の踊り』『創作の秘訣』 『キシタアゲハ』『女優の家』『支那宿「さくら館」』 『帰らざる橋』『爽やかな声』『ミヒート』 外国の香り高い短篇集。 日本が舞台で…

本のおかわりもう一冊 桜庭一樹読書日記

桜庭一樹/著 東京創元社 最新刊まで追いついたぞ。 本作ではあの3月11日にも触れていて また他に比べて作家としての立場の話も少し多かった。 あれからもうすぐ2年……。

火の粉

雫井脩介/著 幻冬舎 いろいろな社会問題をつめ過ぎな感じはしたが 一気に読まされた。 人の心理をうまく利用する犯罪者は下手なホラーよりも怖いな。 クライマックスのシーンは怖いのに滑稽でもあった。 後味が悪いのか、一応落とし前つけているから後味よい…