晴子情歌

(上)(下)

高村薫 新潮社

奥付の後の広告が全て新潮ミステリー倶楽部だが、

この話はミステリーではないと思う。

人は死ぬが、死ぬべくために死ぬ感じなのだ。

晴子の息子に宛てた手紙の、過去の思い出に対する執拗さが、

しかも旧かな使いのためかより強調されているようである。

最初は読みにくいが、慣れると特有のリズム感に乗って読めるので

少しは楽になるかも。

つうか、実は本作が高村薫初読了本だったりする(今どきかい)。