郊外の一角にある、4家族の家庭の話を
連作短編で構成している。
どの家庭も「絵を描いたような幸福な一家」ではなく、
むしろ不幸がじわじわ迫っているような家庭ばかりである。
それが家庭内部だけではなく、後の方になるにつれ
第三者から見ても、この家庭はどこかがおかしいのでは? という
ものが表面に出ている。
一応、一話ごとに一家族のエピソードが書かれているが、
どの登場人物も、悲観的である。
4家族以外の異邦者の視点から構成される
短編も2つあって、エピソードもあるのでバランスが良い。