血脈

(上)(中)(下)

佐藤愛子 文藝春秋

(上)は二週間前に読了。(中)は先日、(下)は本日読了。

自分の一族の話を赤裸々に書いた、作者本人の最高傑作。

ところどころの話は、過去の小説でも何度も語られているけど、

それでも『血脈』は面白い。

佐藤家の人(結婚相手も含め)が誰一人まともじゃないのが凄いよ。

まともそうな、早苗(愛子の姉)でさえ、

人生後半は佐藤家的な生き方だし。

非常に迷惑な嘘つき病なチャカは実際に関わったら大変だけど、

小説的には一番面白い人だ。死に様が笑いで語られてる人……。

しかし、愛子の兄サトウハチローが詩は素晴らしいものなのに、

極悪な性格なのにイメージ壊された人多そうだなあ。

でも、エピソード的に凄く面白いんだけど。

ちょっと今も生きている人のことまで

(ハチローの孫で引きこもりの人とか)は書く必要ないかもしれないけど。