荊の城

(上)(下)

サラ・ウォーターズ/著 中村有希/訳 創元推理文庫

『半身』よりこちらのほうが好き。

かなり分厚かったけどだれることなく読めた。

途中で予測できたところは第一部の部分までだった。

あとは予測もつけずに読むしかなかったよ。

下層社会や当時の暗黒面その他ネタばれ含む箇所等について、

現代だったらのありえない舞台装置なところが

ヴィクトリア朝という時代設定で許されるんだよなあ。

19世紀半ばのイギリスで、運命に翻弄された二人の少女の行方が

どうなるか気になって仕方なかった。

騙し騙されの状態にある上、身分違いで同性同士の恋がもう

せつなすぎ……。『半身』と違って今回の二人は可憐さがあるだけに。